アリアちゃんのお仕置き ※付け足しときました!
ローゼくん視点です!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
なんで僕はまたお空を飛んでいるんだろう?
眼下に見えるのは、親指を立て「行ってこい!」と言わんばかりの男性冒険者と、男湯と女湯を分ける壁、そして楽しそうに泳いでいるアリアさん……。
どうやら平泳ぎをしているらしく、うしろ姿しか見えない。
僕は少し残念だな、と心の隅でほんの一瞬思ったが、瞬時に自分を戒めた。
何を考えているんだ僕は!
だいいち、アリアさんはこのあと僕の借り部屋に泊まりに来るんだ。
前なんて見ちゃったらどう接していいか分からなくなっちゃうだろ!
しっかりするんです、自分!
それに、この軌道だとアリアさんに衝突せず、風呂の中に墜落する。
よかったんだ、これで……。
―――――と思ったら僕の叫び声に反応したのか、アリアさんが振り向いてしまいました。
「(ブクブクッ)……ん? なんでよ!?」
「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
バシャ――――――――――――――ンッ!
アリアさんは、僕が落ちるギリギリのところで落下地点まで駆け付け、僕を受け止めようと両手を広げた。
そのとき僕は、幸か不幸か目をつぶってしまった。
――――その代わりに、
……ぶつかった瞬間に僕の顔はアリアさんに抱きしめられ、まだまだ小さいけど十分に柔らかいものが僕の顔を包んだ。
「な……なんでいきなり飛んでくるのよ―――――――ハッ!」
「す……すみません―――――――ヒッ!」
顔をあげると……アリアさんの驚いた顔が目の前にあった。
息がかかるほどの至近距離。
アリアさんと目が合っ―――――
「ヘンタイィィィィィィィィッ!」
「ちょっ! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
―――――僕はアリアさんに投げ飛ばされ、男湯へと帰っていった。
今度は、男性冒険者が僕を受け止めてくれた。
あんまりうれしくなかったですけど……。
「すまねぇ、アリアちゃん! このにいちゃんがどうしてもアリアちゃんの裸を見たいって言うからつい~~~w」
男性冒険者の1人がとんでもない嘘を口にした。
このままじゃヤバイ!
誤解されちゃう!
「ち、違いますっ! 僕はそんなこと言ってません!」
シ―――――――――――ン……。
……返事が返ってこない。
「……あの、アリアさん?」
「……せいぜい残りの短い人生を楽しみなさい。 風呂場から出てきた時が、あなたたちの最後の時となるのだから」
めっちゃ怒ってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
これは本当にマズイやつだ!
僕は、アリアさんが風呂から出てくるのを土下座をしながら待とうと、全速力で脱衣所に向かい、服を着た。
体なんて拭いている暇はない!
誠意を見せるんだ!
――――男湯を出ると、アリアさんが目の前にいました。
「あら、早いのねローゼ。 もうちょっと人生を楽しんだ方が良かったんじゃない?」
「スミマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
なんでもういるの!?
いくらなんでも早すぎじゃありません!?
震えながら土下座をする僕、それを笑顔で見つめるアリアさん。
「……どういうことか説明してくれる?」
「 yes ma'am !」
「なるほどね……だいたいの事情は分かったわ。 とりあえずローゼへの罰は保留にしてあげる。 これから出てくるヤツラをぶっ叩いて、それでもわたしの気が晴れなかったらその時は覚悟しなさい」
「……はい」
僕はアリアさんの後ろに回って、正座をして待つことにしました。
~10分後~
「いや~~~、今日も楽しい1日だった―――――――ゼビオッ!」
「明日はどんな冒険が待ってるんだろう―――――――ナマステッ!」
「なぁ、お前らカタリナ嬢とアリアちゃんどっちがタイ―――プードルッ!」
「俺はどっちかて言うとカタリナ嬢か―――――ナメプッ!」
「何言ってんだ! アリアちゃんにきま―――――――トルティー二ッ!」
風呂場から出てきた男性冒険者たち。
ワイワイと楽しそうにしていたが、次の瞬間には吹っ飛んでいた。
バチ―――――――――――ンッ!
一気に5人の男性冒険者たちがアリアさんのビンタの餌食になった……。
5人とも壁に激突して泡を吹いている。
ムキムキのおっさん冒険者が、少女に吹き飛ばされる光景は壮絶だった。
ちなみに、僕の後ろでは管理人さんがものすごい形相で驚いている。
「残りは何人かしら? 嘘は付かない方がいいわよ」
「……3人です」
ごめんなさい、残り3人の男性冒険者のみなさん!
嘘をついたら僕がビンタされちゃいます!
~さらに5分後~
「アリアちゃんの怒った顔とか見たい―――――ナメックセイ!」
「俺はアリアちゃんにビンタされたいか―――――ナッパ!」
「アリアちゃん、かわいい―――――ブヒ~~~~~~~!」
……最初の二人はよかったですね、願いが叶って。
「ふぅ、とりあえず全員ぶっ叩けたかしら?」
アリアさんは手をパンパンとはたき、一息ついた。
うしろ姿しか見えないが、たぶん以前として笑顔のままだ……。
「……それで、アリアさんの気は晴れましたか?」
僕は恐る恐る聞いた。
アリアさんの肩がピクッっと動く。
少しのあいだ沈黙が流れた。
――――そして、
「はぁ……まだぜんぜん気は晴れていないけど特別に許してあげる」
「あ、ありがとうございます!」
僕はどうにか許してもらうことができました。
――――ちなみに、売店で牛乳1本奢らされました。
「ここが、ローゼの住んでいる借り部屋なのね!」
集会浴場で入浴をすませたあと、僕はアリアさんを借り部屋に招待しました。
女の子を、それもアリアさんを招待するなんて……緊張します!
あれ? そういえば、アリアさんが僕の借り部屋に泊まるんですよね?
……緊張します!
僕の部屋は、とても質素です。
明かりは小さなロウソク。
冒険者になるためにお金を節約していたため、木のベットと机だけが申し訳なさそうにあるだけ。
こんな部屋しかアリアさんに用意できない自分が、少しだけ恥ずかしかった……。
「……なにもない部屋ですみません」
「何言ってるのよ! いい部屋じゃない! 駆け出し冒険者っぽくてステキよ!」
「そ、そうですか?」
「もちろんよ! さすが、わたしが見込んだローゼなだけはあるわね!」
アリアさんは、親指を立てて『グッ!』とした。
わたしが見込んだローゼってなんだろう?
喜んでいいのか分からないけど、アリアさんもうれしそうでなんだか気持ちが楽になりました。
「明日も冒険がありますし、もう寝ますか?」
「そうね、わたしは床で寝かせてもらうわ」
「ダメですよ! アリアさんはベットを使ってください!」
その場に寝ようとするアリアさん。
僕は全力で止めた。
「そんなの悪いわよ!」
「ダメです! 僕が床で寝ます!」
「そ、そんなに言うならそうするわよ……」
アリアさんは、申し訳なさそうにベットに寝た。
薄い毛布を肩までかけ、目を閉じる。
「……ローゼの匂いがする」
「……そういうの恥ずかしいので言わないで欲しいです」
―――――実はちょっと気にしていました。
「ごめんなさい、別に臭くないわよ、なんか安心するかも。 ……やっぱり、わたしだけベットに寝るのは悪いから半分ずつ使わない?」
「いや……恥ずかし―――――」
「そんな気にしなくていいのよ、そいっ!」
「うわっ!」
アリアさんに腕を引っ張れ、ベットに倒れこんだ。
「明日も冒険よ! はやく寝なさい!」
「わ、分かりましたからロウソクの火を消させてください!」
僕は、言われるがままアリアさんと一緒に寝ました。
も、もちろん変な事なんてしませんよ!
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~ 朝 ~
……ん?
なんか……腕が重い。
わたしは、少しだけ目を開け横を見ると、
「……むにゃむにゃ、ア……リア……さん、さすが……です」
ローゼは、わたしの腕に頭を乗せ、気持ちよさそうに寝ていた。
さりげなく、わたしの夢を見ているようだ。
……どんな夢を見ているのだろう?
「……まさか……魔王の……娘だったなんて」
なにその核心ついた夢!?
すごすぎでしょ!




