第4話 スキルを試してみよう
この村に宿屋が出来てから、少しずつ発展していった。周りの旅人や冒険者が時々宿泊したり、行商人の人や貿易の人が泊まったりと、想定通りにことが進んでいった。
少しずつ商人達の中で話されるようになったのか、最近はちょっとずつ泊まる人が増えている。
需要と供給って言うし、増えた税でまた宿屋を増やすのもアリだね。
でもまぁ、次はインフラ整備とかに使いたい。
今現在は2000レンド、日本円で200万くらい溜まっている。
これなら村のインフラ整備にも十分な量だろうね。
と、いうことでいつも通りじっさんを呼び出した。
会議をしようとしたところ、何故か俺が感謝された。
なんか、この村が俺のおかげで少しずつでも発展していっているとのこと。別に感謝されるようなことでもない気がするが、一応受け取っておくことにする。
そうして再び会議が始まった。
まず、どこのインフラ整備をするかっていう点。
候補として、学校とかを作る、病院を作る、道路の整備の三つが出てきた。
しかしまぁ、優先順位で行くと確実に病院なので、病院を作ることにした。
診察料とかは、全て税から出されるのでほぼ無料だ。これにより、怪我した冒険者などが訪れる機会が増えて、ちょっとした経済効果も期待できそうだった。
ということで、いつも通り業者さん達に設計図を渡して依頼した。
しかし病院は、設備とかが多いしそもそもが大きいため、お金が凄いかかる。というか、今あるだけじゃ足りないとのこと。
そのため、病院は一旦保留となってしまった。
ということで、次に学校。村の大きさを考えても、無駄に大きいのはいらないとのことで、少し小さめの学校の設計図を作り、依頼した。
業者さんは、お金は足りるとのことで承諾してくれた。ただまぁ、学校なのでそこそこ時間はかかるとのこと。少なく見積もっても一年はかかるだろうとの見込みであった。
そのため、工事を続けながらも、一部業者さんには残ってもらい、別の事などをやってもらう算段である。
とりあえず、2000レンドが、学校作るために結構減らされて140レンドくらいになってしまった。まぁこれは少ししたらまた増える見込みなので平気だと思う。
それと、残った140レンドで、政治拠点を少しだけ改修工事してもらうことにした。
ちょっとした家くらいの大きさの政治拠点を、少し大きな家くらいの大きさにするように設計図を作り依頼した。そしたら、いつも通り了承してくれた。
そう言うわけで、政治拠点と学校の工事が始まったのだった。
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「君のおかげで凄い速度で発展してるよ。」
「いえいえ、手伝ってくれたおじさんや村のみんなのおかげですよ。」
あれから4日程。俺が転生してきて2週間弱が経った。
今日も、おじさんと色々話しながら1日が始まる。
最近は時々海側から、漁師の人がやってくるようになった。なんか、取引で魚を売ってくれた。値段は市場価格と大体同じ。だけど、こちら側にはいない珍しい魚とかも取り揃えていたため色々と買わせてもらった。
そうそう、最近はちょっとだけ賑やかになってきた。
宿屋も少し増やして、村も少しずつ大きくなっていった。多分、冒険者の噂が噂を呼んで少しずつ増えたんだと思う。
まぁでも、海と山に囲まれた辺境の村だから好き好んでくる冒険者はごく一部である。
今では、町と呼んでいいほどには発展している。国とかまでにはいかないけれど、国に届くまで後もう少しと言ったところだろう。
学校や病院が出来て、村中のインフラ整備が整ったらの話だけど……
ま、それはもっと後の話だね。そもそも、数週間とか数ヶ月で国は建たない。もっと長期的な策が必要だ。少なくとも、俺が中学生卒業するくらいの年齢にならないとね。
一応ここは元から独立してるらしいから、俺が国家を作る事を決意した瞬間に国として独立するらしいんだけど……やはりちゃんとした国領とかが必要なので俺はまだこれを国家としては認めない。まずは学校と病院を作るのに時間がかかるからまぁ……それがない限りどれだけ設備が揃ってようと俺は国とは認めないな。
長い道のりになりそうだぜ……ハハハ。
さてと、今日は何をしましょうかね。政治拠点はまた工事中だし……人がいないんだよね。人手不足。だからちょっとした工事とかですら出来ないわけだ。
うーん……あっ。
そういえば、スキルの詳細とかを確認するのを忘れていた。
暇だし、じっさんに言って今日はスキルの性能確認と行こうかな。
「おじさん!今日は僕ちょっと別の場所にいるね!」
「そうか、気をつけてな。」
よし、了承は取れた。
それでは、海の方へ向おう。
さぁて家を出た事だし歩きながらスキルの性能予想と行こうか。
一つ目は英傑級スキル【幻想世界】っていうスキルだ。これはまぁ、なんとなく幻想の世界を創り出して入れるみたいなスキルだろうね。どっかの精神やら時やらの空間みたいな感じなのかもしれない。ロマンの塊ってやつよ。
それで二つ目は英傑級スキル【強欲】っていうスキル。正直コチラはあまり見当がつかない。強いて言うならば他者から何かを奪うスキル的なものか?自分で言うのもなんだけど、性格は優しい方だと思ってたんだけどな……強欲か……。
いや、いいか。それらはもう、使ってからのお楽しみだ。正直【幻想世界】っていうのがすごく興味が惹かれる。厨二病的名前。厨二病の俺に刺さるものよ。早く使いたい。
……村を出てすぐだけど、ここで使ってみるのも———いや、ダメだな。ちゃんと海岸まで行って、何かあったときでも誰も巻き込まないようにしないとダメだ。【幻想世界】なんていう名前なんだから、確実に何かの空間とかを生成しそう。そうとなれば、村の近くだと周りの人が巻き込まれかねない。
流石に自分のスキルで即死亡なんてことはないだろうから平気だろう。……死亡フラグではないからな?
まぁいい。とりあえずは海岸に向かおうじゃないか。
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というわけで着きました。
ステータス画面を開いて再確認をする。
英傑級スキル【幻想世界】
画面にはちゃんとそう書いてある。
マスターがなんなのかは知らないが……結構強いスキルだといいけどな。
そう思いながらも、俺は心の中で唱えた。
"【幻想世界】"
そう唱えた瞬間、俺は、自身の周りの下から出てくる影によって一瞬にして包まれた。
そこには、何一つとして残っていなかった。
暗い、なんだここ。
目を擦ったって何も見えやしない。
俺は一体どこにいるんだ?とりあえず進んでみるか。
そうして俺は、何も見えないにも関わらずに歩みを進めていった。
にしても……幻想世界とは程遠い世界だな。
世界を支配するヒントやらになればよかったが……あまり期待はできなさそうだな。
世界を生み出せるなら、最悪ただの会議施設とかにでも利用したかったんだがな。
というかあまりに暗い。これ元に戻った瞬間太陽が眩しすぎてしばらく目が開けられないんじゃないのか?何も見えない程に暗い。こんなところで魔物と遭遇したら溜まったもんじゃねぇよ。
その時、俺は何か固いものに衝突した。
なんだ……これ?
そう思いながら手でゆっくりと触ってみる。
固い。ザラザラとした質感である。
少し触って、なんとなくそれがレンガだと言うことがわかった。
つまり俺は今、レンガの建物のようなものに閉じ込めれている状況ということだろう。どういうこっちゃ。
とりあえず、再び辺りを散策してみる。
手を少し出して、壁にぶつからないように。
そうやって歩き続けた。
方向感覚なんてものはないため、初期地点に戻ってる可能性もあるし、ちゃんと進んでいる可能性もある。
よくわからない状態で、ずっと進み続けた。
特に音はしないし、レンガ以外に触れていない。
とその時、微かに音が聞こえた。
ゲームとかでよく聞く、キラキラとした音である。
どこから聞こえてるのかはわからないが、その音を頼りにとにかく進み続けた。
近付くにつれて、少しずつ音も大きくなる。
光はないが、何かがあるのは確実だ。
慎重に、少しずつ進み続けた。
そしてある程度進んだ時、手が何かに触れた。
固いものではない、柔らかい……のか?それっぽいものに当たった。
その後、高く澄んでいる誰かの声が周囲に響き渡った。
「なっ、なに急に!?私を誘拐するつもりなの!?」
「は?」
思わず素が出てしまった。
何を言っているんだ。というかコイツは誰だ。
なんでここにいるんだ。ここは俺のスキルの内部なはずだが。
「そこの君、私を誘拐しようとするとはいい度胸ね!!というかどこ見てんのよ!!」
「どこ見てるって言われましても、そもそも何も見えないので。」
「あっそうなの?えっとじゃあこうして……はい!これで見えるはずよ!!だからちゃんと私の方を見なさい!!」
その瞬間、周りが明るくなった。
暗視の効果でもついたのか?
とりあえず、その謎に喋ってるヤツの方に目を向ける。
居たのは、チビの精霊的なヤツであった。
人型ではない、謎に青白い精霊である。
顔も点だけで構成されていて、口なんてのはない。
キラキラとしたエフェクトが降っている。
なんだ。本当になんなんだコイツ。
「君!!私のテリトリーに勝手に来て、なんなのよ!!」
「テリトリーって……ここは僕のスキルの中のはずなんですけど……」
俺がそう言うと、精霊は困惑の表情を示した。多分。顔に横棒が追加されてそれっぽく見えたからだ。
「君の……スキル?じゃ、なんで私がここにいるの?」
「わからないですよ。僕も初めて使ったスキルなので。」
周囲が静寂に包まれた。
両者、共に混乱している。
「えっと……それなら私は誰なの?」
「僕のスキルの性能の一部か、何故か入り込んだバグかの二択ですね。」
「それじゃ、私は一旦ここから出るわ。君の住んでるところに連れてって頂戴!!」
んな言われてもな。
こんな精霊みたいな見た目してるヤツ連れていって平気なのか?
そもそもここから出る方法もわからないし。
こう言うのは解除すればいいものなのか?
「……君、私の見た目のこと心配してる?見た目なら平気よ。自由に変えられるもの!!」
そういうと精霊はその場で回転しながら光に包まれ、次の瞬間にその場にいたのは、水色らしき髪色のキョンシーみたいな見た目している可愛らしい女の人だった。大体15歳くらいの。
いや、キョンシー……なのか?帽子は確かによくみるキョンシーのやつだが、服はアニメとかゲームやらでよくみるチャイナ服である。脚は見えるけど真ん中が謎に垂れてるヤツで隠れてて、ノースリーブかどうかは知らないがノースリーブで。あと、腕には長く黒い袖がある。ノースリーブだから服とは繋がっていない。
「あれ、お気に召さない感じ?おかしいわね……君の趣向に沿って姿を変えたはずなんだけど……」
「これが……?」
「えぇ、君の好きな見た目になったはずよ。にしてもこの服、凄く着にくいわね。袖がすぐに落ちちゃうわ。」
別に趣向に沿わなくていいのに……と思ったが、そもそも自分の趣向がこんな感じだとは知らなかった。
俺ってこんなのが好きなのか、と思った瞬間である。
「あの、見た目と口調が合ってないので直してください。」
「……君、肉体年齢と精神年齢が合ってないわよ?まさか転生者なんてことないわよね?」
「……」
まそりゃバレるわな。
こんなこと言うわけないもん。
別に誰もいないし素を出しても問題ないか。
「とりあえず、この空間を解除してくれない?私も君も出れないわよ。」
「いや……解除のやり方が分からなくてね。俺このスキル初めて使ったから。」
そう言いながらステータス画面を開いたりタッチしたりスキル画面を見たりと色々と試行錯誤をする。心の中で解除!って唱えても何も起きなかった。
どうやったら解除できるんだこれ……
「やっぱ君、転生者だよね……」
「そうですが何か問題でも?」
俺は試行錯誤を続けながら解答する。
「いや……問題はないけど……」
問題がないならいいだろ。別に。
ということで俺は試行錯誤を続ける。壁を叩いたり、目の前のキョンシー精霊の顔引っ張ったり、辺りを散策したり、キョンシーの頭引っ叩いたり、ステータス画面でスキルの詳細見れないから試したりととにかく色々した。
そうして、なんとか解除する方法を見つけた。
「えっとこうして……手をかざせば良かったはず。」
俺が手をかざすと、四角形が重なりに重なった幾何学模様の魔法陣が回転し、急に大きくなって空間内に広がった。
その瞬間、空間が崩れ落ちていつも見る景色が戻ってきたのだった。




