これ、やばくね? << マイネ 27 >>
「これ、やばくね?」
ギルドチャットで、王立騎士団のメンバーの一人が呟いた。
小都市ポプラでの敗戦の後、王立騎士団は次々に獲得した都市を奪われた。
王立騎士団はすべてが後手になっていた。
セルバート王は調子が良くないのか、王都に退却してからはほとんど何も指示を出さなかった。
まず、新世界ギルドが奪われた都市の奪還にくるということを、僕たちは想定していなかった。
あと一つ都市を奪えば、新世界ギルドは滅亡する状態だったので、都市を奪いに来るとか想定外でした。
宣戦布告されて、部隊を送る必要があると気づいても、宣戦布告されるとワープホールで送ることが出来ない。
前もって送っておく必要があったんだ。
それでも1000人ほどの兵力は残していた。
あの城は難攻不落だし、手負いの新世界ギルドでは苦戦すると思っていたんだけど、裏切りがあったみたいで、1日も持たずに開城してしまった。
その後も、ビッグレイクギルドが小都市シエラに宣戦布告したら、そこを支配していた西の強国ギルドが戦わずして降伏し、新世界ギルドグループと和平を結んでしまった。
王立騎士団と敵対したわけではないけど、今思うと、いまさら遅いけど、王立騎士団のグループに入れておいた方が良かったかもね。
立地的に、彼らは新世界ギルドのグループ入りすると思う。
新世界ギルドはその後も南下して、黄金都市ミダースに宣戦布告した。
ここは商人ギルドが獲得していたのだけど、どうなるかな。
山脈の頂にある魔法都市ライツほどではないけど、黄金都市ミダースもジャングルの中にあるので、堅固な都市だと思う。
簡単には陥落しないと思うけど、今の新世界ギルドには勢いがあるので、どうなるかな。
そんな時に、王立騎士団の北方の都市スアンが、平原ギルドから宣戦布告を受けた。
これは王立騎士団は全く予期していなかった。
ギルドチャットで、「これはまずいんじゃないか」という声が次々に上がった。
なぜなら、この小都市スアンは、王立騎士団のメンバーの多くが隣に町を置いている、本拠地になっていたからです。
小都市スアンを奪われると、王立騎士団の心臓にナイフを突きつけられる状態になってしまう。
西の強国ギルドが小都市ランタンと小都市シエラの都市交換を拒絶したのも、その理由でした。
平原ギルドは、ゲーム開始時から王立騎士団とはライバル関係にあり、お互いに本拠地が近いことで戦えば被害が大きくなることから、緊張関係が続いていた。
でも王立騎士団はそれ以外の部分で大きく勢力を拡大した。
コボルド河の戦いで平原ギルドを破って、リーダーのルーデルが戦死してからは、勢力では圧倒していたはずだ。
それが、王立騎士団が魔法都市ライツをあっさり奪い返されたものだから、調子に乗って、攻めてきたんだ。
そんな感じでギルドチャットが騒がしくなり、戦おう!この際、決戦して壊滅させよう!という声が大きくなった。
僕もフェアリーも、新世界ギルドの主力は南方の黄金都市ミダースに向かっているので、王都防衛支援してくれたリゼア王国は帰還を始めていたけど、王都に部隊を留める必要はなく、平原ギルドとの決戦は可能だと思った。
シャルルやシンシアも、平原ギルドとの決戦を主張した。
でも、第一ギルドのファンリーが王国チャットに書き込んだことで、事態は最悪の方向に進んでいるような気がしてきたんだ。
「セルバート王。あなたには失望した。ロマール王国の統一って何ですか?ロマール王国の統一を叫びながら、新世界ギルドを攻撃していたことは、私たちに対する宣戦布告に等しい行為でした。実際にあなた方は中央ギルドと新世界ギルドを攻撃した。都市を保有するギルドは保護され、王国防衛を共に担うのではなかったのですか?平原ギルドが王立騎士団に宣戦布告しました。私たちは平原ギルドとは友好関係にある。王立騎士団が都市を明け渡さない場合、私たちは平原ギルドを支援し、王立騎士団に宣戦布告します。さらに私たちは、王国政権の輪番制を要求する。王立騎士団に政権を独占させては、この王国が滅ぶ」
「これ、やばいね」
僕もギルドチャットで言ってしまった。
これは実質的には、ロマール王国で、王立騎士団グループ以外のほぼすべての主要ギルドを、敵に回したことになる。
リゼア王国が、王立騎士団をロマール王国の代表ギルドとみなさなくなる危険もあり、下手すると滅亡の危険もあるように思えた。




