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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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混乱 << セルバート王 18 >> 

 何が起きている?

 私たちは今回のロマール王国大戦で、勝利目前だったはずだ。


「セルバート王!ログインしてますか?」


 誰かが私に話しかけている。

 どこでそのメッセージを見かけたんだ。

 王国チャットか?

 違うようだ。

 だが、山賊ギルドのヴァイスが「友好的戦争をしよう」と私に提案している。

 何の話だ?

 あのメッセージを見かけたのは、連合軍チャットか?

 違う。

 ギルドチャットか?

 これも違う。

 マリスだ!

 個人チャットだった。


「マリス。何が起きている?」

「何って?セルバート王、王は今、攻撃されていますよ!混乱状態になっています。大丈夫ですか?後方からライゼンの管轄部隊が支援に向かってます」

「ああ、ヘリオスのか。小部隊なんで無視したら、部隊の方向変更忘れて、側面を突かれて混乱状態になってしまった。ヘリオスはどこから来たんだ?」

「わかりません。それより、私の部隊はまずいです。マイノスの軍団が全軍で前進しています。マールの部隊からは突撃攻撃を受けています。このままだと突破されます」

「まだシンシアの部隊が私との間にいる。一旦下がって、シンシアと代わり、体制を立て直せ。側面攻撃の混乱は長くは続かない。シンシアの部隊が少しでも持ちこたえれば、私の部隊は復活できる。それよりヴァイスの話は何だ?友好的戦争とは言っているが」

「セルバート王は彼らと今回の戦争に関して何かしらのコンタクトはしましたか?彼らは新世界ギルド側に立って参戦しています。シャルルとマイネの管轄部隊は、攻城を中断して、現在、山賊ギルドの攻撃に応戦を始めました」

「山賊ギルドとは何もコンタクトしていない。以前締結した不可侵条約があるだけだ。だが、奴らと新世界ギルドは同盟関係だ。ここに来た以上、敵と判断すべきだ。彼らは対処できそうか?」

「シャルルからは、姿隠しの魔法は新世界ギルドには見破られたとギルドチャットに報告がありました。しかし山賊ギルドがこれを見破る魔法を保持している可能性は低いです。フェアリーは北側と西側の部隊の全てに、姿隠しの魔法をかけると言って、今、実行中です」

「OK。すまなかった。少し、接続を切らねければならない状況があったんだ。もう大丈夫だ。シンシアには私からマイノスの攻撃を防衛するよう、私から連絡入れよう。マリスは、一旦退いて、部隊を立て直してくれ」

「わかりました。3分後、移動します」

 本陣まで一旦退けば、そこで負傷兵が回復して、死者以外の戦力は回復する。

 まだマリスは戦えるはずだ。


 私はシンシアにマリスが一旦後退して、軍を立て直すことを伝え、マイノス軍を食い止めてほしいと伝えた。

 彼女は「了解。あまり戦争経験はありませんが、全力でやります」と言って、応じてくれた。

 シンシアは外交官一筋で、戦争経験はほぼ皆無だが、その分慎重で、かつ、気は強い。

 マールはマイノスの部隊だが、所詮はNPC将校だ。

 マリスに続いてシンシアまで撃破出来るとは思えない。

 魔力やアイテムを最大限に使用したプレイヤー将校の部隊は、簡単には敗北しない。


 私は再び戦況を俯瞰した。

 現在、戦闘になっているのは三箇所だ。

 私の部隊がヘリオスから側面攻撃をされて混乱状態だが、ライゼンの管轄部隊が支援に来ているというし、その前に私の周辺にいる管轄部隊が、ヘリオスの部隊に攻撃を仕掛けて対処している。

 ここは問題ない。

 前方のマリス管轄部隊には撤退の指示を出した。

 そしてシンシアの管轄部隊が、マイノスの部隊に対処する。

 結果はまだわからないが、ひとまずの対応は出来た。

 そして小都市近辺では、山賊ギルドの攻撃に対して、シャルルとマイネの管轄部隊が対応している。

 こちらはフェアリーの姿隠しの魔法が効けば、優勢になるはずだ。

 問題ない。

 私は一つ問題があるような気がしたが、あえて考えないようにした。

 それが発現するのを恐れたためだ。


 だが、それよりも、なぜ私は一時的に意識を失ったのか。

 そのほうが問題だ。


 私はスマホから目を離し、現実世界に視線を戻した。

 深夜、ホテルの一室で、エアコンの音だけが聞こえる。

 スマホを見ると、メッセージの着信がある。

 妻からだ。

 私はその内容をすでに見ている。

 それを見て、意識が飛んだことを思い出した。


「ねぇ、あなた覚えている?ザラさんのこと。高校生の時、私と付き合う前にあなたが付き合っていた人。さっき亡くなったって」


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