表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VR&RW Online  作者: 田島 康裕
24/60

第24話 試合開始前

 モニター越しからも分かる、余裕の態度に、ロイが、


 「随分と余裕だな、ノルンさんよ」


 食って掛かるロイを、久遠は、手で制すると、ノルンが、ロイに向かって、


 「ふふっ、勇ましいですね『双璧(そうへき)守護者(しゅごしゃ)』、ロイ・クラウドさん」

 「な!」


 ロイは、自分の下の名前を呼ばれ、驚きを隠せなかった。


 仲間内にしか教えてない、ファミリーネームを言い当てられ、警戒心が、嫌でも上がった。


 さらに、自身の、二つ名も知っていること、ノルンが、自分達のことを、異常なまでに調べ上げていることに、違和感を感じずにはいられなかった。


 「あんた、何者だよ?久遠のことと言い、俺の名前といい、いくら何でも、知りすぎじゃねえかよ、ああ!」


 明らかに、不快感を露わにしている、ロイの表情を見ても、ノルンは、我関せずといった様子で、ロイの態度を静観していた。そして、


 「この戦いを制すれば、全て、お話し致しますよ。勝てれば……ですけどね」


 そう言うと、回線が切られた。


 「あの野郎、ふざけやがって、クソッタレが!」


 熱くなったロイが、怒りを隠せない様子で苛立っていた。


 今まで、そんなロイを見ることのなかった、シオンとカナンが、珍しく、オドオドと立ち竦んでいた。


 その様子を見て、久遠は、


 「ロイさん、えい!」


 と言って、唐突に、ロイのお尻に、勢いよく浣腸する。


 「ふぉおお!」


 思わず、素っ頓狂な声を上げて、悶絶するロイが、情けなく、その場で、悶え狂っていた。


 何時もの久遠なら、決してしない行動に、シオンとカナンは、唖然としていたが、ロイの、涙目で、情けない姿を見ると、それまでの、不穏な空気を搔き消すように、吹き出した。


 「カナン、聞いた?さっきのロイの声」

 「何処から、出るんでしょうね?ふふっ」


 涙を出し、爆笑している、二人にロイが、


 「お、お前ら、笑いすぎだっての。く、久遠、加減ってもんがあんだろ。攻撃力マックスでやったな、今の!風穴が開くかと思ったじゃねぇかよ、オイ!」

 「す、すみません。その……力加減を間違えました」


 そう言いながらも、『もう勘弁して』と、リアクションをとるロイを見て、自分でしたことに、笑いを堪えるのに必死だった。


 「ハァハァ……もういい、吹っ切れたぜ、大将」


 お尻を擦りながら、久遠を見上げて、


 「どっちみち、ノルンに勝てば、マジックのタネが分かるんだからな。ぜってぇ、勝ってやんよ!」

 「そうだよ、ロイ。何時ものアンタに戻ったじゃん」

 「ええ、それでこそ、ロイさんです」


 シオンとカナンが、ロイを助け起こすと、〆の言葉にロイが、


 「危うく、新しい扉を開くところだったぜ」


 と言うと、すぐさま、女性陣が反応し、パッと、ロイを持っていた手を離して、


 「セクシャル・ハラスメント!」

 「いやらしいです」


 そう言うと、二人が同時に、ロイの姿にモザイク処理をする。


 「おいおい、何も見えねぇよ。変なことすんなよ、おーい」


 姿と一緒に、音声も変わり、報道特集でインタビューに答える、詐欺師のような声になった、ロイを見て、


 「知るかっての、反省しろ、反省」

 「そうですよ」


 一連のやり取りを、不思議そうに見ていた、久遠は、


 「何で、二人とも、顔を赤らめているんですか?」


 と、真顔で言った。


 そのリアクションに、二人は、説明する勇気がなく、


 「えっと、なんだ。そうスキンシップだよ。うん、そうだよね、カナン」

 「え、ええ、勿論です」


 二人は、慌てた様子で取り繕う。


 「でも、モザイクは、ちょっと可哀想ですよ、お二人とも」


 そう言うと、ロイのアバターに掛かった、モザイク処理を解除した。


 「ふぅ、助かったぜ、久遠」


 ロイは、一呼吸すると、女性陣を見て、笑いながら、


 「いい試合をしようぜ、お二人さん」


 シオンは、力強く拳を突き上げて、


 「了解、任せて!」


 カナンも、両手を胸の前に組んで、


 「はい、戦神の加護が、あらんことを」


 最後に、ロイが久遠を見ると、それに答えるように、


 「悔いの無い戦いを!」

 「ヨッシャ、じゃあ、行こうか!」


 ロイが気合いを入れると、全員は、円陣を組んで、互いに檄を飛ばした。


 それと同時に、試合開始のジングルが鳴ると、四人の姿は、ロビーから、試合会場に転送される。


 ▼ライセンスマッチ フィールド ヴァルハラ平原

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ