元冒険者の未練
初めましての皆様、お立ち寄りいただき、ありがとうございます!
何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当―――に嬉しいです!!!!!
今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!!!
――少し時間を遡る。
花のコサージュの謎解きに失敗して、命を落とし、迷宮に縛られていたが、聖女様に救いの祈りと浄化で清めてもらい、迷宮に捕らわれることなく、自由の身になれた。
御礼に、お役に立てる事があればサポートできるように、刻が許す限り見守っていたが、聖女様は聡明で強く、役に立てる事がほとんどなかった。
「…終わりにしましょう。この命を奪う質の悪い茶番な謎解きも、この迷宮自体も…あなたとこの迷宮の因縁も」
『…うん、そうだね!……でも、どうやって?』
「この迷宮の主を倒します」
聖女様が!?そう驚いていると、
空間に幾何学模様が浮かび、そこから銀色の弓が顕現し、聖女様が弓と矢を握りしめる。
すると、弓矢のに銀色の光が灯り、月夜の様な輝きを発するようになった。
『わお!聖女様強いの!?』
「ふふっ、まあ、それなりには」
聖女様が白銀の矢を引き絞る。
美しいな。弓矢も聖女様も。その立ち姿でさえも。
「まずはこの不届きな式場を、、、、、、ぶっ壊します!!!」
―――『アシメニオ・ヴェロス・ズィアペルナ(貫通する白銀矢)』 発動!! ―――
女神アルテミアの系譜に連なる、「狩人・長距離射撃」用スキル。
指から放たれた瞬間、矢は姿を消す。空気を切り裂く音すら聞こえない。
ただ、一本の銀色の線が、数秒遅れて白銀の矢の軌道に付いて行く。
パシュン、、、、
――ドオオオオオン
音が聞こえた時には、既に祭壇は貫通されていた。
白銀の矢は、祭壇を貫通し、壁を貫通し、
〝標的″に向かっていった――。
『………美しくて……カッコいい』
美少女で、聡明で、振舞とか性根も美しくて、おまけに……強いとか反則過ぎじゃない!?
「では、私は御子様の元へ行きます!」
『…じゃあ、僕は、脱出口の手がかりとか、コアとかを探ってみるよ。主を倒した後、迷宮崩壊とか、罠作動とかあったら、主を倒しても生き延びられないモノ』
「確かに。流石経験者は違いますね!」
『まかせてよ!幸いまだ成仏までのタイムリミットはあるようだし(…きっと、この迷宮の完全解明に未練があるんだろうな……聖女様によってこの迷宮がどうなるかも気になるし) 何かあったら知らせに飛んでいくね(笑)』
「ありがとうございます!くれぐれもお気をつけて!」
そう言いながら凄い勢いで走り去っていった。余程その"御子様"とやらが大切なのだろう。
「ふふ、気を付けて、は、生きてる君にかける言葉なんだけどw」
聖女様らしい。…少しその"御子様”とやらを羨ましく思う反面、見てみたいと言う好奇心も沸いた。
「……おっと、また未練が増えてしまいそうだ(笑)。切り替え切り替え~っと」
魂だけのエネルギー体なので、何処でもすり抜けられた。
――所々、壁がくり抜かれたような跡や、破壊されたような跡があった。
「何これ、スカスカのボロボロなんだけど!迷宮の壁の意味w迷宮とはw」
自分が知らない通路、それを踏破できる実力者達。一体どれほどの年月が経っていたのだろう?
「……体を動せられればマッピング…地図を完成させられるのに」
そんな事をぼやいている時だった。10体のミノタウロスがとある方向へと進んで行く。1体1体が聖女様の波動を纏った、銀色の光に包まれていた。
よく見るとアルテミア様の神紋が付いていた。
『あれは、……服従契約かな?』
聖女様本当に凄いな。……てか、ミノタウロス!しかも量産型魔獣だったの!?
死んでからもう何度目か分からない衝撃を再び受ける。
こんな衝撃的事実の連続開示状態、何故僕は今生きていないんだ……。
――そして、なんとなく付いて行ってみる。元冒険者のカンも働いたからだ。
そして付いて行って暫く、ある厳重な扉の前に着いた。
扉の中に入ると、広い空間の端に、エネルギー炉と、制御装置らしきもの、何かのカプセルがあった。
覗き込むと……
『ミノタウロス?……もしや……本体!?』
これは今すぐにでも知らせたいが、カプセル対策やら討伐対策やら、なにか何でもいいから手掛かりにつながるようなものは無いかと探し始めた時、
10体のミノタウロスが、カプセルに向っていく。
――すると、奥の扉から新たなミノタウロス達が現れた。
カプセルに近づくミノタウロス達を襲っている。
『カプセルを護るようにプログラムされたミノタウロス達かな?』
傍から見れば仲間割れして同士討ちしているような殴り合いに見える。
そのうち、何体か倒れた。
そのすぐ後に――
『!』
カプセルを護るミノタウロス側だけ圧倒的に増えた。
『……量産型だから、まだ居るんだ……いや、もしかして……』
エネルギー炉を見る。
『……これがある限り、無限に湧く……?』
だとしたら、聖女様達は消耗戦になって不利になってしまう。下手したら……。
『なんとかしないと……!』
何とか出来ないかと制御装置らしきものに近づく。しかし……
『ああ~これほど自分のスケスケな身をもどかしいと思ったのは初めてだよ~!何も触れられないから何も出来ないよ~!』
そんな嘆きをしながら身悶えしている時だった。
――ビッ…ヒュンッ――――
『!』
とっさに避ける。
『エネルギーヲ感知。排除シマス』
エネルギーセンサー!?
――ビッ…ヒュンッ――――
――ビッ…ヒュンッ――――
ここは一旦、戦略的撤退を……
『コノ空間ノ壁ト扉ヲ、一時的ニ、エネルギー遮断構造ニ切リ替エマス』
『!』
通り抜け出来ない!
――ビッ…ヒュンッ――――
……エネルギーを分解するレーザーみたいな光線かな?
当たったら成仏どころではなくなってしまう!
制御装置に当たるような位置取りをしたいが、レーザー機の配置からして無理そうだ。
『……ならばせめて……!』
カプセルが当たるように―――
そう思ってカプセルの方を見るを、N0.83(ヤミ)と書かれたプレートを付けた、通常よりも二回りも大きいミノタウロスが、聖女様の10体のミノタウロスを全て倒していた。
そして、こちらに向かってくる。
『え、N0.83(ヤミ)も魂(エネルギー体)に干渉できるの!?ヤミ……病み…闇…病んでる闇属性だから精神・魂の干渉もできるとか!?だとしたら怖っ!!』
――ビッ…ヒュンッ――――
――ビッ…ヒュンッ――――
ズシンッズシンッズシ
――ビッ…ヒュンッ――――
『…!………!』
……もしや、詰んだ!?
『…あ~あ、聖女様のお役に立ちたかったなあ~……』
……それ以前に、もっと、この"凄腕の冒険者”と言われたほどの力を、世の為人の為に使えばよかったな。そうしたらどんな人生になっていたんだろう。
自分の為だけに使って生きてきた人生を振り返り、今になって、そんな後悔が湧いてくる。……きっと、身も心も清廉な聖女様に出会えたからだろう。
『…こんな後悔と未練が出てきたってことは、僕の心も最期の最後で洗われたのかな~(笑) やっぱり聖女様は凄いね~』
でも、きっと今がその時―――。
『…どうせレーザーで分解されてしまうのなら……』
エネルギー遮断構造は壁と扉だけ。エネルギー炉に向っていく。
――ビッ…ヒュンッ――――
――ビッ…ヒュンッ――――
『…制御装置は干渉できないけど、エネルギー炉になら干渉できるかもしれない…。エネルギーを融合したり干渉したりする構造でしょ?だったら……』
きっとこれは、他者を救えるのに救いもせず、自分の為だけに生きてきた僕の咎。
でも、最期は、人の為に終われる――。
『僕の遺物が異物として、派手にバグれ~~~!!』
僕はエネルギー炉に突っ込んでいく。
『…聖女様!最期の最後で僕を綺麗な御霊にしてくれてありがとう!』
――――――――――――――――。
ビイィ―――ッ! ビイィ―――ッ!
警告のようなサイレン音が鳴り響いた。
読んでいただき、ありがとうございます!この理不尽な迷宮に、ストレスをかけられまくる主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。この「愛の迷宮編」が一区切りしたら、皆さまがもっと読みやすく、面白くなるように、全話少しずつ改稿予定です。なので、少しお休み期間が出来るかもです。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークをお願いいたします!(笑)




