アリアちゃん、恥ずかしぬ
「え? 今なんて言ったの?」
「あ、いやその……自分もこれから冒険者になろうと思っていたので、その……できれば一緒にパーティー組んでくれたらうれしいなと……」
少年は、気恥ずかしそうに答えた。
な、なんていうか弱そうな少年ね……。
腕だって細いし、背も低いし……。
せいぜい、町のいじめられっ子がお似合い……あっ(察し)
(スキル『鑑察王』、この少年のステータスを教えてちょうだい)
わたしは、頭の中でスキル『鑑察王』に命令した。
『了解ッス』
=====================================
名前:ローゼ
ランク:B
レベル:14
職業:町の少年(いじめられっ子)
攻力:(ランク補正)113 × (レベル補正)1.2 = 136
体力:(ランク補正)126 × (レベル補正)1.5 = 189
物耐:(ランク補正)147 × (レベル補正)1.8 = 265
敏速:(ランク補正)139 × (レベル補正)1.4 = 165
魔力:(ランク補正)53 × (レベル補正)1.1 = 58
魔耐:(ランク補正)86 × (レベル補正)1.0 = 86
[装備]
ボロボロの上着 物耐+1
ボロボロのズボン 物耐+1
[固有スキル]
<ハーレム系主人公>
[獲得スキル]
なし
=====================================
やっぱり、いじめられっ子だったんだ……。
ん? 固有スキルの<ハーレム系主人公>ってなんなのかしら?
どうせ大したことないスキルだろうけど。
あと、ステータスもやっぱり低い。
功力と敏速にいたってはファングラビットの方が上だ。
……レベルはわたしよりも上だけれど。
まぁ、でも元々パーティーメンバーは弱い冒険者で固める予定だっだし。
(アリアちゃんが冒険者になるきっかけになった愛読書『冒険の書』の主人公たちは最初、とても弱かった)
そういう意味では、この少年は最適ね!
でも、わたしのパーティーに入るためには、あともう一つ条件が必要よ……。
「別にいいけど、ハンパな気持ちで言っているならやめといた方がいいわよ」
「ぼ、ぼくは本気です!」
「わたしはいずれ魔王と事を構えるわ。 あなたには絶望に立ち向かう勇気があるの?」
わたしのパーティーに入るための条件、真の冒険者になるための条件。
それは、どれだけ不利な状況でも、どれだけ相手が強くても、立ち向かえる勇気があるということ。
って『冒険の書』に書いてあったわ!
まぁ、すでに魔王は倒してるからいずれ魔王と戦うことになっても、その魔王はわたしの命令に従って茶番を演じているだけなんだけどね……。
「ま、魔王と……そ、それでも僕はあなたと一緒に冒険がしたいです!」
「そ、そう……ま、まぁいいわ! わたしがあなたの冒険者としての素質を見極めてあげる! とりあえず、まずは冒険者ギルドに行って登録を――――アウッ!」
わたしは、その場にうずくまってお腹の下を抑えた。
そ、そういえば忘れていた……。
も、もう我慢できない。
オシッコ……。
「ど、どうしたんですか!? うずくまって、お腹でも痛いんですか!?」
「……ねぇ、ちょっと後ろ向いて耳をふさいでくれる?」
「ど、どうしてですか?」
「いや、その……お願いしますぅ」
「わ、わかりました」
少年(ローゼ)は、後ろを向いて耳をふさいだ。
よし、これなら大丈夫!
あの魔道具?を使ってもバレないわ!
わたしは、マジックバックから『簡易トイレ(女性用)』を取り出しセットした。
黒いパンツを脱ぎ、スカートをたくし上げボトルの上にまたがる。
ふぅ、正直この魔道具は使いたくなかったけどしょうがないわ。
背に腹は代えられないもの。
……いちおう、もう一度くぎを刺しておこうかしら。
「ぜったい振り向いたり、音を聞いたりしちゃダメだからね! ゼッタイだからね!」
「え? なんて言いました? 聞こえませんでし―――――ハッ!?」
耳をふさいでいるローゼには、アリアの声が聞こえるはずもなく、うまく聞き取れなかったローゼは耳をふさいだまま誤って振り返ってしまった。
振り返るとそこには、異様な光景が広がっていた。
変な筒の上で、スカートをたくし上げている少女。
筒の中に、少女から流れ落ちる聖水が吸い込まれていく。
少女はとても……とても驚いていた……。




