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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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宣戦布告! << フェアリー 16 >>

「準備は出来た」


 セルバート王が新世界ギルドのチャードンに、王国チャットで連絡を入れていた。

 本当に王都を引き渡すのかな。

 私も中央ギルド、島ギルド、ビッグレイクギルドとの3つの戦いで全敗したことはさすがにショックだったし、ザラさんが戦死したことも、そしてそれ以降、一切ログインがないことも気になってはいた。

 私たちは負けちゃったのかな。

 王都の輪番制で新世界ギルドに引き渡したあとに、再び私たちが王国政権に戻れる保証はない。

 新世界ギルドのグループには、ビッグレイクギルド、島ギルド、山賊ギルドがある。

 王立騎士団のグループと比較しても、引けを取らない。

 もし新世界ギルドが第一ギルドと手を結んでいたら、私たちは戦力的に不利だと思うし。


「寒いよう」


 マイネがギルドチャットで、またゲームの世界に入り込んだコメントをした。

 確かに私たちは雪の降る地域に部隊を移動した。

 ゲーム画面のグラフィックは白くなり、雪が降る様子が描かれている。

 私はTカップの絵文字を つ☕ をつで渡した。

 ギルドチャットにもシンシンと雪が降っているように、私たちのコメントの後には何も続かない。

 ギルドの行軍履歴に、セルバート王の指示で動く部隊が、一つまた一つと、システム上で流れている。

 私たち王立騎士団の後には、商人ギルドの部隊がワープホールを通過して入って来ていた。

 それから私たちは二手に分かれて雪の中を歩き始めた。

 北方へは王立騎士団の部隊が、南方へは商人ギルドと西の強国の部隊が進んだ。


「セルバート王。ずいぶん派手に負けたようだな。王妃まで死なせるとは。だが安心しろ。王国の平和と繁栄は、今後は新世界ギルドが担う」


 チャードンがコメントしたことで、王都西方の丘陵地帯に新世界ギルドの軍団が川を渡って上陸した。

 到着。

 進軍。

 上陸。

 新世界ギルドのメンバーが王国チャットにコメントを次々と書き加えては流れていく。

 王都に何体もの偵察部隊が向かうのが見える。


「1500人ほどの兵力が残っているようだが、始めさせてもらうで」とチャードンが王国チャットに書き込み、宣戦布告した。

 新世界ギルドの部隊が、次々と王都の包囲に動いているのが見えた。


 その数分後、「来たよ」とイザベラさんが、連合軍チャットに書き込んだ。

 それと同時に、王都東側の丘陵地帯に、商人ギルドの部隊がいくつも上陸した。

 そしてそのまま全速力で王都へ向かっていく。

 この動きは、チャードンも気づいたようだった。


「セルバート王。どういうつもりや?王立騎士団の兵力は使わなくても、商人ギルドの兵力で王都を防衛するつもりか?それならこっちも対応させてもらうで」


 チャードンはそう言って、ワープホールをギルドメンバーに作るように指示した。

 おそらく新世界ギルドが保有する各都市からの応援部隊が、次々に丘陵地帯に現れ、王都の包囲に向かって行くのが確認できた。

 それまで、ゆっくりと歩いていた私たちでしたが、先頭を行くマリスがギルドチャットで、ギルドメンバーに指示をした。


「行軍の速度を早めよ!我らの命運は、この一戦にある!」


 何?

 内政官のマリスがなぜ軍団に指示を出す?

 私は念のために、セルバート王に「マリスがなんか言ってるけど、いいの?」と個人メールをした。

 セルバート王からOKのスタンプが来たけれども、私はよくわからない。

 話を聞いていないのは、私たちだけではないみたいで、ギルドチャットでは「何?何が起きているの?」という書き込みが見られた。

 ちょっとしたパニックになってきた。

 外務大臣のシンシアが、ここで「冷静になって」とギルドチャットに書き込みをした。

「王国チャットで確認するから」と続けて書き込みをした。


「チャードン。なぜ王都に宣戦布告したの?なぜ王都に行軍しているの?」


 それは誰もが知りたいことだった。

 空気、雰囲気というものは、ゲームのチャットでもわかるときがある。

 この時は本当に、王国中の人がシンシアの問いかけに共感していたし、チャードンの返答を聞きたいと思っていたと思う。


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