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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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ザラの死を伝える << セルバート王 14 >>

 ザラが死んだ。

 その報告を聞いたとき、私はなぜザラを前線に出したのか考え込んだ。

 王妃だぞ。

 国王である私自身が後方で陣を構えているのに、なぜ王妃が前線に出て戦死するのだ。

 ザラは数少ない空軍保有者だが、中央ギルドの小都市アルンの攻略など、今回の戦いでは大した意味などない戦線だったはずだ。

 王国チャットの戦死の報を、ゴールネスやイザベラはどう見るか。

 私は何をやっているのだ。

 作戦は始まっている。

 私はザラの死を、私の言葉で連合軍に、そしてギルドメンバーに伝えねばならない。

 どうやって伝えればいいんだ?

 私のこの大失態を、どう伝えればいいんだ?


 そうだ。

 私はザラと最後に話した。

 そのことをいうのだ。

 ザラはこんな愚かな私のために、最後の言葉を残してくれたのだ。


 私はザラの最後の言葉を、ギルドチャットと連合軍チャットに伝えた。


 みんな、ザラからの、最後の言葉だ。



 これは戦争ゲームです。

 戦いでは戦死することもあります。

 でもこれはゲームです。

 戦死しても、私たちはゲームの外では何も失いません。

 でももし、ゲームの外で自分を失ったらどうでしょう?


 私はこの世界に命を残したい。

 皆さんと過ごした時間を残したい。

 楽しい時間をありがとう。


 私は皆さんと過ごした時間を抱いて、この世界に命を宿します。

 私を仕留めに来た兵士に、最後の魔法をかけるでしょう。

 最後まで全力で戦いなさい。



 シャルルが「わからない」と言った。

 「ザラはもういないのか?」と聞いた。


 私は「心配ない。彼女が古い王国に複数のアカウントがあることを聞いたことがある人はいるだろう。この王国のザラには会えないが、またどこかで会える」と嘘をついた。

 多分、彼女はもういない。


 シャルル以外、誰もチャットでは喋らない。

 何が起きているのかわからないのだろう。


 ああ、ザラ。

 戻ってきてくれ。

 私と共に、この王国にいつまでもいてもらえないだろうか?

 彼らに何を話せば良いのだろうか?


 ギルドメンバーのみんな。

 作戦は継続中だ。

 そしてこれからが本番だ。

 ザラも見ているだろう。

 気落ちしている姿なんか見せるなよ。

 ザラに勝利の花束を渡すぞ。


 ギルドメンバーの誰かが、「OK」とメッセージとスタンプを残した。

 また一人、また一人と。

 了解。

 同意。

 そんなコメントに続いて、行軍のスタンプや戦いのスタンプが続いた。


 そうだ。

 みんな先に行ってしまうのだ。

 案外、私やシャルルのような者だけが、ここに留まり続けてしまうのかも知れない。


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