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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ロマール王国大戦

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懲罰ギルド VS 島ギルド&ビッグレイクギルド << マイノス 32 >>

 私はリヴァイアサンが海に帰るのを、呆然と見ていた。

 あの船団は、間違いなくナオ級5隻以上あった。

 商人ギルドの兵力の全てを奪ったわけではないが、海上戦力のほぼ全てを奪ったと思う。

 後発だが、海洋ギルドの私たちでさえ、ナオ船は2隻しか保有していない。

 これで当分は、私たちの拠点は、海からの攻撃は受けないだろう。

 否、まだだ。

 もう一つ敵がいる。

 今、島ギルドを攻撃している懲罰ギルドだ。

 私は我に返り、自分の部隊を率いて、島ギルド拠点とのワープホールに向かった。

 ワープホールを前にして、彼らがまだこちらに避難していないことと、ワープホールがまだあることからも、島ギルド拠点は守りきれているのだと、少し安堵してワープホールを潜った。


 ギルド拠点の司令室には、スターネイムとベスレアが詰めていて、重苦しい雰囲気があった。

「状況はどうだ?」と私が聞いたところ、スターネイムが「このギルド拠点への攻撃は、すぐ終わりました。私たちがギルド拠点に部隊を集めて籠城を始めたことに気づいたからだと思います。マイノスさんの見立て通り、懲罰ギルドは攻城兵器を2機しか持っていません。それでもこのギルド拠点は、現実時間で1日あれば陥落するでしょう。そしてそれから村を攻撃する可能性もありました。でも彼らはそれをしませんでした。彼らは今、島の方にいます。ギルド拠点の勢力外になる場所で攻撃を始めています。まだ懲罰ギルドの部隊が海を渡り切っていないので、ギルド拠点に部隊を残していますが、懲罰ギルドのすべての部隊が渡航を始めたら、島から呼び寄せた部隊はすべて帰還させます。またこちらに向かってくれば、その時は再度招集かけます」と答えた。

 私は「ありがとう、良い指揮だ」とねぎらったあと、島ギルドのリーダーをしているレノフはどうしているか聞いた。

 島ギルドはドノフのサブプレイヤーであるレノフをリーダーにして、スターネイム2がサブリーダーをしていた。

 ドノフ自身は小都市アルンに援軍に行かせたが、彼は島ギルドのリーダーをサブプレイヤーで行っているので、その確認もしておきますと私に言っていたからだ。


 その時、ドノフから急な連絡があった。


「ボス、大変申し訳ありません。今、レノフの城に入ったのですが、ボスの城が攻撃されています。ボスの町は籠城状態になっていますが、懲罰ギルドの総攻撃を受けていて、何度も陥落しています。30近くあった町レベルが、今では15です!私の全軍を救援に派遣しましたが、私の力では守りきれません!」


 私は「ええっ!!!」と驚愕のコメントを入れたあと、すぐにクルーズの城に入った。

 クルーズは将校で、マールの父だが、長い間、採集部隊として活躍させていた。

 能力値が安定して高いので、私は植民時にこのクルーズを島の町の領主に任命して遊ぶことにしていた。

 クルーズのアカウントに入って驚いた。

 レベル29の町がレベル11の村になっていた。

 ドノフの報告からすでに4減っている。

 重度の攻撃で城塞値がなくなってしまったから、形式だけの籠城になっているんだ。。

 このままだと廃墟にされてしまう。

 戦闘レポートを見ると、レノフの部隊はすでに二度、この私の町に救援に来ていて、二度とも敗退して帰還している。

 私の将校で死んだ者はいないようだが、蓄積していた兵士は毎回自動編成されていて、残りは少ない。

 これはまずい。


 私は魔力が尽きているので、急いで最も高価な100$の課金パックに課金をして、魔力を完全回復させた。

 この完全回復とはゲームの最大値の完全回復で、私の最大値を超える。

 リヴァイアサンを召喚して、懲罰ギルドの全てを海に沈める。

 リヴァイアサンの攻撃範囲を見ると、かなり広い。

 大陸側から島への海路の半分くらいまでは一度に攻撃できる。

 私はここで今日二度目のリヴァイアサンを召喚して、懲罰ギルドの半数を沈めた。

 そして更に100$の課金をして、東の島の近くの海上にいた懲罰ギルド船団を、再度リヴァイアサンを召喚して沈めた。

 これで懲罰ギルドの奴らは絶望するはずだ。

 残りは接岸している船団と、上陸した部隊が数部隊だ。

 現に、懲罰ギルドのサブリーダーであるロンドモーレはすでに上陸済みだったが、ワープホールを作成して周囲のプレイヤーに撤退を指示しているのが王国チャットからも把握できた。


 だが、懲罰ギルドリーダーのイザベラは違った。

 彼女は「リヴァイアサンは接岸船団や上陸部隊には何もできない。攻撃を継続しろ」と王国チャットにも訂正指示を出していた。

 ワープホールで撤退したのは、ロンドモーレの部隊だけだった。

 彼女は二度に渡る、私のリヴァイアサンの召喚を見定めていた。

 攻撃範囲とその効果を。

 そうなのだ。

 上陸地や接岸地を攻撃範囲にすると、私たちの町や村も攻撃範囲になりかねず、破壊してしまう恐れがあったのだ。

 リヴァイアサンの攻撃範囲は、一マスづつ決められるものではなかったので、接岸部も外さなければならなかったのだ。


 上陸部隊は私の部隊で直接破壊しなければならない。

 私はこの日三度目の課金で100$パックを買い、魔力を回復させた。

 そしてギルド拠点から、クルーズのいる町でワープホールを作り、部隊を移送した。

 まずは敵部隊を減らさねばならない。

 攻撃を受けるたびに、村レベルが下がるのは防がなくてはならない。

 そう思ったが、私が村に入った時点で、自動戦闘が発生した。

 周囲を囲まれての戦闘だったが、籠城形態なので、側面や背面攻撃や、一斉攻撃は受けずに済んだ。

 私は一戦してすぐに、ブラックナイトの召喚魔法を発動して、二戦目からはブラックナイトの力で、極めて少ない損害で敵部隊を葬った。

 ところが、私の村レベルは更に下がり続けた。

 もうレベル9だ。

 なぜだ?

 私は泣きそうになった。


 ビッグレイクギルドに主力将校を移籍させているとはいえ、まだまだ発展途上なので、私の戦力のほとんどはこの島ギルドの町が持っていた。

 それが今はレベル9の村だ。

 私は戦闘レポートを確認することにした。

 なぜ、敗戦がないのに村レベルが下がり続けるのだ!

 ふと、戦闘レポートを見ると、引き分けがある。

 そのレポートの詳細を見ると、引き分けなのだが、村レベルが減少している。

 私は原因がわかった。

 遠距離攻撃だったのだ。

 村の城壁と屋敷の城壁は少しずつ自然回復するのだが、これが連続攻撃でゼロになった時に遠距離攻撃を受けると、駐城部隊がいて引き分け判定でも、村レベルが下がってしまうのだ。

 私は慌てずに、周囲の索敵を、城内部隊を使って、念入りに行なった。

 接岸部隊3隻、上陸部隊3部隊。

 私はこれらを一つ一つ自分の本体部隊で攻撃し、壊滅させた。

 残っていたのは、遠距離攻撃部隊だったので、私の部隊を村から出しても、もう問題はなかった。

 イザベラ含め、遠距離攻撃をしていた懲罰ギルドの部隊は、私の攻撃に何一つ対処することなく、村への遠距離攻撃を続けた。

 イザベラの部隊も壊滅させたが、彼女は敗北感などなかっただろう。

 あったのは、私の村を7レベルまで下げたという達成感だろう。

 7レベルとは、慣れればゲーム開始から1日以内で到達出来るレベルだ。

 また彼女自身は不死の鎧を身に着けていたので、その損失だけで、戦死を逃れることが出来たようだった。


「あと少しで廃墟に出来た。クッソ!」とイザベラは王国チャットでコメントしたあとに、爆笑のスタンプを押した。

 イケダという懲罰ギルドの役員が、「マイノスさん、あなたの村はレベル7ですが、今、どんな気分ですか?」とコメントした後に、いやらしい顔のスタンプを押した。

 私は親ギルドのリーダーであり、これは称えられるべき犠牲だと自分に言い聞かせた。

 そしてこの気持ちを後押しするように、ドノフが王国チャットでコメントした。


「ボスの村が弱くなっても、わしらはデータで強さを測っとるわけではない。ボスは益々、わしらのボスに相応しい男になった。ところで、あんたらの仲間の多くは海に沈んだようだぞ。商人ギルドの船団も壊滅したようだ。敵対者の気持ちを知る前に、グループ内の仲間の気持ちを知ったらどうだ?」


 ドノフをサブリーダーにして本当に良かったと、私は彼に感謝した。

 王国チャットはそれから少し静かになったが、戦いはまだ終わっていなかった。

 ブレイクナイトのいる小都市アルンの戦況を確認する必要があった。

 私はドノフにどうなっているか、個人メールをした。

 そして、この懲罰ギルドとの戦いも、まだ終結ではなかった。


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