愛の神殿で、変態従者と愛の試練!?回避の一手は物理(強行突破)に限る
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伝説のナンパ師(神官長)に奥の扉へと案内されたが、
「この扉は、私(神官長)以外は、二人で手を繋いでセンサーに触れないと開かない仕様になっているんだ」
わざわざその仕様にした意味が分からない構造になっていた。
「まあ、ちょっとした愛の試練だね。では、御子様はリリーと手を繋いで……
既に俺の手はレオによって繋がれていた。
「……まったく、レオニダスは手が早い男だな」
「御子様の前で語弊を招く言い方は止めていただきたい」
どの口が言った。
「・・・・・」
リリーが自分の手と、俺の手と俺の顔をチラチラ見ている。やはり男同士で手を繋いでいる光景は嫌悪感があるのだろうか?
しかし、さっきっから振りほどこうとしているのだが、レオの力が強すぎて振りほどけないのだ。逆関節を決めると逆に喜びそうなので、どうしたものか。リリーに俺との手繋ぎを頼むのも申し訳ないし。
「み、御子様、わ、私とも手を……
「御子様、見てください! この扉、どうやら『愛の波動』……つまり、熱い抱擁か手繋ぎがないと開かない仕様のようです!」
ピンク色の扉の前で、頭の中ピンクの変態従者レオがなぜか頬を紅潮させ、手を繋いだまま荒い鼻息で解説してくる。
「抱擁が必要なら、身も心も開放すべきですね!なら脱いで……」
「手繋ぎと言われただろう」
ハアハア言い出した変態が暴走する前にセンサーらしき物の前に行き、レオが繋いで離さない手をセンサーに触れさせる。
『認証シマシタ♡ 愛ガ溢レテイマス♡』
カチッ
ふざけた電子音と共にロックが外れた音がした。
愛なんて無いので、繋いでいれば何でもいいのだろう。改めてこの仕様にした意味が分からない。まあ、開いたのだから文句はない。
さっさと進もう。
「……(レオニダスの御子様に対する愛の波動が高すぎてセンサーが最高値を振り切ってロックが外れた!)ガーン…」
「はあぁ~~、私達の愛の波動♡」
そんなものは無い。そしてもう手を離せ。
「あぁっ!御子様に触れられている右手が……燃えるようです!」
「……離してから燃やせ」
ガッ
「?」
扉が開かない。ロックは外れたハズなんだが、、、?
『愛ヲ囁キアッテクダサイ♡』
「・・・・・」
壊していいんじゃないか?こんな扉。
「……ハア……御子様、貴方様を一目見た時から私は既に心も体もキュンキュと、いろいろなものが溢れだ――!」
……変態発言も愛の囁きにカウントされるのだろうか。
「そんな自分を必死に律し、理性と自制を働かせ――」
驚いた。こいつにそんなモノが働いていたとは……。
「しかしそんな葛藤が私の更なる渇望へと繋がり……身も心も熱くなり――!」
「脱ごうとするんじゃない」
全然律せていないし、理性も自制も働いていないじゃないか。しかもこれだけ話していてもセンサーが反応しない。やはり変態発言はカウントされないのかと思っていたら、、、
『パートナーノ方モ、愛ヲ囁イテクダサイ♡』
まさかの俺のターン……。 何の嫌がらせだ。パートナーとかじゃないし。
「・・・・・」
レオが期待に満ちたキラキラした目で見てくる。いや、囁くわけないだろう。
「……愛は囁くものではないだろう」
テキトーにそれらしいことを言って押し切ろうとしてみる。……言ってて恥ずかしいから早く開けてくれ。
「御子様……なんとご高尚な……」
「……ほう、興味深いね」
「御子様!囁くんじゃなくて、行動で示すということですね!」
「脱ごうとするんじゃない」
くっ、テキトーに言ったことにみんなが反応を返してきてかなり恥ずかしいが、どうだ?これでいけるか?
しーーーん……
赤っ恥かいただけの結果で終わった!なんの苦行だ!
『二人ノ、愛ノ温度差ヲ確認。扉ヲ開ケラレマセン』
「ああ、なんだ。それならしょうがないな」
「御子様~!でもそんなクールさも私の心と体に更なるイロイロな刺激を――」
「しかし御子様、それではこの扉の先には行けないよ」
「ああ、じゃあもういいんじゃないか、行かなくても」
もう行かなくていいだろう。
「諦めるの早っ!もう少し頑張って!(御子様の愛の囁き聞いてみたいし!)」
「なら、神官長が扉を開ければいいのでは?」
「いや、最初に手繋ぎで試練を始めたのは御子様だから、御子様に最後までやりきってもらわないと(御子様の愛の囁き聞きたいし!!)」
「・・・・・」
……仕方ない。こんな事はしたくなかったが……。
「レオ……」
「!! はい、御子様!!!」
レオが繋いだまま離さないでいる手に、もう片方の手を乗せながら囁く。
「……あの扉、壊せるか?」←キラキラエフェクト付きの凄く良い顔で言ってる(本人は無自覚)
「!! 愛の使命、賜わりました!!御子様の障害になるものは全て破壊します!!」
「御子様!?」
「えっ、ちょっ……」
どごおおおおおおん
無事に扉が開き、中に進めるようになった。繋がれていたままだった手も自由になり、意味不明な試練を押し付ける迷惑な扉も突破出来て一石二鳥だ。
「二人の愛の試練を、無事に二人で(強行突破して)乗り越えましたね!」
「御子様~~~!!ああ~愛の扉が、、愛の威信が……粉々に……修繕費……」
「扉の修理は神官長としての愛の試練だな」
「御子様の鬼~~」
「……人の人生に平等にあるもの……それが試練だ」
「さすが私の崇高な御子様!!神官長は得意のナンパでもして寄付をかき集めればよいのでは?」
サイテーか。
でもまあ、神官長はイケオジなので、ナンパなんてしなくても普通に割とすぐ寄付は集まるだろう。
しかし、あのセンサーと愛の試練とやらは今後二度と付けないでもらいたい。どうしても付けるのであれば、今度からは代わりに誰かにやってもらおう。
……さすがにちょっと申し訳ないので、修理で何か手伝えることがあったら手伝おう……。
「……気を取り直して、さくさく進むか」
だが、扉を通ろうとして、またも面倒ごとの予感がした。
しかも扉の先は強烈な広間だった。
「……音楽の次は、ジャンルの混沌か……ハア……」
読んでいただき、ありがとうございます!この狂った世界で懸命に頑張る主人公(蓮)を、是非応援してあげてください(笑)。主人公(蓮)の今後の行方が気になる方は是非ブックマークを!(笑) 愛のオタク神への報復カウントダウン開始!!3!




