第3話 色々なモノを作ろう
さて、ここが村か。
村にしては、そこそこ大きな村だ。
山に囲まれていて、自然が沢山ある。
そして人がたくさんいる。
公園らしいところで遊んでいる小さな子供たちが、俺のことを滅茶苦茶見てくる。たまに手を振ってくる子供もいた。そのような子供には、勿論手を振りかえした。子供は純粋でコミュ力高いなと思った時だった。
とりあえず、再び歩き出したじっさんに着いていく。
「そういえば君……夢とかってあるのかい?」
ん、夢の質問?
これは素直に答えるのがヨシか、それとも偽のことを言うか。
否、いずれ国王になるものとして嘘はついてはないけない。
ここは素直に答えるが吉と判断する!
「僕は、将来世界を支配します。」
その言葉に、じっさんは驚いていた。
まぁ、当然だろうね。12歳くらいの子供が世界を支配するって言い出すんだもん。変な子供よね。
しかし、じっさんは俺の予想とは違う回答をした。
「ハッハッハ。そうか、世界を支配するのか。だったら、俺の村も領土に入れて、安全を保障してもらいたいもんだなぁ。国を造る時は、俺も協力するぞ。」
なんだ……このじっさん。いい人過ぎるぞ。
こんな変なこと言う子供と関わりたくないだろうに、笑ってくれて、むしろ村を領土に入れて守ってもらいたいとか言っている。
なんなら国を造るのを手伝う、だって。
これは……このじっさんが死ぬまでには国を作らなければね。
12歳でも、国は作れるってことを証明してやる。
幸いなことに、俺には前世の知識が残っている。これがあればある程度の政治は出来るだろうし、国の基礎は固められるだろう。
よっしゃ、そうなったら明日から国を造るのを始めようじゃないか。
えっと……先に頭の中でやるべき優先順位を固めておく。
まずは、国の設計図。これがないと始まらないさ。それから政治体制とか、建てるための素材とか、色々と集めなければ。
さっ明日から頑張ろう。
例えじっさんが本気にしていなくとも、俺は自分の国を作ってみせる。そして、いずれは世界を支配してやる。
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あれから、じっさんの家に泊めてもらって次の日になった。
さて、今日から本格的に始めよう。
まずは国の設計図……かな?正直国創りって、何から始めればいいかわからない。
うーん……何も無い場所にとりあえず政治の拠点とかを作ればいいのか?となるとまずは……小さな工房みたいな感じから始めて、それからどんどんと大きくしていく感じでいいのか。
そうとなれば、じっさんに相談してから始めよう。
「おじさん、国造るから手伝って欲しい!!」
「おぉ、もう国を造るのか。なら、俺も頑張らなきゃな。それで、最初はどうすればいいんだ?」
「最初は、小さな政治拠点から始めるの。それからどんどんと大きくして、最終的には大きな国にするつもりなの!!」
「そうか。なら、まずは木を切ってから小さな小屋でも作ろうか。」
「ありがとうおじさん!!」
そう言うと、じっさんは何処かへと歩いて行った。
ふぅ、この演技疲れるな。
精神年齢大学生の人間がこんな演技しなければならないことに、精神が疲れてしまう。
だが、これも全て俺がこの世界を支配するためだ。
これくらいは苦でも無い。
てか、こんな我儘に付き合うじっさんのほうが苦だろう。
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「君、資材は向こうに置いてある。それと、設計図でも渡してくれれば、村の建築屋の人が建ててくれるから、上手く利用するといいよ。」
「ありがとうおじさん!」
今思うけど、このじっさんなんでこんなにも俺の国造りに協力してくれてるんだ?
別に、子供の言っていることだから聞く必要はないはずなのに……とんでもない聖人の方だな……
とりあえず、じっさんに言われた通り、あらかじめ書いておいた設計図を業者さんに渡しに行くことにした。場所知らないけど、まぁそれっぽいところがあるでしょう。
そうして、俺は村中を歩いた。
時々、食べ物とかをくれたり、謎の装飾品的なものをくれる村人さんたちがいた。
ここの人たち聖人過ぎる。
これは俺が国造りを頑張らなければ……と、より一層国造りへのモチベーションが上がったのだった。
「ほう、こう言うふうに造ればいいんだな?俺たちに任せろ。言うても数時間くらいしかからないだろうから、暫く待ってるといいさ。」
「ありがとうございます!」
「いいってことよ。それに、国造りは応援したいからな。」
とりあえず、業者さんに設計図を渡す任務は完了。
そしたら俺は、じっさんの家に戻って他にも色々なことをする。例えば、政治体制とか決めたり、ね。
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「おかえり。設計図を渡してきたのかい?」
戻ってきた俺に、じっさんが話しかけてくる。
この村って、本当平和だよな。一生こう言うところに住んでみたいわ。
「はい!」
「そうか。それじゃ、他に俺が手伝うことはあるか?」
「えっと……政治体制を決めるのを手伝ってもらいたくって……」
俺がそう言うと、じっさんは二つ返事で了承してくれた。
とてもありがたい。何度感謝しても足りないくらい。
これから、俺はじっさんに沢山助けてもらう事になるんだろうな。だったら、恩はちゃんと返さないと。
そのためにも、やはり政治体制はちゃんと決めないとね。
そうして、俺とじっさんは沢山話し合った。
その中で、もう確定した要素、審議が必要な要素に分かれた。
確定した要素としては、まず税金的な制度。これは、国全体のインフラを整えたり、市民達のために使われるものだから当然必要だ。病院が自腹なんて考えたく無いさ。だから、国が負担する。
それから、軍事について。軍事は、今のところは完全に有志で良いと決めている。いずれは徴兵する事になるだろうが、できるだけ非戦争国家でありたいため、完全な中立を保つつもりでいる。
あとは戸籍とか。導入することは決めているが、今入れるものではないということで、一旦置いておいている。
審議が必要な制度としては、教育の制度だ。どうやって優秀な人材を育成するか、というもの。ここで少し色々と会議で決める必要があるため、保留である。
学費などは、税から支払われるため、大体無料である。まぁ、この世界の貨幣の価値にもよるけど。
とまぁ、今のところはこんな感じの制度がある。
これからまだまだ増えていくつもりだが、それはもっと国が大きくなってからのお話だ。
それまでは、貿易とかで少しずつ大きくしていきたい。今の目標は、ある程度大きくして貿易拠点になるような感じがいい。
それと、じっさんは村長だったらしい。
だからこそある程度の権力は持っているとか。
それで、試験的に村に税金の制度を入れてみようとかいう話になった。とりあえず税率は5%くらいで、試験的に利用する事に決まったのだった。
集められた税は、一時的にじっさんの家に保管されるとのこと。ついでに貿易とかの収益も。ちなみに住民税とかそう言うのは無い。商品などを買う時だけに適応されるようにしている。
とまぁこんな感じの税を試験導入するやってことを村民に伝えたら、全員が了承を出したらしい。最高の村だよ、ここ。みんながみんな優し過ぎる。
俺も、期待に添えるようにしないとね。
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あれから1週間ほど経った。
今の所村民のみんなからは、不満は出ていない。
ちなみに今保管庫に750レンド入っているらしい。レンドってのは、キルルってのが10枚で1レンド。
でキルルってのは、マインが10枚で1キルル。
マインはミーリアが10枚で1マイン。
よくわからないけど、計算してみたら多分1レンド日本円換算で1000円。750レンドは、つまり75万円ほどあるっていう計算で良さそう。
ちなみにミーリアが1円、マインが10円、キルルが100円って感じだろう。
こういう硬貨を覚えるよりは、国が大きくなったら自分だけの紙幣を作るのもありだね。単位はもちろん円です。
なんてのはもう少し後に考える話。
と、そういえば政治拠点が完成した。
村の奥側にあるんだけど、人が一人住めるくらいの家みたいな感じ。三角屋根で全て木造建築。まぁ実質俺の家である。
ここからどんどん大きくなっていくと考えると、かなりロマンがある。やりがいのある仕事ですこと。
そういえば、75万円も貯まっているんだよね。
ということで、この75万を別のことに使いたい。
そう言うわけで、村長と会議をした。
最初は、村の道路の整備とかに使った方がいいとか、港を作った方がいいとか、政治拠点を大きくしようとか、色々な案があった。
だが、最終的には行商人や貿易の人達のために、宿屋を作ろうと言う結果になった。
まずはここを貿易拠点として発展させたいというのが主な理由であった。そのためには、宿屋を作ってちゃんと泊まれるようにするのが良い、とのこと。
個人的にはこの案に賛成である。
宿屋は、そこらの冒険者とかにも有効だし、そこそこ便利な品物である。
そんなわけで、俺らは宿屋の設計図を相談しながら作って、業者さんに頼んだ。
こうして、この村に宿屋が追加された。




