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旅路の果てに手にするは…

 このお話はこれで終わる。

 この三人が後にどうなったのかは誰も知らない。

 時代の中に消え去ってゆく。




 都市が完全に海中に没した後。

 彼女は疑問に思っていたことを口にした。

「ねえ、あなたが持ってきたものは一体?」

「ああ、あれね。あれは最後の王が残した遺産だ。……彼も守り手たちの行く末を案じていたんだ。盲目のうちに守り続けられるうちはまだいい。けれど、無理強いをしてまで守りとおしてもらう必要のあるものだろうか、って。彼はもし望まないものがいれば、その人のために都市を葬ってもいい。そう考えていたらしい。だからあれを残していたんだ」

「どこにあったの、それは?」

 少女の問いに、あさっての方向を眺めながら「さて、どこだったかな」と言った。こめかみの辺りに一筋の汗が流れていたことに彼女は気付いた。そんな変わらない彼の姿にくすくすと笑ってしまう。


 それは小さなペンダント。かわいらしい子供たちと共に笑いあう青年の姿のが写った写真の入ったペンダント。その裏には幸せを願う、と一言綴られていた。

 彼がそれを手にしたのは、ある市場でのこと。

 何故かひどく惹かれて買ったものだった。彼女に似合うだろう、などと考えながら。

 だが、それがかの王の遺物とは思いもしなかった。

 そんな数々の偶然に助けられながら、ようやく彼は彼女を取り戻したのだ。


 彼はそっと彼女を抱き寄せる。

「約束は、守れたかな?」

「ええ、あなたは私を守ってくれた。助けてくれた。……ありがとう」

 幸せそうに微笑む彼女を、彼はそっと抱き寄せ口付ける。

 そんな二人を両手で顔を隠し見ないふりをしながらも、指の間からしっかりと眺める少女。

 そんな少女のほほえましい姿を横目で眺めた二人はその姿に苦笑しながらも、再び共に歩める喜びをかみしめる。


 三人はしばらく動こうとせず、ただじっと海を見つめていた。

「さあ、行こう」

 彼は二人に手を伸ばす。



 完全に海中に没した遺跡を背に、三人は手を取り合い笑いあいながら去っていった。


長々と放置していたのですが、ようやく完結させることができました。


といっても、もともとが突発的な思いつき物語。

もっと短い話だったはずでした。が、いろいろと加えたり削ったりさらにもう少し別な書き方でも、などなど考えていたせいか予想外な方面に進もうとしたりとしたので、いい加減素直に投稿しようと今回踏み切りました。


至らない点だらけなのは重々承知の上。

面白くない、とはっきり言われるとへこみますが、それでもなにか感想がもらえれば幸いです。


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