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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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援軍 << マイノス 36 >> 

 このゲームのNPC将校のコメントはとてもおもしろい。

 作戦に対して「お任せください」とか「敵を討ち滅ぼしてまいります」とかいう、合いの手を入れてくれるコメントはそれはそれで嬉しいのだが、たまに戦況の核心を突くコメントをくれることがある。

 小都市ポプラ内で、戦場になっていない場所で負傷兵が発生したことから、「裏切りが発生したのではないか」というコメントが、連合軍チャットに書き込まれた。

 その時に、「裏切りなど発生していません。私たちの団結は強固だ」と、偶然にしては出来すぎるコメントを、マールがして驚いた。


 私は一つの違和感を感じていた。

 シャルルやマイネの空軍が、昨日はいたのに今日はいないことだ。

 私がそれをグリーンに伝えると、彼は「そうだ!それだ!ありがとう」と言って、役員を集める指示を出していた。


 王立騎士団として小都市の南側に陣取るボレオは、私たちの前身である島ギルドにいたメンバーだ。

 彼は戦争ゲーム経験がおそらくそれなりにあり、私たちの作戦会議にも積極的に参加してくれていて、良い知見を披露してくれていた。

 だが、鷹の目ギルドとの抗争に負けてギルド分裂した時に、彼はどちらに付くこともなく、私たちから離れて王立騎士団に移籍した。

 彼の能力からしたら、つまらない小ギルドの抗争に時間を奪われることなく、勝者になりつつあった王立騎士団に移籍したのは正解だったかも知れない。

 今や、王国政権の軍団の一翼を預かる将軍だ。


 だが、それは表向きの話だ。

 彼は王立騎士団にあとから加わった、新参者としての悲哀も味わっているはずだ。

 彼に与えられた兵力は少なく、都市の南側の包囲としては穴があった。

 それが罠かどうかは、私がこのことを伝えた新世界ギルドの中でも議論はあったはずだ。

 しかし、それは昨夜、答えが出ている。

 すでに、ヘリオス率いる決死隊が包囲網を抜け出し、次の作戦のために動いている。


 マールは、もう一つ私たちにメッセージを伝えてくれた。

 私たちはそれを待っている。


 連合軍チャットでは、急に喜びを爆発させるスタンプが乱舞した。

 何があったのだ?

 グリーンやグロームだけでなく、普段は冷静沈着なスライサーまでもが喜びを隠せない。

 グリーンから私にメッセージが来た。


「姿隠しの魔法を空軍にかけられていた。ガルナス王国の撤退戦で王立騎士団が使用した魔法だ。新世界ギルドのメンバーの中にこの魔法に対処する魔法・姿見の魔法を習得している者がいた。都市で負傷兵が発生していたのは裏切りではなかった。敵の空軍の侵入があった。今先程、侵入者へ総攻撃をかけ、彼らが撤退したところだ」


 私はサムズアップの返信をして、最悪の展開から逃れたことを感じた。

 空軍はマイネやシャルルのことだろう。

 ザラはすでに戦死していて、その部隊はもうないという情報だった。


 ふと、シャルルが王国チャットに「北方に部隊があるが、あれは何だ?援軍か?」とコメントした。

 たぶんギルドチャットか連合軍チャットに書き込むところを間違えたのだろう。

 私はそれを見て、勝利の可能性が出てきたことを感じた。

 それは私が手配したものだ。


 王国チャットでは、山賊ギルドのヴァイスがメッセージを書いた。


「新世界ギルドの皆さん、待たせたな。昔からの連合軍仲間として助太刀させてもらうぜ。王立騎士団のセルバート王。嘘はいかんだろ。新世界ギルドへの輪番制は俺もチャードンから聞いていた。あんたは受け入れたはずだ。戦争の危険があったら、もっと早く俺たちに声をかけていただろうよ。王立騎士団と我々には、不可侵条約の協定がある。だから友好的戦争として楽しもうじゃないか」


 山賊ギルドは小都市ポプラの北側のシャルルの部隊と、西側のマイネの部隊に突入した。

 両軍はそれに対処するために、一旦攻城を中断して、北側から来る山賊ギルドの攻撃に応戦した。

 今回の決戦は、ここが勝負どころだと思った。

 私は先鋒のマールに突撃を指示するタイミングを見ていた。

 すると、しばらくして、その時が来た。


 遠方にあるセルバート王の部隊が、突如現れた強襲軍に側面を突かれ、大混乱に陥ったのである。

 私はその強襲軍を率いたプレイヤーを知っている。

 ヘリオスだろう。

 そしてマールは、私が命令を下したいと感じるその瞬間に、自ら突撃の号令を発した。



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