アリアちゃんと、スライムの行進
「ねぇ……いつの間にか、行列ができているのだけれど」
ボヨン ボヨン ボヨン ボヨン ボヨヨ~~~ン
『スライムっすね。 アリア様が襲ってくるモンスターを手あたり次第に倒しているので、その死骸を食べようと集まってきたんでしょう』
いま、
わたしを先頭に、総勢50匹以上のスライムたちが列を作って行進している。
とてもにぎやかね。
青い体液を透明な膜で覆っただけの簡素なモンスター。
目や口といったものは存在しない。
よく見ると、体液の中心には小さな石がある。
あと、1匹だけ赤いスライムがいる。
なんなのだろう、あいつは。
――――そして
ぬめりとしたスライムの膜の中では、現在、いままで成敗してきたモンスターの死体が消化されている。
形の残った死骸もあれば、原形を保っていないドロドロの死骸もある。
……あれ? あのモンスターまだ動いてない?
それにしても、
スライムたちは、自分たちが攻撃される可能性を考えてはいないのかしら?
わたしが冒険者だったら、今ごろ経験値にされているわよ。
ポヨン ボヨン ポヨ~~ン ポヨン
スタ スタ スタ (足音)
ポヨン ボイン ポヨン ボイ~~~ン
スタ スタ スタ (足音)
……って、わたしは冒険者じゃない! (まだ、なってない)
襲ってこなくてもモンスターはモンスター。
ここで狩らなきゃ、いつ狩るのよ!
――――実を言うと、ちょっとだけカワイイと思っていた。
「食らいなさい! 大海の波撃<マリン・ウェーブ>!」
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大海の波撃<マリン・ウェーブ>:
水属性の上級魔法。
魔方陣から、津波を召喚して敵を溺死させる。
また、召喚されるのは海の水なので、旅の途中で塩が欲しくなったらこの魔法の出番だ。
火属性魔法で水分を蒸発させて、塩をゲットしよう!
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振り向きざまに、上級魔法をスライムたちにぶち込んだ。
魔方陣から召喚される大量の海水。
スライムたちは、流されてどこかに消えていった。
後には、海水でびしょびしょの草原だけが残る。
ふぅ、冒険者として及第点ギリギリってとこかしら?
たぶん、スライムたちは流されただけで、1匹も死んでないと思う。
ついつい情けをかけてしまった。
まぁ、少しの間だけだったけど共に冒険したモンスターたちだから、少しくらい良いじゃない。
よし、またプリステルへの旅を続けよう。
というか、はやく着きたい。




