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恋愛至上主義の神話世界 vs. 絶食系の俺~神々のとんでも恋愛フラグを全て塩対応回避して現代帰還を目指す~  作者: 陽月星 兎桜


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乙女の断罪

初めましての皆様、お立ち寄りいただき、ありがとうございます!

何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当―――に嬉しいです!!!!!

今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!!!

「……逃がしはしません。あなたの『愛』という名の独りよがりは、ここで終わりです」


リリーの縦長のアーモンドの瞳が、獲物の最期を冷徹に見定めた。


No.29(ニク)は、初めて命の危機と言うものを知る。今まで蹂躙してきた側だったが、今度は自分がされる番になったのだ。


もはや目の前にいるのは、救いを求める「聖女」ではない。自分を仕留めにくる「食物連鎖の頂点」そのものなのだから。


『…な、なんなのよ…。なんで私がこんな目に合わなくちゃいけないのよ…』


No.29(ニク)は、自分が追い詰められ、走馬灯のようにこれまでの生い立ちや境遇を思い返して、嘆き始めた。


『呪いでこんな姿にされて…こんなところに閉じ込められて……勝手に此処に入ってきた連中は、人を化け物呼ばわりして襲ってくる!そんな奴らを選別して何が悪いのよ!?死んで当然な奴らじゃない!』


No.29(ニク)が最後の力を振り絞り、立ちあがる。


「そんな人達ばかりではありませんでしたよ。あなたの生い立ちは同情するべくところがあるのかもしれませんが………人を殺しておいて――」



彼女が軽く地を蹴った瞬間、空気がガラスのように割れる音が響く。


キイィィィ―――――ン……



――「!?」



瞬き一つ。その間に、リリーの姿が視界から消えた。



ヒュオッ――


――「!」



「被害者面しないでください―――!!!」



ドシュッ ドゴォォォーーーンッ



『ガハッ』



No.29(ニク)は頭を石床に叩きつけられ、首元にはリリーの爪が食い込んでいる。


「選びなさい。死か服従(契約)か。私は罪人を同情で許してやれるほど、慈悲深くはありませんし、赦す相手も選びます。慈悲をかける相手を間違えたら、亡くなった方達に失礼ですから」


ギリギリギリ……


先程の元冒険者の男たちとは、出会ったばかりだが、彼らの人柄や奪われた未来、無念などを思えば、自然と手にも力が入るのだろう。どんどん爪が食い込んでいく。


『…グッ…ヒュー…ヒュー…ゴホッ、誰が…あんたなんかと…ヒュー…(契約)するなら…ゴホッ、…マゲイロス様と……』


No.29(ニク)が俺の方を見る。


「…え、俺?」


――瞬間



ピリッ――



「!」


隣で大人しく正座しながら、何度もスリスリ攻防を繰り返していたレオが、突然殺気を飛ばす。


そして、ゆらりと立ち上がり、今度はレオが、静かに、ゆっくり、告げる。


「……私でさえ、御子様との契約を我慢しているというのに…家畜の分際で、御子様と契約を結ぼうなど…私がマゲイロス(解体・料理人)となって、お前を解体・還元してやろう…」


コツ、コツ、コツ、とN0.29(ニク)に向って歩き始めたレオ。 

しかし、そこでリリーが待ったをかけた。


「……大丈夫。御子様と契約なんてさせない」


ギリイィィ


『! グフッ…』

「では、貴女とはこれでお別れです。貴女に来世があるのなら、この因果を背負って生まれてくるでしょう。冥府でも来世でも、罪滅ぼしの因果の清算、頑張って励んでください」


目のハイライトが消えた二人に見下ろされながら、N0.29(ニク)が告げる――


『…フッ、私は……分体のクローン…。この体を亡き者にしたところで……無意味…』


N0.29(ニク)は、僅かなエネルギーを天井に放射し、吸い込ませた。


――その時だった。


『被検体N0.29ノ生命反応ガ途絶エマシタ。エネルギーヲ回収。緊急事態ト見ナシ、緊急対応、原因元ノ抹殺・排除体制ニ入リマス』


……やはりN0.29はニクネタだけではなく、ちゃんと29番目という意味もあったか…。

何番目から何番目まであるのだろうか……数次第ではピンチにもなりうる。


そして、リリーがその答えをくれた。


「……気配が圧倒的に増えました。……80は居ます……」


80!?


「…………本体らしき気配はまだですね。まだ最深部の奥に隠れているのでしょうが、引きずり出して、捌きながら始末しましょう」


レオが、テレビ見ながらお茶しましょうみたいな口調で殺人予告してきた。


……80体か。個体の能力が今のNo.29と同等なら、本来は戦略的撤退を考える場面。


だが、隣には、やる気満々で獲物を品定めしようとしている解体職人と、瞳孔を開ききったまま次の獲物を探す狩人の女王がいる。……もはや、この迷宮にとっての『緊急事態』は、俺たちがここに居ることそのものなんだろうな…。


……二人とも、意外と冷静だな――


そう言いかけて、気づいた。


服で隠れてはいるが、レオの手~腕にかけて、金色の血管みたいな模様が浮かび上がっていて、指先が僅かに震えていた。


リリーも同様、手~腕、首筋にかけて、銀色の血管みたいな模様が浮かび上がっていて、指先が僅かに震えていた。


「……二人とも、くれぐれも無理はしないでくれ。3人で無事に帰れる方法で行こう。決して自分を犠牲にする選択肢は選んでくれるな」

「御子様……はい!!」

「御子様ーーー!!もちろんでございます!!まだまだ御子様としたいこと、して頂きたいことは山ほどありますからー!!」

「それは犠牲にして無くせ」


とはいえ、どうするか……。


「せめて俺にも武器があったら……」

「!御子様!帰ってからゆっくり吟味いただこうかと思っていたのですが、こちらをどうぞ!」

「!」


レオが異空間から、いろいろな武器やアイテムを取り出してきた。


「どうしたんだこれ?」

「御子様の元に(壁を破壊しながら部屋や空間を最短距離で横切って)向かう途中、宝箱やらアイテムが置いてある場所をいくつか通ったので、お役に立ちそうなものは、ついでに拾っておきました!」

「!!これは……!」


このタイミングで、欲しかった武器やアイテムが手に入った。

うちの変態従者が優秀過ぎる件。


「助かったレオ!感謝する。ありがとう」

「御子様~~~!!!御子様の為なら例え――

「み、御子様!私も御役に立ちそうなものを、元冒険者の方に…あ、そういえば、その方が――」


ドドドドドドドドドドド


「!」

「来ましたね」

「解体業者の場所を間違えた家畜達は、私が処理しましょう」


! 言った!俺が予想したセリフと同じ様なこと言った。


ズシンッズシンッズシンッ


「……来るぞ」



ドガアアアアアアアアアアン



蓮の声と同時に、豪華な式場の四方の壁が爆発した。



「……80体無双の始まりだ」


読んでいただき、ありがとうございます!この理不尽な迷宮に、ストレスをかけられまくる主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。この「愛の迷宮編」が一区切りしたら、皆さまがもっと読みやすく、面白くなるように、全話少しずつ改稿予定です。なので、少しお休み期間が出来るかもです。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークをお願いいたします!(笑) 

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