ミスった << フェアリー 18 >>
何でまた、この場所に来てしまったの。
地下鉄のホームに降り立った私は、向かいの下り線のホームを見つめる。
以前眺めた広告は、今は別のブランドバッグの広告がある。
こんな時間にいるわけないじゃない。
あの子がいるのはここ。
私はスマホを立ち上げて、ゲームを開く。
小都市ポプラでの、新世界ギルドとの戦いが始まっていた。
いけない。
忘れてた。
姿隠しの魔法をかけなきゃいけなかったのに。
私はギルドチャットにログインが遅れたことを詫びた。
シャルルが喜びのスタンプを押下した。
セルバート王もほっとしたスタンプを押下して、「良し。初日はこんなもんだろう」と言って、攻撃の中断を命じた。
王立騎士団は南北西の3方向の部隊を一旦下げ、遠隔通信で作戦会議を開いた。
小都市ポプラへの攻撃で、新世界ギルドの戦力や戦術も見えてきたみたい。
小都市内の兵力は5500人。
そして東側に出陣しているのが、ビッグレイク軍2500人。
彼らの個々の兵士は、それほど練度は高くない。
各プレイヤーの私兵は、第一次の王都攻撃部隊に入ってた。
増援で都市から追加で送られた部隊が、都市に残っていた練度が高い兵士だったみたい。
だから、その残党以外は、急遽都市で徴兵された新兵みたいね。
案外弱いという感触みたい。
でも、敵の斉射は、矢に魔力が込められているみたいで、皮装備は貫通するという報告がいくつもあったみたい。
一般プレイヤーは、鉄装備は将校クラスでないと装備していないから、これには気をつけるようにとの注意があった。
私は「姿隠しの魔法を明日の攻撃に合わせてかけるので、いつ始めますか」とセルバート王に聞いた。
その時、シャルルが役員チャットで「俺たちの部隊だけにかけてくれないか?」と言った。
「全ての部隊にかけると、姿隠しの魔法をかけていることが判明してしまう」と言った。
セルバート王も、それは良い案だと言うので、そうすることにした。
東側に出陣しているビッグレイクギルドに関しては、危険すぎるので、近寄らずにその場で釘付けにするように指示が出た。
先鋒のコーベンは戦死して、それからログインが確認出来ていない。
ゲームの中の時間の流れは早い。
1時間後には翌朝になる。
私は帰宅する下り電車の中で、間違いなくシャルルの部隊に姿隠しの魔法をかけた。
そういえば、私はマイネと今日は何も話していない。
ギルドの戦闘レポートをみたら、彼は自動戦闘で戦っていた。
敵も強いし、自動戦闘は危険なんじゃないの?とも思ったけど、子供はもう寝る時間か。
私もそう思ったら、疲れが出てきた。
私はセルバート王に、マイネにも姿隠しの魔法をかけて良いか確認した。
了承が取れたので、彼にもかけておいた。
ところが、この行為が翌日問題になった。




