因果の精算①
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本っっっ当―――に、ありがとうございます!!!
――エイローシスが気がつくと、そこは神殿ではなかった。
薄暗い松明の明かりと、湿った石壁。
どうやら招待された先は、あの迷宮のような所らしい。
「……ええ~~~……なんで、僕がこんな目にいぃぃいだだだ!矢が食い込む!!はい!僕が悪いんです!僕のせです!!」
そんな自業自得なセルフツッコみをしていると―――
『エントリーヲ、受ケ付ケマシタ♡ドウゾ、オ先ニ、オ進ミクダサイ♡』
「!」
機械音声のようなものが聞こえた。よく見ると、少し広いホールスペースのような場所になっている。・・・スタート地点かな。
グイッ グイッ
赤い糸に引っ張られる。
「……はあ~~~……」
とりあえず、引っ張られるまま進んでみることにする。あの迷宮と少し造りが違うみたいだな、なんて考えていたら――――
「遅刻遅刻~!」
ドンッ
曲がり角で女性とぶつかった。しかし、顔が無い。そして、何かを口に入れようとしてきた。
「ひっ……」
とっさに顔を避ける。
「…………ああ~なんてス~テ~キ~ナ~ノオオォォォ―……」
「ひいい……!」
壊れた機械みたいになった女性から、全速力で逃げる。すると――
通路に倒れている女性が居た。
女性はエイローシスに気付き、顔を上げる――が、やはり顔が無い。
「……ひっ、怖っ!」
後ろを確認し、あの機械みたいな女性は追って来ていないので、少し戻って、別の通路を進む。すると――
先程の通路に倒れていた顔の無い女性が、俯いて立っていた。
「……えっ、怖っ!」
少し戻ると、
顔の無い女性が、俯いて立っていた。
「ひいぃぃぃっ!これ、本物の完全なホラーじゃん!!!何の迷宮なの!?戦慄迷宮か何か!?」
愛の御業を使おうとしたが、何も起こらない。
「!?」
『能力封印ノ因果ニヨリ、被験者ノ能力モ、封印サレテイマス♡ナオ、被験者ハ、模範解答【御子様】ト、同一条件デ行イマス♡』
「……はあ~~~~~!!??冗談でしょ!?……ええ~~~!!??……えっ!?ひいいいこっち来たああああ!!!」
全速力で逃げる!!
すると、ドドドドと凄い音がしてきたので振り返ると、筋肉マッチョの男が追いかけて来ていた。しかし、顔が無い。
「!?」
何!?何が起きてるの!?怖い!普通に怖い!!!
「俺と勝負しろー!」
「!」
……もしかして……
「これって……僕が立てた恋愛フラグ!?」
「愛のマッスルドラミングーーー!!!」
衝撃波が飛んで来る。
「! ぎゃああああ―――」
衝撃波に飛ばされ、壁に打ち付けられる。
「俺が勝ったらお前は俺のものだーーー!!!」
「ひいいい……!」
痛みも忘れて、再び全速力で逃げる。しかし――
「遅刻遅刻~!」
ドンッ
曲がり角で先程の機械みたいな女性とぶつかった。
「無限ループ!?怖すぎの嫌すぎなんだけど~~~!!!何か、何か手は……!」
機械音声が『模範解答【御子様】ト同一条件』と言っていたのを思い出した。
機械みたいな女性が、口に何かを入れようとしてきたのを躱し、逆に持っていたものを取り上げ、口の中に入れ――
「顔が無いから口が無いんですけどーーー!!」
とりあえず、パン(?)のようなもので、右頬をパンッと叩いてみた。
「……ダジャレ目的ではない!!僕は必死だ!!」
『女性ヘノ暴行、犯罪デス(death)』
「暴行じゃなくて正当防衛だから!むしろこの機械の方が犯罪者じゃない!?あ!そっか!御子たち(レオニダス)は手刀だった!」
シュッ――
ガキン
「痛った!硬った!!理不尽すぎでしょーーー!!!」――――……
しょーーー――――……
しょー―――……
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「あっはっは!エイローシス、お前……ダジャレはないだろう!!あっはっは!」
アポロニアが、アルゴウスの特別性モニター画面で一部始終見ていた。エイローシスが居るのは因果の世界だが、アルゴウスの特別性モニタは、どんな世界でも見ることが出来る。
「連邦評議会でも、今頃みんなで見ているかもしれないな。……コレを。…はは、エイローシス……頑張れよ!みっともない所、見せるんじゃ……あっはっは!言った傍からお前……ははは。姉さん用に録画しといたから、後でコピーして、エイローシス用と被害者達(御子達)用を作って、プレゼントして見せてやるか(笑)」
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「……はあー……はあー……」
どうにか、扉を見つけて、恋愛フラグ相手達を撒けたが、扉の先は、先程とは比べ物にならない程、過酷で最低最悪であった。
――――エイローシスは、頭部に突起物(約50cm・鋭利)が付いている、(推定)縦2.5m、横1mのギミックのような「何か」に苦戦していた。
『第二試験、〔愛の椅子引きエスコート♡〕「彼女」ヲ、愛ヲ持ッテ、座ラセテアゲテクダサイ♡』
「・・・・・」
――――第一試験での、席までの案内エスコートでは、機械音声が「彼女」と呼ぶ巨躯のギミックに腕を引っ張られて肩が外れ、歩くたびに起こる振動で体が衝撃を受け、
歩くのも儘らなくなってきたら、肩が外れた腕を引きずられるように進んで行き、
挙句、巨躯のギミックが床を踏み抜いた時に巻き込まれ、自分も下敷きとなり埋まってしまった。
視界が暗転して、気づくと、もう次の試験が開始されていた。――――
「……大丈夫、これなら、御子がやっていたことを真似ればいい。椅子を引いて座らせるだけだから、簡単なハズ!」
座らせる瞬間に、エイローシスがドヤ顔で
「重心が四脚均一の位置になればいいんでしょう?(見よう見真似)」
よしっ!来いっ!
――――「……いける!!」
バキイッ
「! でもここで腰を押せば―――!?」
ドシーーーンッ
「ぎゃあああぁぁぁぁ……苦じ……何……で……?」
『愛ノ受講者、椅子引キ失敗。下敷キニナリ、マナー失格デス(death)』
――――エイローシスの視界が暗転した。
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