アリアちゃん、エンシェント・ドラゴンに情けをかける
投稿時間バラバラでごめんなちゃい……。
通勤時間(6~7時)に投稿したいのですが、ストックがまったくないんです。
それはそうと、5万字いきました!
10万字のターニングポイント!
執筆速度遅いけどやっと目標の半分まで来た……。
※書いててけっこう楽しいので、たぶん10万字越えます
「ピエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
唸り声をあげる白いトカゲ。
体の大きさは、町に来る時に食べたファング・ラビットと同じぐらい。
申し訳程度に小さな羽が肩から生えているけれど、あんなんじゃ飛ぶことは出来ないだろう。
「これが……エンシェント・ドラゴン?」
「はい……見た目はただ小さいトカゲですが、こいつがすべてのドラゴンの起源です!」
「グフッ……」
ドサッ―――
「あ、アリアさん!? どうしたんですか! しっかりしてください!」
『冒険の書』にでてきたエンシェント・ドラゴンとぜんぜん違うじゃない……。
こんな小さいトカゲがエンシェント・ドラゴンだなんて……。
「わたし……もうダメみたい。 ローゼ、あなたにわたしの夢を託すわ……」
「アリアさ――――――――――ん!」
「エンシェントドラゴンは臆病な性格で、ふつうは洞窟の奥で静かに暮らしているんですけど、たまに勇敢なエンシェント・ドラゴンが洞窟から出て世界中を旅するんです。 そして、そんな幾多の苦難を乗り越えたエンシェント・ドラゴンは、強大な力を持ったドラゴンに進化するんです!」
ローゼはエンシェント・ドラゴンに剣を向けながら、わたしに説明をしてくれた。
ふ~~ん、この小さなトカゲがねぇ……。
わたしはすっかりやる気をなくして、土をいじっている。
意外と、地面に落書きを書くのは楽しい。
それに、そこら辺に転がっている石ころ……いっけん同じに見える石ころも1つ1つ形や色が違っていて、興味をそそられる。
「何やってるんですかアリアさん!?」
「ローゼも一緒に石ころ観察しない? けっこう楽しいわよ?」
「しませんよ! アリアさんも戦いに参加してください!」
戦いねぇ……。
「このエンシェント・ドラゴンは自ら僕たちの前に姿を現しました、かなり勇敢な個体のようです。 放っておけば、いずれこの洞窟から旅立ち、強大なドラゴンとなって人々を襲います! 被害が出てない今のうちに倒さないと!」
「そのくらいのモンスターなら、わたしがいなくても大丈夫よ。 ローゼ1人で倒して見せなさい。 ……というか、そんなトカゲ1匹にも勝てないならパーティーから追放するわよ」
「そんな! パーティーメンバー、僕とアリアさんしかいないのに追放されるなんて!」
ローゼは剣を握る力を強めた。
覚悟を決めたようだ。
ん? いま、ローゼが気になること言わなかった?
そのトカゲ……強大なドラゴンになるの?
……。
……。
……。
「殺しちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ローゼは剣を振りかぶって、エンシェントドラゴンに切りかかろうとしていた。
わたしは後ろからローゼを押さえ込んだ。
「は、離してくださいアリアさん! じゃないとこのドラゴンを倒せません!」
「ダメなの! このドラゴンだけはダメなの!」
倒させない!
このドラゴンをいま倒すのはもったいない!
このドラゴンが十分強くなって人々を襲うようになったら、わたしがカッコよく討伐するの!
「も、もしかして僕をパーティーから追放したいから、僕がこのドラゴンを倒さないように……」
「違うわよ! 大丈夫だから! わたしとローゼはずっと一緒だから! お願いだからその振りかぶった剣を納めてぇ!」
「ほ、本当ですか!? わかりました、このドラゴンは倒しません!」
ローゼは安心して剣を納めた。
勇敢らしいこのトカゲは相変わらずピィピィ威嚇してくるが、わたしたちは無視して洞窟の奥へと進むのだった……。
「またいつか会いましょうね……勇敢なトカゲさん、わたしといい勝負ができるほど強くなったその時に……」
トカゲは悲しかった。
死を覚悟して敵に挑んだのに、その敵に情けをかけられたことが……。
トカゲは洞窟の出口へとゆっくり歩きだした。
強いドラゴンになって、次こそあの冒険者に一矢報いてやる。
―――――――その後ろ姿は、まごうことなき冒険者だった。




