アリアちゃんと、冒険者ギルド
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――ここが冒険者ギルドなのね! ヤッタ~~~~!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
やっと、ギルドに着いたわ!
長かった……ここに来るまで色々あった。
というか、さっきもあったけれど……。
でも、いつまでもクヨクヨしていられないわ!
ここからが、わたしの本当の物語よ!
わたしは大きなレンガの建築物、冒険者ギルドの扉を開けた。
この扉の先には、きっと素敵な……。
「お~~~い、ネェちゃん! 酒もう1杯追加だ~~~!」
「おいおい、1杯じゃ足らねぇぞ~~~! 10杯だ!」
「ヒイェヘ~~~イッ! 今日も酒がうめ~~~~~!」
うん、知ってた。
だって『冒険の書』に書いてあったもの。
冒険者ギルドには酒場がついてるって。
……ギルドに酒場、いらなくない? 酒……臭いんですけど。
ま、まぁいいわ。
とりあえず、今は冒険者の登録よ!
あたりを見渡す。
受付カウンターらしきところがあった。
あそこね!
わたしは、大手を振ってカウンターへと進んだ。
「ねぇ! 冒険者登録したいのだけれど!」
受付カウンターにはきれいな受付嬢がいた。
サラサラの長い金髪を結ってまとめている。
薄く赤みがかった白い顔には、青い大きな瞳が理知的に輝いていた。
なぜこんな美しい女性が、こんなむさ苦しいギルドの受付嬢をやっているのだろう?
まぁ、なんか色々事情があるのね。
ん?
この受付嬢、わたしをじっと見ているだけで何も反応してくれないのだけれど?
「あの……冒険者登録したいのだけれど、聞こえてる?」
「……ハッ! すみませんボーッとしちゃって。 登録ですね、では100Gになりますっ」
おぉ、やっと反応してくれた。
って、え?
100Gってなに?
「その……100Gってなにかしら?」
「登録手数料ですねっ」
「……お金、もってない」
「そ、そうですか……」
後ろでワイワイ冒険者たちが楽しくやっている中、カウンターには重い沈黙が流れる。
お、おかしぃ……
『冒険の書』の中では、冒険者登録にお金なんて必要なかったのに。
ま、まさか新手の詐欺!?
「あの、お金もってないなら僕が払いますよ」
クッ……しょうがないわ。
どうにかしてお金を―――――
「え? って、あなたなんでここにいるのよっ!?」
「え!? なんでって一緒にここまで来たんじゃないですか!」
「ぜ、ぜんぜん気づかなかった……」
わたしの大事なモノを見た少年、ローゼ。
まさか、わたしの背後にいたとは。
「って、お金はらってくれるの!?」
「は、はい! その、パーティーを一緒にくんでほしいっていうのと……さっきの謝罪として」
「……そ、そう。 じゃあ……お願いするわ」
お願いだから、もうあの出来事は忘れさせて……。
旅の恥はかき捨てなのよ……。
「受付のお姉さん、僕の分も含めて200Gです」
「かしこまりました。 では、このステータスカードをお渡ししますねっ」
「ステータスカード?」
わたしは、受付嬢からカードを受け取り確認した。
カードを受け取るとき、受付嬢がわたしの手を愛おしそうに触れてきたけれど、あまり気にしなかった。
「ステータスカードっていうのは、冒険者の証であると同時に、自分の能力を数値化して表示してくれる便利なアイテムなんですっ。 魔力をカードに流しこめばステータスを表示してくれますよっ」
そ、そんな便利なものが……。
(頭の中で無駄に騒ぐ、スキル『観察王』と比べたらこのカードの方がよっぽど……)
『あ、あっしの方が優秀っすよ! 見捨てないで欲しいっス!』
はいはい、見捨てないからとりあえず、静かにしてちょうだい。
「では、カードに魔力を注ぎましょう……ゴクリッ」
「そうね、じゃあいくわよ。 フンッ」
わたしとローゼは、同時に魔力を注ぎ込んだ。




