『愛の実践試験』~海ルートで愛に溺れる?or 牧場ルートで愛を搾る?~
初めましての皆様、お立ち寄りいただき、ありがとうございます!
何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当―――に嬉しいです!!!!!
今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!!!
〖あなたは、「彼女」と愛のひと時を過ごすなら、どちらを選びますか?〗
Ⅰ. 海
Ⅱ. 牧場
「・・・・・」
……ハア…、家に帰ってゆっくり寝る選択肢が欲しい(切実)。
もう脳も体も限界値に近い、、、が、そうも言ってられない。
なにせ、デス(death)を回避しなくてはならない。
なぜこんな訳も分からない場所で、訳も分からない問題に命を懸けなくてはいけないのか、、、。元はと言えば、、、ああ、そうだった。
…オタク神へのお礼参りが頭をよぎり、精神が少し回復した。むしろやる気出てきた。
「よし、絶対ゴール(お礼参り)するぞ」
海か牧場か、、、。
海ルートの場合のデスの可能性…。海での恋愛フラグ(イベント)として考えられるのは、水着、オイル塗り、ナンパ、溺れからの救出、、、。
…筆記試験の応用で、水着を褒めろとかもあり得そうだな、、、。
牧場ルートの場合のデスの可能性…。牧場での恋愛フラグ(イベント)として考えられるのは、動物とのふれあい、乳搾体験、乗馬、、、。
…筆記試験の咀嚼や反芻のフラグ回収の可能性も、、、。
…動物とのふれあい、、、、まさか牧場全体がこのギミック並みの動物とかではないよな、、、?
「・・・・・」
Ⅰ. 海 の扉を開けた。
『……海ルートニ入リマス』
機械音が流れると同時に、景色が一瞬で海の浜辺に変わった。
即座に周りを確認する。
迷宮の地下とは思えないほど広い人工ビーチ。
天井の魔法陣が青空を投影し、 波の音までリアルに響いている。
少し離れた所には海の家らしきものまであり、人影の様なものまで見える。
スイカのような物も見えたので、絶対近づかないようにしよう。
スイカ割りイベントが発生して、頭をカチ割られたら、「そこで試合(人生)終了デス(death)よ」だ。
そこへ――
ズシンッ ズシンッ ズシンッ
2.5mの巨躯の「彼女」が、 なぜかフリル付きのパレオを巻いて登場した。
……用意が良すぎる。…まさかパレオがハラリしてセクハラデス(death)とかにならないよな?
オイル塗りやらされたら関節部分に残部流そう。
『愛ノ追イカケッコ〔浜辺で彼女を捕まえて♡〕開始シマス♡』
「・・・・・」
…あの、ベタな展開の、恋人同士が、「待てよこいつ〜♡」「うふふ捕まえてみて〜♡」と戯れるタイプのイベントだろうか。
だが——
ズシン。
巨躯の「彼女」 が一歩、砂浜を踏みしめた。
そう、これは〝普通″ではない。
「・・・・・」
即座に巨躯の「彼女」と地面(沈み込み)、波打ち際までの距離や波の間隔などを観察する。
『デハ、スタート、デス♡』
——瞬間。
ダッ!!
砂浜を信じられない速度で駆け出した。
「速い…。 巨躯なのに砂浜であの走り込み…」
…これはもう、ビーチフラッグスなのでは?
アナウンスが続く。
『ナオ、制限時間内ニ捕マエラレナッカタ場合ハ失格デス(death)♡ 』
彼女は振り返り、 “うふふ、捕まえてみて〜♡” と言わんばかりに手を振る。
「・・・・・」
……(スルー) 砂を巻き上げ猛進する巨躯を、冷静に観察する。
乾いた砂の上でその重量を加速させるのは、地盤の『剪断破壊』を招くだけ。砂地の摩擦係数と、あの巨躯の質量から、沈み込みの距離を計算する。
波が引いた直後の、水を含んで粒子が密着した波打ち際は、『ダイラタンシー現象』によって足場がアスファルト並みに硬化する。走るならここだ。
砂を蹴る。最短距離を疾走し、追いかけるふりをして、波打ち際と、乾いた砂の境界、速度差が生まれるラインへ誘導する。
(次の一歩……そこで沈む)
ズッ——!
計算通り、巨躯が砂に足を取られて「ブフォォ!」と膝まで埋まった瞬間、引き波の流速を利用して、その背後へ音もなく回り込んだ。
「捕まえた」
「……ブフォ♡」
『愛ノ追イカケッコ〔浜辺で彼女を捕まえて♡〕イベント、クリア、デス』
ふぅ、、、よかった。これで此処は終わりだろうかと思っていると、海の家らしきところから、雄牛のギミック?みたいなのが、こちらに向かって来た。
そして巨躯の「彼女」の腕を掴み、なにやらブフォブフォ言っている。砂に片足が膝まで埋まってしまった「彼女」を助けに来たのかと思ったのだが、何やら「彼女」は拒否している。
……これは、もしや……。
『彼女ガ、ナンパ、サレテイマス。〔乙女を護って♡〕イベント、開始、デス♡』
「・・・・・」
いや、むしろ差し上げたいくらいなんだが。どうぞどうぞ。
「ブフォー!」
今度は巨躯の「彼女」が俺を指して、なにやらブフォブフォ言っている。
きっと「彼氏と一緒に海に来てるんで!」的な、ベタな展開になっているんだろう。
「ブフォ~?」
雄牛たちが一斉にこちらを向く。
角を振るジェスチャーや蹄を鳴らすジェスチャー。相手は殺る気満々のようだ。
「、、、はぁ」
面倒だなと思っていると、肩を回すジェスチャーをする雄牛が目についた。
「ギミックにしては関節部分柔らかいな。良くできてる。接合部分とかどういう造りになっているのか見てみたい。解体して見てみるか?」
――〝相手″を見る目から、〝モノ″を見る目に変わる。
「「「 ブ、ブフォ!? 」」」
何かを感じ取ったらしい雄牛たち。
「ブリスケット、、、ロース、、、クラシタ、、、ハネシタ、、、」
「「「 ブ、ブフォ……(ゴクリ) 」」」
「……サシの入り方が雑そうだな。 、、、あっちは結合組織が発達し過ぎか?サーロイン部分は――」
「「「 ……ブフォフォフォフォフォ …… 」」」
ガクガク震える雄牛たち。
「……そういえば、こっちの世界に来て何も食べてないな……」
じっと雄牛たちを見つめる。
「「「 ブ!!ブフォ~~~~~!!! 」」」
雄牛たちは一目散に逃げて行った。
「……少し脅かし過ぎてしまったか?」
「ブフォォォ♡♡♡」
『…〔乙女を護って♡〕イベント、クリア、デス』
次こそは終わりかと思っていると、今度は牝牛のギミックらしき群れたちが、
物凄い勢いでこちらに向かってくる。
「!」
警戒して構えていると、ボディを見せつけるようなジェスチャーを始めるギミックや、体をくねくねさせ始めるギミック。
「?」
訳が分からず牝牛達を観察していると、
「 ブオ!!ブオォォォオオオオオ~~~~~!!! 」
「!?」
突然、雄叫びらしきものを張り上げた巨躯の「彼女」。
そして、
ドゴッドゴッドゴドゴドゴドドドドドドドド
「!」
マグニチュード3のパワーを誇る地団太を踏み出した。震源地。
『アナタガモテ過ギテ、彼女ガ嫉妬ニカラレマシタ♡』
「は?」
凄まじい地団太による衝撃波が海水を震わせ、局地的な『段波』――巨大な波の壁となって襲ってくる。
「!」
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
……こんなのモーゼの海割りとか出来ない限り、人間には対処不可だろう。
ザバアアアアアアアアアアアアアン!!!
――蓮は、波に押し出されるように、選択扉前の通路に押し戻された――
……クリアしたのに嫉妬で戻されるとか、意味が分からない。理不尽すぎだろう…。
「……さては最初から牧場ルートしか認めない気だったな…?」
――牧場ルート。
迷宮が、最初から行かせたがっていたルートは、その先にあった。
―― Next stage 〇〇ルート――
『――――――の、適切な距離を取りなさい』
「いや、むしろ距離を取りたいのに、近づいてくるんだが!?」
読んでいただき、ありがとうございます!この理不尽な迷宮に、ストレスをかけられまくる主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークを!(笑) みなさまの実践対応も、ぜひコメントで教えてください!




