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アリアちゃんと、エンシェント・ドラゴン

後で、24話(前回)の最後にアリアちゃんがローゼくんの借り部屋に泊まりに行った一夜を付け足します。


~ギルド(朝)~


「アリアさん! 今、ステータスカード更新したらレベルが6も上がっていました! まだまだ銀クラスの冒険者になるのは先になりそうですが、中難易度のクエストは受けることができます! たぶん、キングスライム討伐のおかげですね!」


 ギルドの酒場で食事をしていると、ローゼがうれしそうに叫びながらギルドの中に入ってきた。

 目をキラキラしながら話している。


「お~~~~、よかったじゃない!」


「はい! これで中難易度のクエストが受けれるようになりました!」


 ほぉ~~~、中難易度ねぇ~~~。


 わたしは冒険者になった瞬間から白金クラスだったから、超絶難易度のクエストを受けれるわけね……。

 まぁ、まだわたしの冒険は始まったばかりだから初級のクエストを楽しむわ!


 昨日、カタリナ嬢がギルドの仕組みについて説明してくれなかったため、わたしは朝早くからギルドに赴き、掲示板に貼られた説明用紙を確認したのだった。

 ローゼはぐっすり眠っていたので、起こさなかった。

 

 とりあえず、重要かなと思ったのは


1、冒険者ランクは、 銅<銀<<金<<<白金 の順で高くなる。


2、冒険者ランクは上になるほど上がりにくくなり、金クラスの冒険者になれるのは100冒険者に1人、白金クラスともなると1000冒険者に1人らしい。


3、受けられるクエストの難易度は、冒険者ランクとそれほど関係ないが、とうぜん上のランクでないと受けられないクエストがある。


4、クエストを受けるには、クエストボードに貼ってあるクエスト用紙をカウンターに持っていけばよい。


 こんなものかしら?




「アリアさん、今日はどのクエストを受けますか?」


 ローゼはクエストボードを眺めながら、どうしようかと悩んでいる。


「そうね、わたしたちはまだ冒険者になったばっかだし、初級クエストをこなした方がいいと思うの」


「それもそうですね! じゃあ、これなんかどうです?」


 ローゼは1枚のクエスト用紙を指さした。



=====================================


 ~エンシェント・ドラゴンの討伐~


クエストの種類:依頼採集クエスト


クエスト達成方法:エンシェント・ドラゴン2体の納品


クエスト達成報酬:10G


依頼主:町の鍛冶師


=====================================



「え!? エンシェント・ドラゴン!?」


「はい、初心者の僕たちにはうってつけのモンスターかなって」


 え? エンシェント・ドラゴンなのよ?

 『冒険の書』では主人公たちと一緒に魔王と戦ったあの伝説のドラゴンなのよ?

 そんなの超絶難易度クエストでもおかしくないわ!


「ほ、本当に大丈夫なの? 勝てるの?」


「僕はギリギリかもしれませんけど、アリアさんなら簡単に倒せると思います!」


「……じゃあ、それにしようかしら」


「分かりました! じゃあ、カウンターにこの紙持っていきますね!」


 だ、大丈夫かしら?

 クッ……こんなに早くエンシェント・ドラゴンと戦うことになるなんて、仲間にすることになるなんて。

 

――――わたしは内心ウキウキしながら旅立つのであった。

 

 






 プリストルの町から北に4キロ行ったところに、モンテール山脈という深い森に囲まれた山々がある。

 その山々には数々の洞窟があり、その中でエンシェント・ドラゴンはひっそりと住んでいるらしい。

 

 わたしとローゼは、静かに洞窟の中へと入っていった。

 

 洞窟は広く、かなり奥まで続いているようだ。

 ひんやりとした風がヒューヒュー流れている。


 ローゼが火の灯ったたいまつを片手に、進んでいく。

 わたしの魔法ならもっと明るくできるが、そんな無粋なことはしない。

 ……たいまつの方が雰囲気がある!


「アリアさん、静かについてきてくださいね……」


「分かったわ!」


「こ、声大きいですよ!」


「あ、ごめんなさい」


 わたしとローゼは、ゆっくりと洞窟の奥へと進んでいった。

 かなり進んだが、エンシェント・ドラゴンは現れない。


「いないわね……」


「そうですね……ん? い、いま奥の方で何かが光りました!」


「ホント!? どこどこ?」

 

「あ……あっちで――――」


「グルルルル……」


「でたわね! エンシェント・ドラゴン! さぁ、わたしと勝負しなさ……い?」


 エンシェント・ドラゴンは自らわたしたちの前に姿を現した。

 たいまつの明かりで、純白の鱗と大きな目が輝く。

 そして、鋭い牙をちらつかせながら唸り声をあげた。


 遥かなる時を越えし竜の元祖、その姿は――――――――


「ピエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」


 




―――――――ただの小さいトカゲだった。


 

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