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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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ロマール王国の統一 << セルバート王 16 >>

 新世界ギルドのグロームは、私のサブアカウントスパイなのかと思えてしまうほど、王国チャットで新世界ギルドの気力を萎えさせるコメントをしてくれる。

「俺たち、全部失ってしまうのかな」とか、大都市に兵力残してないのを公表してくれるのもありがたい。

 リゼア王国は、最強の領主であるオーバス将軍を、私たちの援軍に送ってくれた。

 モラルード王は私たちの貸しに対して、確かにお返しをしてくれたな。


 チャードンは良い戦いをしているよ。

 王都に取り付いて、何度も攻城を仕掛け、王都内の部隊を釘付けにしている。

 王都軍をリゼア王国軍と合流させないよう時間を稼いでいる。

 新世界ギルドのリーダーの振る舞いとしては悪くない。

 だが、その努力も永遠には続かない。

 サブリーダーのグリーンは、本陣から部隊を一つずつ撤退させているが、リゼア王国軍の攻撃はかなりヒットしている。

 挟撃体制の中央部に本陣があるために、退却を目指す部隊は死地に飛び込むようなものだからな。

 6割〜7割は削られているはずだ。

 退却時に、追撃されて失う兵力もある。

 最終的には8割近い兵力を失うだろう。

 新世界ギルドに帰還できる兵力は25000人のうち約5000だ。

 大都市に籠もられたら面倒な兵力だが、現在2つの大都市は宣戦布告中で、ワープホールは使えない。

 小都市に籠るなら、今の王立騎士団の2万近い兵力なら十分に勝てる。

 各領主の町所属の私兵が、今回の王都戦にどれだけ参戦していたのか、残りどれくらいいるのかが未知数だ。

 だが、たとえまだ町に残っていたとしても、今の敵の戦意なら、使わずに死蔵する可能性もある。

 無駄に敵を煽らないでくれよ。

 私はギルドメンバーに心の中で願った。

 ふとギルドチャットを見ると、何度も何度も書き込まれる統一メッセージがあった。


 ロマール王国の統一。


 そうか、私はこれを目指していたんだ。

 ロマール王国を建国したあと、私がすべきことはこれだったのだ。

 王国第二位のギルド・新世界ギルドを滅ぼし、ロマール王国を統一すること。

 私は心の中で、それは素晴らしいスローガンに思えた。

 そう、私は心の中で心底思ったのだ。

 だが、何か思い出せないことがある。

 私には何か引っかかるものがあったのだ。

 私には、それを言葉にはしない理由が何かあったのだ。

 だが、それは私の力を超えて、ギルドメンバーによって、王国チャットへと伝えられた。

 私たち王立騎士団の正義が、新世界ギルドのメンバーを追い詰めた。

 彼らは最期の時を覚悟したと思う。


 新世界ギルドリーダー・チャードンの部隊は、遂に壊滅し、将校チャードンは戦死した。

 翌日、チャードンの接続があれからないという書き込みと嘆きが新世界ギルドのメンバーから書き込まれた。

 そのすぐ後に、チャードンはログインしたようで、王国チャットにこうメッセージを残した。


「新世界ギルドのメンバーのみんな、すいません。わいの力不足やった。引退して責任を取ります。ギルドリーダーを任せてくれたロイヤス。ギルドをこのような状況に追い込んでしまったことをお詫びします」


 そのメッセージの後に書き込む者は、その日、誰も居なかった。

 私はチャードンに勝利した。

 あとは新世界ギルドの全ての都市を奪い、新世界ギルドに対して、新世界ギルドの敗北と滅亡を伝えるだけだ。


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