再会
全てを語り終えた後、彼は言った。
君を犠牲にするつもりは無い、と。
彼女は聞いた。何故この話をしたのか、と。
ただ知っていてもらいたかった。自分達の思いを。
彼は彼女を失った後も旅を続けながら様々なことを見聞きした。そして捜し歩き続けた。……それは番人を解放する術。彼女と再び共に歩む方法を。
そして、彼は再びかの地に立つ。
運命の場所に。
二人は各々の思いを胸に、円柱の前に立った。
そこに浮かび上がる女性の体。
彼にとっては懐かしき面影の残る女性。
再び会うことはもう無いのだとあきらめていた。
彼女は目を見張る。
再会できた喜びに。そして、残酷な運命に。
何故、と言う言葉に彼は手を差し伸べ、帰ろうと一言。
無理だ。
彼女は涙した。再び出会えたのに別れなければいけない運命に。涙しながら力なく首を横に振る。無理なのだ。
だが、そんな彼女の不安をよそに、彼は懐から何かを取り出し円柱の前にある台座にそれを取り付けた。
すると、彼女を今まで縛り付けていた拘束が解かれていた。
驚きと共に今まで縛り続けていた円柱を振り返るとそこから声がする。
もうお行き、と。
優しいその声はどこか懐かしい声だった。
辛い思いをさせるために残したつもりは無かったのだ、と。
優しい父を思わせるその声に彼女は涙した。
もうこの場所に残る必要は無いのだから。その言葉を最後に、部屋が暗くなる。同時に微細な振動が激しいゆれとなり、次第にあたりが崩れ始めた。
3人は走って回廊を抜け出した。
抜け出した3人が目にした光景。それは海中に没しようとする巨大な都市の姿。激しい轟音と共にその姿は消え去っていった。
後一歩。




