『マナー・オブ・デス』~愛の実技試験を合格せよ!~前編
初めましての皆様、お立ち寄りいただき、ありがとうございます!
何度も読み返してくださっている皆様、本っっっ当―――に嬉しいです!!!!!
今後の勉強のために、ご意見や感想を頂けると大変助かります!!!
『無事に合格できた受験者様を、次の実技試験会場へお連れ致します♡』
また指に絡みついている赤い糸がポアッと光り、一瞬で別会場へと転移した。
相変わらず石造りにも関わらず、天井や壁には飾り布やタペストリーのような物が垂れていて乙女チックな演出をしている。少し離れた所にテーブルと椅子があり、ティーカップなどが乗せられていた。
筆記会場よりさらに豪華だが、床はこびりついた血痕……いや、ワインのシミか。それが薔薇の模様のように広がっている。、、、ここで何人が『マナー違反』として消されたんだ?)
そして、、、、、、
「・・・・・」
頭部に突起物(約50cm・鋭利)が付いている1メートル幅越えの草食性の強いパワー系な相手を模した、(推定)縦2.5m、横1mのギミックのような「何か」があった。
『第一試験、〔愛のエスコート♡〕「彼女」を席までエスコートしてください♡』
・・・・・。
ズシンッ ズシンッ ズシンッ ピタッ
・・・・・。
近寄って来た、2.5メートルの巨躯の「彼女」の右斜め前方、二歩先の位置に静かに立つ。
「・・・・・」
無言で一礼し、左手で進行方向を柔らかく示す。
そして、歩き出そうとした瞬間、
ズシッ
「!」
俺の腕に、2.5メートルの巨躯の「彼女」のゴツゴツした腕と思しきものが絡みついた。
ギュウウウウッッ
「!」
瞬時に肩から力を抜いた。自分の重心と重点を相手側に寄せ、力の負荷を“流す”。
・・・流石1m超えの肩幅。凄いパワーだ。。。
ズシンッ ズシンッ ズシンッ
「・・・・・」
流石マグニチュード3。凄いパワーだ。。。
先程近寄って来た時に見た歩幅とタイミングを読み、膝をわずかに抜いて衝撃を地面へ逃がす。相手の歩幅に合わせ、体が跳ね上がったり揺れたりブレたりしないように、上半身の軸(体幹)は一ミリもブレさせず、衝撃が膝に来る瞬間に、腰から足首までの関節を同調させ、力を吸収せず、ただ通す。
順調かに思えた矢先──
ズゴオッッ!
石床が沈み、2.5メートルの巨躯の「彼女」がそのまま片足ごと石床を踏み抜いた。
「!」
轟音と共に、2.5メートルの巨躯の「彼女」の体が傾く。瞬間、腕が引っ張られる力を利用し、そのまま相手の脇の下に自分の肩を入れ、膝をわずかに緩めて背骨を一直線の支柱とし、垂直抗力を骨を伝わらせて石畳へと逃がす。
相手の腰を押し、「残っている方の足」に重心が移動するよう誘導する。
結果、「残っている方の足」は踏ん張り、「床に埋まってしまった足」をゴッと音を立てて引き抜くことが出来た。
「・・・ふぅ~・・・」
・・・危なかった。肩も腰も骨も命も。体が瞬時に反応をしてくれて良かった。普段からの研鑽の賜物だな。流石にあの巨躯の重量相手にノーダメージという訳にはいかなかったが、、、筋肉痛くらいで済むといいな、、、。普段から頑張ってくれている体に20年分の賞賛と感謝を捧げよう。
「・・・床が傷んでいたようですね。お怪我はありませんでしたか?」
2.5メートルの巨躯と震度3パワーの貴女のせいではなく、建物の不備のせいだという、いちをのフォローも入れておく。
こうしてなんとか無事に中央のテーブルへとエスコートできた。
『第一試験、〔愛のエスコート♡〕合格です♡』
良かった、、、。
『第二試験、〔愛の椅子引きエスコート♡〕「彼女」を愛を持って座らせてあげてください♡』
・・・・・。
円形のテーブルに椅子が4脚。そのうちカップが置かれているのは2か所だけ。
しかし──
カップが置かれている席のこの椅子、、、この2.5メートルの巨躯の「彼女」を支えられるのだろうか、、、。そもそも罠なのでは、、、?
一方、カップのない席の椅子は明らかに頑丈そうだった、、、が、しかし、その席の前方には、赤いタペストリーが「いつでも闘牛大歓迎しますよ」と言わんばかりに天井からスタンバイしている。
、、、罠だろ。どう見ても。
予め今のうちに椅子だけを交換しておくか、、、
と思っていたら、2.5メートルの巨躯の「彼女」は、勝手に"カップが置かれている席"に向ってしまった。
こうなっては仕方がない。
あらゆる事態を想定し、できうる限り対策を考える。
巨躯の「彼女」が膝を曲げ始めた瞬間、椅子を引く。
狙うのは「着席の瞬間、重心が椅子の脚の4点に均等に落ちる位置」。
座面が潰れる前に押し戻し、垂直荷重を一点に集中させないよう微調整。
横揺れさえ抑えれば──椅子は折れない、はずだが。
ドスンッッッ!!
ミㇱッッ
「!」
やはり2.5メートルの巨躯の体重に耐えられなかったか。
椅子の脚が悲鳴を上げ、2.5メートルの巨躯の体が後ろに傾く。
「!」
瞬時に椅子から手を離し、相手の腰を押しながら"支え"を作り、合気道の「結び」の理合で、巨躯の「彼女」の手首(と思わしい部分)を明確に斜め前方へと導く。
力の流れに従い、巨躯は一歩前へ踏み出す。
立ち屈みの姿勢で、わずかに静止。
──抜重、今だ。
その一瞬を逃さず、壊れた椅子を横へ滑らせ、代わりに頑丈な椅子を同じ位置へ押し込む。
「失礼しました。こちらの椅子の方が貴方に相応しかったので・・・」
ドスンッッッ!!
再び2.5メートルの巨躯の「彼女」が腰を下ろす。
今度は椅子は沈黙を守った。
、、、危なかった。
『第二試験、〔愛の椅子引きエスコート♡〕合格です♡』
良かった、、、。
『第三試験、〔愛のティー・タイム♡〕二人の愛のひと時をお過ごしください♡』
・・・・・。
読んでいただき、ありがとうございます!この理不尽な迷宮に、ストレスをかけられまくる主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。主人公(蓮)やレオの今後の行方が気になる方は是非ブックマークを!(笑) みなさまの実技対応も、ぜひコメントで教えてください!




