唯一まともな聖女様登場
初めましての皆様、お立ち寄りくださり、ありがとうございます!
何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当ーーーに、ありがとうございます!!
今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!
「お待ちください!」
1人の少女が駆け寄ってきた。
金髪碧眼の、清楚華憐な美少女。
見た目通り、清廉潔白という言葉がそのまま似合う雰囲気だ。
「御子様、騙されてはなりません!その者は既に名を持っております!」
「!」
変態従者を見ると、不本意そうな顔をしていた。
「……聖女様……邪魔しないでいただけますか?」
聖女!
「それに騙してなどおりません。御子様の専属従者となった私の正式名はまだありませんから」
「必要ありません!この者の名など、〝犬畜生″で十分です!」
この聖女様すごいな。
「そもそもこの〝犬畜生″は、御子様が現れたら、速やかに神官長へ報告する役目だったでしょう!それなのに、、」
「御子様、神殿内と御子様のお部屋をご案内いたします」
…この〝犬畜生″もすごいな。
今までの話の流れをシレっと無かったことにした。
「御子様、名づけや名乗りは、時と場合によっては魂の制約や契約に繋がることがあります。安易にされてはなりません」
! そうなのか。知っておいて良かった。
知らないところで詰むのは御免だ。
「聖女様、教えてくれてありがとうございます」
「御子様は神よりの使者、全ての者に対して敬語は不要です。むしろ使わないでください。私の心臓もその、不敬で止まってしまいますから!ふふっ」
冗談を言って照れたように笑う聖女様。裏表が無く、純粋に笑っている女性というのは可愛らしいものだな。聖女様の清浄な氣も相まって心が落ち着く。
「分かった。……じゃあ、俺も名乗らないほうがいいか?」
「真名でなければ問題ありません。こちらではセカンドネームを使います」
セカンドネーム…。俺の国では無いな。
「あっ!申し遅れました!私はリリアです。何でも気軽に聞いてください。御子様のお困りごとには全力でサポートいたします!」
花が咲いたように可憐に笑う美少女。世の男性が好みそうだが、変態従者は例外のようだ。
「結構です!御子様には私が居りますので、聖女様は祈りの間でずっとお過ごしください」
「まあ!なんて失礼な〝犬畜生″でしょう!」
「お互い様です」
変態と聖女様がバチバチしてしまった。
「そういえば、結局お前の名は何なんだ?」
「!!み、御子様が私にご興味を!?」
「それは無い。まあ、犬畜生でも俺は構わないんだが」
「!! 御子様に呼んでいただけるなら何でも構いません!!」
じゃあもう犬畜生でいいかな。・・・流石に可哀想か。
何かあれば、おいって呼べばいいか。・・・いや、それも酷いか。
「・・この者の名はレオニダスです」
リリーが呆れ気味に教えてくれた。
「……長いからレオでいいか?」
「!! はい!!!」
「!! 御子様!わ、私のことも短くリリーとお呼びください!」
「貴女などメス豚で十分です。最初から御子様に愛称で呼んでいただけるとは至福の悦び!!!」
愛称?そうなのか。まあいいか。
「リリー、これからも何かあった時はよろしく頼む(レオはスルー)」
「!! はい!お任せください!」
「御子様!私が常にお側に居りますのでメス豚は不要です!」
嬉しそうに笑うリリー。唯一まともで信頼できるリリーが居て良かった(レオはスルー)。
安心できる女性というのは癒されるものだな。
「では、神殿にご案内いたします」
「私がご案内しますので、もう何処へなりとお去りください」
「まあ!なんて酷い〝犬畜生″でしょう!」
「お互い様です」
わーわー
・・・またループしてしまった。
「レオ」
「! はい!!」
・・・凄いな。はい!!の時には、すでに俺のすぐ横に居た。もう物理的におかしい。
「何でしょうか御子様!」
距離もおかしい。顔が近い。
「御子様から離れなさい!この犬畜生!」
パシッ
「!」
「!」
腕を掴もうとしたリリーの手をレオが叩き落とした。
「私に触れて良いのも、私の隣を許すのも、御子様だけです」
冷酷な眼差し。しかし仕草や身のこなしはどこか品がある。それがなければ、まるで孤高の狼のような鋭さだ。イケメン顔の相乗効果も相まってカッコ良くさえ見える。
しかし実態は、カッコ良さを振り切る程の残念な変態なのだ。
「御子様になら、何処でも、どんな風に、どんなことをされても構いません!触ろうが撫でようが掴もうが引っ張ろうが舐——」
残念な変態なのだ。
「大丈夫か?」
「はい、御子様。ありがとうございます!」
「レオ、レオの気持ちも考えも理解した。でもリリーを叩かないでもらえるか?」
「御子様が望まれるならその意に従います」
レオが恭しく執事みたいなお辞儀をしながら了承する。
リリーはキラキラした目で見てくる。
レオは少ししょんぼり。
・・・少し可哀想なので、両方の顔を立てることにする。
「じゃあ、リリー、案内を頼む。レオは念のため、俺とリリーを護れる位置に居てくれ」
「賜わりました!」
「はい!こちらです」
二人が張り切っている姿は少し微笑ましい。ようやくこの泉の前から動けた。
濡れた服のままなので早く着替えたい。
「神殿に行ったらまず先に着替えたいんだが」
「はい!御子様の僧衣や普段着なども全て揃っております。あ、そうか、濡れたままでしたね!気が利かず失礼しました!〖アニクシ・アネモス(春風)〗」
ふわっ ひゅぅーーーーっ
暖かい風が吹き抜けて来た。
「乾いた」
「はい、暖かい風を送りました」
「魔法?」
「御子様の世界では魔法と言うのですね!」
原理を聞いたが、知らない単語だらけなのでまずはそこから教えてもらわないとだな。しかし誰でも出来るわけではないらしい。流石聖女様。
「せっかくの濡れた御子様の色気が、、」とか言っている変態の言葉をスルーし、
神殿に向かって歩きながら改めて周りを見ると、
花や低樹木が綺麗に手入れされていて、
石造りの東屋なんかもあり、美しい庭園になっていた。
視界の端では、先程レオが倒した人達を、神官らしき人達が忙しなく往復で運んでいた。
「御子様、こちらを右に曲がりますと、神殿へ繋がる通路に出られます」
「待った!!」
「えっ!?」
・・・何だか物凄く嫌な予感がする。俺のこういう時のカンは外れない。
曲がり角で嫌な予感、、、
曲がり角で起きうる出来事、、、
衝突事故か?、、、何と?
ん?、、、曲がり角で衝突、、、ここは愛のオタク神の世界、、、。
なら考えられるのは、、、
「・・・はあ~、、、古典的すぎるだろう、、、オタク神め」
しかし、その「古いベタ展開」が、想像を遥かに超える、斜め上の「あっちの」方向に行くことになるなど、この時は思いもしなかった。
読んでいただき、ありがとうございます!この狂った世界で懸命に頑張る主人公(蓮)と、苦労が絶えない唯一まともな聖女様を、是非応援してあげてください(笑)。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークを!(笑) 聖女様は、変態従者の強烈なキャラに押されて影が薄くなってしまうのか!?(笑)




