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恋愛至上主義の神話世界 vs. 絶食系の俺~神々のとんでも恋愛フラグを全て塩対応回避して現代帰還を目指す~  作者: 陽月星 兎桜


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宴(披露宴)の始まり

初めましての皆様、お立ち寄りいただき、ありがとうございます!

何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当―――に嬉しいです!!!!!

今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!!!

崩落した壁の向こう側から、地響きと共に現れたのは、ナンバリングをされた【花嫁(ミノタウロス)】の軍勢だった。純白のドレスが波のように押し寄せ、殺到する。


「……10体か。先発隊と言ったところか」

「お任せください、相手が獣なら、恐れるに足りません」


リリーの威圧が衝撃波となって広がる。


「……『服従しなさい』!!」

『『『 ! 』』』


花嫁(ミノタウロス)】の軍勢が一斉に動きを止める。


『『『 ………… 』』』


グググとぎこちない動作で両膝を石床に付け、頭を下げる。


「『本体を此処へ連れてきなさい。生死は問いません』」


花嫁(ミノタウロス)】の軍勢は、さらに頭を下げ、一斉に同じ方向へ移動して行った。


「すごいなリリー」

「! ありがとうございます!」


嬉しそうに微笑むリリーだったが、すぐに警戒に入る。


「30体ほど来ます」

「おかわりが来ますね」


レオとリリーがほぼ同時に予告する。


しかし、リリーが更に威圧の範囲を広げている時、異変に気付いた。


「?……少し抵抗されてる…?ならばもう少し………うっ!」

「! リリー!?大丈……」


――獣耳……だと!?しかも尻尾まで生え……テンプレ?このタイミングで何のお約束の展開なんだ!?


「も、申し訳ございません御子様!お見苦しい恰好で…お目汚ししてしまい…この神系譜のスキルは、獣化のリスクがありまして……」


いやいや、むしろ、ふさふさな耳とか尻尾とか、癒しでしかないんだが。

ウチのお(およね)さん(白猫)と伝助(黒猫)を思い出す…。今も猫又の千代さんに厳しい指導を受けているんだろうか…早く帰ってモフモフしたい。


「中途半端な獣化は、一部の身体部分が獣人化し、そのうち思考と理性は完全に獣化してしまいます。未熟で役立たずの聖女様らしいですね。豚の姿の方がお似合いなのですが。使った能力がチーターや豹(瞬発力・素早さ)と、熊(パワー・速さ)だったのでしょう」


レオは呆れ気味に言っているが、リリーとN0.29(ニク)の戦いのときは、俺にスリスリしながらも、意識を向けてちゃんと気にかけているようだった。


「…く…、犬畜生は完全な犬畜生になれますからね!」

「フェンリルです」

「フェンリル!?」

「……私も、月の女神様達のスキルの一部が使えますから」


フェンリルって、あのフェンリルか!?


「ご安心ください。人の身では所詮、大きさも自分の身長と同じにしかなれませんし、意識はきちんと私のままですので」

「…ということは、変態のフェンリルか…」


それはご安心できるのか?


ドドドドドドドドドドド


そんな話をしているうちに30体ほどのミノタウロスが押し寄せてきた。


「…!」


リリーは床に座り付いたまま、動けずにいるようだ。

体への負担が大きかったのだろう。


「リリーはここで休んでいてくれ。レオ、リリーを頼む」

「しかし、それでは御子様が危険に…!」

「私は大丈夫です!どうか御子様は――」


二人が心配してくれるのは有り難いが、レオとリリー、二人の腕に浮かぶ模様は、おそらく神系譜スキルの負荷の代償だ。体に負荷を負っている二人の後ろに隠れて護ってもらおうとするほど、俺は腑抜けではない。


「二人が頑張ってくれたのだから、今度は俺が頑張らないとな」


任せておけと合図するように、二人に背を向けながら手をヒラヒラと振って見せる。




――合気道の真骨頂は、多人数掛け。


複数の敵に囲まれた際、受け流したり、躱したりしながら相手を誘導し、敵の体を盾にしたり、敵の突進力を別の敵にぶつけたりして、同士討ちさせる。

これに、"牛の性質"の「突進力」と「視野の狭さ」を掛け合わせれば、【花嫁(ミノタウロス)】でも同士討ちが可能になる。


……呼吸と氣を整える。静かに、確実に。




――蓮の氣が研ぎ澄まされる。


『お仕置きよー!』


右から剛腕、左から突進。まともに喰らえば肉片も残らない。

しかし蓮は、相手の軌道を読み、静かにスッと避け、右の剛腕牛の肩関節を押す。

勢いとバランスを崩したところに、左から突進してくる牛と衝突。


今度は正面から角を突き出して突っ込んできた牛。

蓮はその突進の軌道から、わずか半歩だけ横にズレる。

「入り身・転換」。


通り過ぎる牛の剛腕のフリル袖をそっと引き、その推進力を殺さずに、そのまま背後へと「流す」。


牛は時速60キロの猛スピードを維持したまま、蓮の背後から迫っていた二頭目のミノタウロスの腹に、その鋭い角をそのまま突き刺した。

『ぶふぉっ!?』

『がはっ! 』

同士討ちの悲鳴。だが、蓮はすでにそこにはいない。


巨体と巨体が衝突した瞬間の「死角ブラインドスポット」に、あらかじめ潜り込んでいる。

右斜め後ろから、別の牛が横薙ぎの拳を振るってきた。

蓮はしゃがみ込むようにしてその拳を躱すと、そのまま拳を放った牛の足元へ滑り込む。


「足元が留守だぞ」


牛の長い足首を引っ掛けるようにして、自身の軸を回転させた。

「四方投げ」の応用でバランスを崩された巨体が、横倒しに転がる。

それは、左側から回り込もうとしていた三頭目の進路を完全に塞ぐ「肉の壁」となった。


三頭目が躓き、つんのめり、さらに後ろから走ってきた四頭目がそこに激突する。

『きやあぁっ!串刺しになる~!』


蓮は、ミノタウロスたちの巨大な体を「盾」として使い、常に自分が一対一、あるいは敵が互いに邪魔になる位置(直線上の先頭)に立ち続け、円運動によって全て「お互いへの攻撃」へとすり替えていき、次々と倒していく。


その姿、まさに無双――。


最後に残った、リーダー格の牛が放った大振りの一撃。

蓮はその腕を両手で包み込むように捕らえると、背後にいた別の牛の顔面に向けて、その腕を「誘導」した。

「呼吸換え」。


ボカァァァン


鈍い音が響き、二頭が脳震盪を起こして同時に崩れ落ちる。


広間には、互いの角や拳で自滅し、折り重なって芋虫のように悶絶するミノタウロスの山が築かれていた。


「ふぅ…。猪突猛進なアタックは玉砕するぞ」


緊張の糸を解くと、少しの倦怠感と汗が出てきた。


汗を拭いながら二人の無事を確認すると、キラキラ目で拍手喝采しているリリーと、

今にも猪突猛進してきそうなレオの姿が目に入った。


「み、御子さ〇#$△%□&♡ーーー!!!」

「待て」

「…スッ♡(待機)」



…ひと段落したかに思えたが、そんな甘くないのがこの迷宮だ。




ドシンドシンドシン



「…残りの追加部隊か。………重量が今の牛より重い?」


ドオオオオン


「!」


純白のドレスを着た石造りの巨牛。

岩がぶつかるような音や金属の擦れる音、振動を立てながら迫ってくる。

現れた追加部隊は、牛の【ゴーレム花嫁】になっていた。


「……まるで学習するAIみたいだな。俺やリリーの対策をしてきたか」


蓮は、レオから献上されたアイテムのピアスを耳に付けた。

〔身体強化〕アイテム。


「なら俺は…」


物理法則の“理解”と合気道の理論を極限まで応用した技術


「…「物理法則のハッキング」を披露しよう」

読んでいただき、ありがとうございます!この理不尽な迷宮に、ストレスをかけられまくる主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。この「愛の迷宮編」が一区切りしたら、皆さまがもっと読みやすく、面白くなるように、全話少しずつ改稿予定です。なので、少しお休み期間が出来るかもです。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークをお願いいたします!(笑) 

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