変態従者を回避、、、できない!?
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読み返してくださっている皆様、本っっっ当ーーーにありがとうございます!!
今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!
「お告げの愛の御子様が現れたぞーーー!」
わあああああああああああああああああ!!!
泉の前で待機していた人々が、狂ったように沸き立つ。
……申し訳ないが、その御子様とやらは――
愛の遣いとして強制拉致されただけの、愛に冷めている一般凡人だ。
「……まずは状況把握だな」
誰かまともに話せそうな人を探して、この世界の事とかいろいろ聞こう。
泉から上がって、濡れた前髪をかき上げた瞬間――
「 「 「 ザワッッッ!! 」 」 」
??
「お美しいー!!あのお姿まさに彫刻!」
「御子様を愛の矢で射貫いて~!」
サスペンス予告。そんなの崖っぷちに行く前に回避一択だ。
……誰か、犯罪予備軍じゃないまともな人は――
「・・・」
「!?」
違和感を感じて足元を見る。
「・・ハア~、、、お美しい、、、」
いつの間にか、男が俺の靴のつま先に口を付けていて、今は頬ずりしている。
男は、美少年と美青年の中間くらいの見た目をしていた。年齢もそのあたりだろうか。しかし――
……この距離で、音も気配も、感覚すらも感じなかったのは初めてだ。悪意はないようだが、一体何者だ?
蓮が「眼」を凝らして男の正体を見透かそうとするが、封印されている今は「得体の知れない輝き」しか映らない。
周囲の群衆も、今にも飛びかかってきそうな勢いだったが、今はこの男が放つ、異様な威圧感のせいで、一定距離から近づけないでいる。
コイツは只者じゃないと周囲の群衆も認識しているのだろう。
「……透き通った綺麗なオーラも、精錬された美しい氣も、上品に整った容姿も、
しなやかな筋肉で引き締まってる芸術の様なお体も、、しかも濡れシャツで透けてふふふ」
……いろんな意味で只者じゃない。(引き)
「……何か俺に用か?」(足を避ける)
「!!御子様にお声を掛けていただけた!御子様の専属従者権を勝ち取っておいて本当に良かった!!」
「俺の専属従者?」
「はい!今日から絶対に御前を去らず、片時も離れず、身命を賭して昼夜問わず場所も問わず、
常に御子様のお隣でお世話をさせていただきますので、一生よろしくお願いいたします!!」
「断る」
「初めての拒絶!痺れます~!御子様!何かご命令などありますでしょうか!?」
しっぽがあったらブンブン振ってそうな勢いだ。
世間一般的にはきっと爽やかイケメンなのだろうが、、、残念イケメンの文字が頭をよぎる。
しかも俺は断ったんだが、聞く気ゼロ。
「……じゃあ、今すぐ元の世界に還してくれ」
「……善処します。(一生離れたくないので♡)」
爽やかな笑顔で含みのありそうなセリフを言いながらタオルを空間から出した。
――異空間への干渉か?
「それはどんな原理なんだ?」
「私の愛についてですか!?」
「それは全く興味ない」
「はう~!ささ、全箇所、全部位をお拭きいたします!」
「断る」
断ると、急に真顔になった自称専属従者。
「……拭き取るのがお嫌でしたら……」
「……」
「御子様の神秘の雫を余すことなく舐め取りますがよろしいでしょうか!?」
スルーしてタオルだけ受け取る。
タオルで顔や髪を拭いていると、もう我慢できないと言わんばかりに群衆がいきり立つ。
「テメー、いい加減にしろい、この変態従者め!!」
「!」
やはり変態だったのか!
「所々、言動も行動もおかしいとは思っていたが……頭もおかしかったのか」
「その辛辣さ堪りません~~~!」
……楽しそうだな。これが変態か。
「代われ変態!」
「そうよそうよ!代わりなさいよ変態!」
わーわー
周囲の大人数が変態従者に襲い掛かってくる。
こんなに大勢から面と向かって変態変態言われている人間を初めて見た。
「いやあ~、、(照)」
……大勢から変態変態言われながら襲い掛かられている状態で、照れる人間も初めて見た。
なんで褒められたみたいに照れているんだあの変態は。あ、変態だからか。
――シュッ シャッ
空気を切り裂く鋭い音が響く。
「!」
一瞬だった。暗器が飛び、群衆が崩れ落ちる。
一撃確殺の腕前。麻痺や睡眠効果の暗器で、致命傷を避け、手加減したようだ。
ヒュッ――
次の瞬間にはもう、背後から襲ってくる人々の所に移動していた。
シュパッ キーンッ ガッ ドスッ
隠し刀で攻撃を受け、体術でなぎ倒していく。
速い。
……あれは、努力だけで届く領域じゃない。
観察していると――
「尊い……!」「触れたい……!」「捕まえて家の妹の婿に……!」
俺も違った意味で襲われる。
「……合気道で対処するか」
封印されていても、合気道の技なら難無く対処できるだろう。
欲望に目を眩ませた数人の男女達が、俺を所有せんと、一斉に殺到してきた。
「御子様!」
「問題ない」
気を整え、構える。
先頭の男が、強引に俺の胸ぐらを掴もうとしてくる丸太並みの腕を掴み、入身して、男の手首(手刀)と肘の関節を制し、切り下ろしながら転換する。
合気道最初にして奥義の理合――『一教』。
からの、そのまま遠心力を利用して投げ飛ばす。
――『一教投げ』。
「が……っ!?」
二頭目の男の、横薙ぎの拳を、しゃがみ込むようにして躱し、
男が空を切って前のめりになった瞬間、男の「肩の重心」が最も不安定になる、わずかな隙を突いて、斜め後ろへ崩す。
――『隅落とし(すみおとし)』の応用。
ドスゥゥンッ!!
男は、自分が何故投げられたのかすら理解できないまま、自分の巨体の質量に振り回されるようにして、頭から床へ真っ逆さまに転がっていった。
力は要らない。作用点と支点を狂わせ、相手の「立ち直り反射」という脳のバグを突いただけだ。物理とは、そういうものだ。
それに、あのオタク神でも、限界まで鍛え上げた『体』と『技術』までは封印できなかったようだな。あの白い特殊空間よりは体が動く。
「…………」
一歩も、一呼吸も、無駄がなく、服に汚れ一つ付いていない。
まさに、静水が流れるような美しい体捌き。
――その蓮の姿を、周囲の人間を体術でなぎ倒しながら、一瞬の隙で完璧に観察していた御子専属従者。
瞳の奥に、凄まじい歓喜の焔が灯る。
(……ああ……! 御子様は、ただ神聖で美しいオーラを纏っているだけではない……。
不条理な暴力を、己が鍛え上げた『理合(技術)』だけで次々と、いなしていく真の強者……! 素晴らしい……!)
胸が震えるほどの衝撃。専属従者は歓喜に満ちていた。
――同じく蓮も、襲ってくる者達を合気道でなぎ倒しながら、合間合間に御子専属従者を観察していた。
(………あの変態と呼ばれている専属従者、体術面でも手加減してやってるのか……。
あれだけの素早さで、手加減しながらも次々と秒で沈めていく格闘スキルと身体能力……。あの若さでその領域……。末恐ろしいくらい凄いな……)
しかし、攻撃を体術で手加減していた変態従者だったが、数の暴力で周りを囲まれた。
瞬間――。
シュオッッッ ドーーーンッッ ドサドサドサッ
――空気が震えるような衝撃波と共に、
目の前の群衆が一斉に吹き飛んだ。
「!」
……飛ぶ斬撃とか初めて見た。さすが異世界。
広範囲の空気圧みたいな斬撃を飛ばして周囲の人々を一掃した。
あれだけの人数を一瞬で。
・・・本当に何者なんだろうか。
今は変態従者だということしか分からないが。・・・十分か。
でも、庭にあった東屋や花の木も倒れているので、物や植物は大切にしてほしい。
「御子様!ご無事ですか!?」
「ああ、ありがとう」
「!! 感謝していただけるとは!!光栄の極みー!!御子様の流麗で芸術的な体捌き、あまりの尊さに私のいろいろが昇天しそうです!!」
「そうか(スルー)」
「御子様!今日から絶対御前を去らず、片時も――」
「断る」
「あ~もう御子様の虜です~!死ぬまで付き纏って絶対に御子様から離れません~」
この世界にお巡りさん的な者は居ないのだろうか?回避策は、、
「御子様をマーキングしましたので、御子様が何時何処に行かれても、100%追跡できますのでご安心ください!」
ご安心できる要素が一つも無いのだが。むしろ怖い。普通に怖い。
「御子様も私からは離れられませんので予めご了承ください~♡」
詰んでる!?・・・変態不可避とかもう、ホラーでしかない。
「御子様……私に名をお与えください」
「え、今まで名前無かったのか?」
……そんなわけないよな?……何かのフラグか?罠か?
変態従者が期待オーラを出した瞬間、
「お待ちください!」
1人の美少女がこちらに走って来た。
読んでいただき、ありがとうございます!この狂った世界で懸命に頑張る主人公(蓮)と健気な(?)変態従者を、是非応援してあげてください(笑)。




