王立騎士団 VS 中央ギルド << マール 50 >>
私とドノフはガルナス王国遠征で居着いてくれた傭兵団を伴って、ワープホールを潜り、小都市アルンの都庁へたどり着いた。
正直言って、2万近い王立騎士団に対して、小都市アルンの2000人の兵士に、私たちの500人の兵士が加わったところで、どれだけの力になれるかわからない。
でもこういう時って、戦意がとても大切だから、私は「1000人の兵力を伴ってきました。早速、都市内を視察して状況を確認したいです。案内していただけますか?」とこちらの兵力を確認する間を与えないようにしました。
案の定、ブレイクナイトさんは「助かる!1000人くれば、1.5倍の戦力になる。今、外では戦いが継続している。流れ矢には気をつけてください」と言って、私を見晴らしの良い監視塔に案内してくれました。
「すごい」
私は王立騎士団の攻撃に、まず目を見張りました。
グリフォンに乗った一団が、城壁をものともせずに、急降下して城内を撹乱していたり、雲に乗った一団がこれも上空から矢の雨を降らせていたり、王立騎士団にとって、城壁など意味がないように思われました。
しかし、ブレイクナイトの兵団もこれに負けじと応戦しています。
敵が空から来ることに対して、何ら臆していない。
ギルドに一人で立ち向かった、勇猛果敢な昔のブレイクナイトは、今も健在でした。
私たちは監視塔で戦況を確認しながらも、グリフォン部隊に矢を放ち続けました。
グリフォンは上手に旋回し、私たちの矢を交わし続けました。
良く訓練されている部隊でした。
ガルナス王国遠征時の王立騎士団の部隊は、新兵ばかりでした。
そしてその戦いは敗戦でしたので、今来ている部隊もほとんど新兵のはずです。
でも空軍だけは、領主直属の私兵だと思いますので、強いのだと思います。
あっ?!
雲に乗った部隊の誰かが、負傷したようでした。
その一団は、急降下しています。
小都市内での戦闘になります。
私はそこを指さし、ブレイクナイトに言いました。
「ブレイクナイトさん。私たちは現場に行って戦います。戦いが落ち着いたら、また会いましょう」
私はドノフの部隊と共に、王立騎士団の一部隊が急降下した場所に向けて駆け出しました。
私の情報と目撃が誤りでなければ、射抜いたのは、ブレイクナイト家の名将・ハンニバル。
神出鬼没の戦いを得意としていて、幼い頃から軍務に就いていたこともあり、基礎的な戦闘能力も最強クラスの名将と言われています。
そして射られたのは、王立騎士団の副将、ロマール王国の国王の后・ザラ。
その首を取れば、最高の栄誉になるでしょう。
私は体中から、吹き出る殺意を隠しきれませんでした。
ドノフが私から遠ざかったのもわかります。
今の私は、全身が殺意に満ちた剣先になっているからです。




