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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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新世界ギルド チャードンの後継者問題 << マイノス 39 >> 

 今回の一連の戦いを、「ロマール王国大戦」という人がいた。

 島ギルドへの懲罰ギルドの攻撃、中央ギルドへの王立騎士団の攻撃、ビッグレイクギルドへの商人ギルドの攻撃に始まり、王都での新世界ギルドと王立騎士団・商人ギルド・リゼア王国連合軍との戦い、王立騎士団・商人ギルド・西の強国ギルド連合軍と新世界ギルド・ビッグレイクギルド・山賊ギルド連合軍の戦い、王立騎士団と平原ギルド・第一ギルド連合軍の戦いまでの戦いだ。


 この戦いで、王立騎士団と新世界ギルドは小都市を一つずつ減らし、平原ギルドとビッグレイクギルドが小都市を獲得した。

 また、王妃ザラと新世界ギルドリーダーのチャードンが戦死した。


 この戦いは、王立騎士団が大敗したような印象を残した戦いだった。

 ただ実際には、新世界ギルドも都市を私たちに与えていた。

 また平原ギルドは王立騎士団の本拠地と隣り合ったことにより、王立騎士団と平原ギルド間では、強力な和平が結ばれた。

 そんわけで勢力的には、王立騎士団は第一ギルド敵対しない限りは、王立騎士団が失ったものはないに等しかった。


 ただし、今回の王立騎士団グループによる、都市保有ギルドへの攻撃を禁じる王国規則を蔑ろにした暴走行為を防止する措置は取られた。

 第一ギルドのファンリーが、新世界ギルドと王立騎士団による王国政権の輪番制を要求したのだ。

 これは王立騎士団にとって、大きな勢力減少になることから、外交調整が行われているようであった。

 その結論も、いずれ出るであろう。

 王国内の各勢力は、和平とは程遠い状況にあったが、戦争による兵力の損失は大きく、一時の平和が訪れた。


 しかし私にはまだやることがあった。

 それは新世界ギルドリーダー・チャードンの後継者問題だ。

 私たちビッグレイクギルドは、新世界ギルドの保護下にあるようなものだった。

 後継者問題で揉めて再び他のギルドに攻撃されたら、それは私たちの生存を脅かすことが目に見えていた。

 新世界ギルドはリーダー・チャードンがゲームを引退してから、その後継者がいないまま運営されていた。

 グロームから何とかしてほしいという要請が来たため、私は一時的に新世界ギルドに移籍して、その様子を見ることにした。

 移籍するにあたって、ビッグレイクギルドのリーダーを別の誰かに委ねなければならないのだが、私はドノフにリーダー代行をお願いした。

 ドノフは島ギルドのリーダーを引き受けてくれてもいた。

 そのためリーダー職の経験もあり、また信頼できるプレイヤーだったので、私は一時的に新世界ギルドに移籍することを伝えた。

 ドノフからは「ボス、必ず戻ってきてください。私の力ではギルドを維持できません」と言ってきたので、「もちろん必ず戻る。新世界ギルドには100人もいるんだ。人付き合いの苦手な私がいる場所ではない」と伝えました。


 新世界ギルドは王立騎士団と並ぶ、メンバー数100人を超える大所帯ギルドだ。

 私は新世界ギルドの軍事担当者であるグロームの要請で、新世界ギルドに移籍した。

 移籍して、ギルドチャットを見たら、まさに次のリーダーは誰が良いか、多くの人が意見を出していた。

 一番人気はサブリーダーのグリーンだった。

 これまでサブリーダーとしてギルドを支えてきたことと、都市を奪還する時の総指揮を彼が担っていたからだ。

 ただ、他にも候補として上がっている人が二人いた。

 スライサーとヘリオスだ。

 スライサーの強さは、私に匹敵するものだ。

 リーダーは強い者が良いという意見は少なからずあった。

 またヘリオスも人気があった。

 先の大戦では、セルバート王の部隊に強襲をかけ、勝利に導いた決定的な戦闘を行ったことと、彼は元々好戦ギルドでリーダーをしていたので、その経験もあるということも、評価されていた。

 新世界ギルドは大所帯なので、派閥化しやすく、それはギルド分裂の危険もあると、グロームは私に言った。

 特にヘリオスは元いた好戦ギルドをサブアカウントで保有していたことも、グロームには気がかりなようだった。


 私は新世界ギルドのギルドチャットに、次のリーダーの選出に立ち会わせてもらえることに感謝を述べた。

 それから、ギルドチャットで候補者は3名にほぼ絞られていることを確認した。

 グリーン、スライサー、ヘリオスの3名だった。

 「グロームもいるぞ」という声がどこからか上がったが、グロームはそれを即座に否定した。

「自分は新世界ギルドの命運を担う重圧には耐えられない。まずは弱音を吐かないように、心根を鍛えることから取り組みます」と言って、メンバーを笑わせた。

 私は「では、スライサーはどう考えているか」と聞いてみた。

 スライサーは、「リーダーをやるつもりはない」とはっきり明言した。

 「軍事担当者として、戦争に特化して遊びたい」と言った。

 私は次にヘリオスに聞いた。

 ヘリオスは、「リーダー職には関心があるが、今は別に適任者がいる」と言った。

 私は「それは誰ですか?」と聞いたら、「サブリーダーのグリーンだ」と、彼は言った。

 私はギルドチャットで、新世界ギルドの人たちに聞いた。

「グリーンに、リーダーを引き受ける意思があるか確認するが、いいかい?もし彼が拒否したら、次のリーダーはセルバート王になるだろう。新世界ギルドは制圧され滅亡するだろう」と伝えた。

 ギルドチャットは、それは嫌だという声や、グリーンを望む声で溢れた。

 サブリーダーのグリーンは、ギルドチャットでコメントした。


「私たちの最も親しかったリーダー・チャードンはもういない。私たちは彼と共に、1年以上新世界ギルドで遊んできた。彼は私たちを王国第二位のギルドに成長させ、王国政権への道を作った。私は今、サブリーダーとして、王立騎士団と王国政権の輪番制について話を詰めています。リーダー・チャードンは、私たちを王国政権に導いたことをまず皆さんに報告します。しかし、彼は王都攻略戦でみんなを撤退させるために最後まで残り、そして戦死した。私は彼の意志を継続するために、次のリーダーに立候補したい。皆さんの理解と協力がほしい。私に力を貸してもらえますか?私たちは再び王都へ進軍します。輪番制で、ロマール王国の政権を担います」


 新世界ギルドのギルドチャットは新しいリーダーの誕生に沸いた。

「素晴らしいリーダー!」という声や、「あなたの軍事的才能は素晴らしい。不敗のリーダーだ!」という声が上がった。

 グロームも、スライサーも、ヘリオスも、グリーンのリーダー就任に拍手を送った。

 私は新世界ギルドのメンバーに伝えた。

「島ギルドとビッグレイクギルドは、これからも新世界ギルドに忠誠を誓う。新リーダー・グリーンの指示のもとに動き、その勝利と繁栄のために全力を尽くす」と伝えた。

 そしてグリーンに、「新世界ギルド2代目リーダー就任おめでとう」と伝えた。

 グリーンは、「あなたの助けが必要です。可能ならば新世界ギルドにこのままいてください」と言ってきたので、「私がビッグレイクギルドに戻れば、ビッグレイクギルドと島ギルドの2つのギルドがあなたを支えるでしょう」と伝えた。


 グリーンは、リーダーのチャドンを弾劾して、2代目リーダーになった。

 数日にわたりチャードンはログインしていなかったので、役員は誰もが弾劾行為を行うことができた。

 そしてギルドを簒奪することも出来たが、新世界ギルドの役員はそれをしなかった。

 自由奔放な新世界ギルドの雰囲気だが、役員のモラルの高さは、元リーダーのチャードンの人選の良さを改めて感じさせた。

 私は改めて、新世界ギルドの新リーダーの選出に立ち会わせてもらったことに感謝し、それをギルドチャットで伝え、ギルドを退出した。


 ビッグレイクギルドに戻るに際し、ドノフがリーダー職を返してくれるか、一抹の不安がなかったわけではないが、彼は私を裏切らなかった。

 私はビッグレイクギルドのリーダーに戻り、ギルド運営を再開した。


 そして新世界ギルドの新リーダーとなったグリーンから私に、王国政権の輪番制の内容が伝えられた。


 それによると、王国政権を担うのは、王立騎士団、商人ギルド、新世界ギルド、第一ギルドの4ギルドによる輪番制になるということだった。

 それだと、王立騎士団グループが王国政権の半分を占め、新世界ギルドと第一ギルドは1/4ずつの期間になり、王立騎士団グループの優位性は保たれる。

 しかも新世界ギルドと第一ギルドは、この形だと競合関係になりそうに見えた。

 私はグリーンにそのことを伝え、「王立騎士団はなかなかしたたかだな」と感想を言った。

 グリーンは、「そういう見方もできるが、輪番制だけでなく、今後は王国政権の役員に常時この4大ギルドのメンバーが入る。連合政権になるので、ロマール王国にとって悪い形ではないはずだ」と言った。

 確かにそれならば、ロマール王国は内戦もしなくなるだろうし、良いかもしれないと、私も同意した。

 グリーンは私に、「第二回目の王国評議会があり、ビッグレイクギルドもそれに招待されている」と言った。

 私はその参加に同意した。


 ロマール王国は大きな内戦を経てまとまり、王国間の競争に本格的に乗り出すことになるのかもしれない。

 私はゲームが益々面白くなってきたと感じていた。

 そして、ゲーム会社の運営は、このタイミングで、新しいイベントを開始した。


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