商人ギルド VS ビッグレイクギルド << マイノス >>
これは何らかの法則なのか。。
せっかくギルド運営が軌道に乗りかけてきたところで、何でこのタイミングで、私たちを滅ぼすための侵攻が始まるのだ。。
私たちは都市を保持していないので、ギルド間戦争禁止の王国規則範囲外にある。
私たちのギルドは、いつでも破壊されて良いギルドなのだ。
だから私たちはこの状況を打開するために、マールをガルナス王国に派遣し、王立騎士団との和解を模索した。
そして新世界ギルドのチャードンさんを通して、都市保有を要請したはずだ。
それはどうなったのか。
私は新世界ギルドのチャードンさんに速攻連絡した。
後から思うと情けないのだが、連合軍チャットでもチャードンさんとコンタクト取りたいと必死の書込みをしてしまった。
チャードンさんはすぐに対応してくれた。
「王立騎士団には、ガルナス王国との停戦をやりきる代わりに、2つの取引を持ちかけたんや。一つは王都支配の輪番や。1か月交代でな。もう一つは都市の割り当ての変更や。わいらの小都市シエラを西の強国ギルドに与え、西の強国ギルドの小都市ランタンをビッグレイクギルドに割り当ててやと言ったんや。これを向こうは認めたんやが、昨日、急遽連絡が来て、西の強国ギルドから町を移設するのは不可能で、敵対ギルドだったビッグレイクギルドに町を脅かされるから、都市の交換は受けれられないちゅう連絡が来たんや。その上、小都市シエラをビッグレイクギルドに渡すことも認められん言うてきたんや。わいらとしては、都市交換に関しては西の強国ギルドの言い分関してはもっともやと考え、わいらが政権になったときに、わいらのルールで小都市シエラをビッグレイクギルドに渡せばええかと思っていたんや。だからその前に攻撃してきたんかも知れんな」
「これはビッグレイクギルドだけの問題ではないかも知れませんよ。都市持ちのブレイクナイトからも、私たちに救援要請が来ている」
「輪番の話を詰めたのは最近だが、交代日はもうすぐや。ご指摘の通り、臨戦態勢で政権交代の準備はしとくで、ビッグレイクもそれまで持ちこたえてや」
「これから、島ギルドと中央ギルドに状況を聞きます。一緒に聞いていてください」
私は中央ギルドと島ギルドの2つのグループチャットを立ち上げ、どちらにもチャードンさんとグリーンさんを招待した。
まず、私は島ギルドの方から対応した。
連絡をくれたのは、スターネイムだ。
「マイノスさん、ギルド拠点で懲罰ギルドの進軍を発見しました。今、ギルド拠点に島から部隊を自動招集で集めています。至急、援軍をお願いします」
「スターネイム。部隊を集めてもすぐに迎撃に使わないで。ギルド拠点を維持するだけで、周囲の町の防衛力にバフがつく。実は、援軍要請が他にも来てて、中央ギルドからなんだけど、そこを突破されると、ビッグレイクに来ると思われる。それだけではなくて、中央ギルドには王立騎士団が侵攻していて、島ギルドには懲罰ギルドが侵攻しているとなると、商人ギルドはここに向かっている可能性高い。これに対処したあとでの救援になる。時間を稼ぐ必要ある。戦力は出来るだけ温存して欲しい」
「わかりました。島ギルド全体に、籠城の指示出します」
「あなたの言う通り、ギルド対応を許可している町には、ギルド拠点から籠城の指示が出来る。ログインしていない人もいるだろうし、ここはギルド指示を行っても良いかも知れない。ただし、その場合、ギルド拠点に詰めていたり、向かっている部隊は、全て籠城する町に帰ってしまう。つまりギルドの籠城指示を受け入れない町の部隊だけで、ギルド拠点を守ることになる」
「どっちが良いですかね。個々の町を守るのを優先するか、ギルド拠点を優先して守って、より広くギルドメンバーの町を守るか」
「懲罰ギルドは後発のギルドなので、週末の戦争イベントの報酬をあまり獲得していない。攻城兵器はほとんど持っていないはずだ。個人で買うにはとても高価だから、持っていないだろう。攻城兵器が乏しければ、個々の村を一つずつすべて破壊することなど出来ない。大陸側にある町を守れば、補給路の問題で、懲罰ギルドが島に居着くことも防げるはずだ。ギルド拠点を維持して、大陸側にある町の保護を優先した方がいいかもね」
「わかりました。いくつかの町が壊されるのは諦めるしかないですね。責任あるなぁ」
「仕方ない。これが今の私たちの出来る限度だよ」
私は島ギルドへの対応指示を終え、今度は中央ギルドのグループチャットに話しかけた。
「王立騎士団から攻められているというのは、どういうことですか。都市を保有するギルドは内戦禁止の王国規則があったはずです」
「マイノス!連絡応じてくれて嬉しいよ。助けてもらえる義理ではないことはわかってる。王立騎士団の奴らは、俺を目の敵にしてるんだよ。ガルナス王国遠征に部隊ださねえから都市を接収するだの言い出しやがって。遠征の連絡すらなかったんだから。接収を断ったら、では通過だけさせてもらうとか言って、城壁に張り付いたから応戦を開始したところだ。だがこっちは2000人ほどしかない。敵は2万人近くいる。俺たちが滅んだら、間違いなく次はそっちに行くぞ。戦うなら、ここだろう!」
「わかった。うちのサブリーダーのドノフに行ってもらう。私の将校の部隊も一部隊送る」
「助かるよ。うちは王立騎士団から攻撃されることを前提に準備してきたから、簡単には落ちないはずだ。助けがあれば、簡単には落城しないはずだ」
「うちのサブリーダーを死なすわけにはいかない。ワープホールは残しておいて欲しい。最後はそれで、あなたもこちらに避難してください。小都市アルンから、ここまでの経路には、罠を仕掛けるようにします。それでこちらに進軍してくるまで時間を稼ぎます。こちらに避難したあと、ワープホールの穴さえ塞いでくれれば、戦う準備こちらも出来るはずだ。それは時間の問題だからだ」
「俺はここでゲームを終えるつもりだ。援軍は逃がすことを約束する。とにかく来てくれ。今は支援が欲しい」
「ドノフ。マールと共に、行ってもらえるかい?」
「ボス。ここが正念場です。喜んでいきます。島ギルドの方も、私のレノフがリーダーですので、確認しておきます」
「良し。チャードンさん、グリーンさん。現状はこんな感じだ。おそらく、これから商人ギルドがここに攻めて来る。王都を獲得したら、我々に都市をお願いします。それまで持ちこたえます」
「わかった。政権交代時に戦闘が発生しても対応できるよう準備しておくわ」
私はドノフとマールの部隊をワープホールを作って送り出し、またベスレアは島ギルドのギルド拠点へとワープホールで送り出した。
ベスレアは後からギルドに加わったので、島ギルドの町は島にはなく、ギルド拠点の近くにあったので、防衛に行かせた。
そしてロボシンクやメイチェスらには、小都市アルンからこの湖までに経路に、いくつもの行軍を妨げる罠を作るように指示をした。
そして私はほとんど誰もいなくなったギルド拠点から、ぎりぎりギルド拠点の勢力範囲となる山裾に向かって、馬を走らせた。
ワープホールをすでに2つ作っているので、魔力を使わずに目的地に行く必要があった。
その山裾は、海が見える場所だった。
ギルド拠点の範囲から、海が見える必要がる。
私が作った建造物は魔力を貯める、リヴァイアサンの像だ。
私は魔法の習得を進め、海洋系では最高クラスと思われるリヴァイアサンの召喚を覚えた。
しかしこれは莫大な魔力を必要とする。
私個人の魔力を超える魔力が必要だったのだ。
私はこの問題を解決するために、魔力を貯蓄する器を作ることにした。
それがリヴァイアサンの像だ。
まだ実際にリヴァイアサンの召喚で試したことはないが、出来るはずだ。
それ以下の魔法で、リヴァイアサンの像から魔力を抽出することは出来たからだ。
そしてもう一つ。
海がある場所でしか召喚できない。
ギルド拠点の範囲内で、海が見える場所が必要だった。
これは運が良く、その場所があり、そこがこの山裾だった。
私は目を凝らした。
やはり来た。
ここからだと、ナオ船らしきものが5隻は見える。
大船団だ。
あれは島ギルドの旗でも、ビッグレイクの旗でもない。
私たちの船の旗は、同じものを作られても誤認しないように、仲間が確認するまで逆さに吊るし、確認したら正しく吊るすことにしているからだ。
そしてその船の周りでは、水龍が船団を守るように渦を巻いてこちらに先導している。
話には聞いている。
ベラトリクスがいる。
私は「出でよ、リヴァイアサン!」と、海とリヴァイアサンの像に向けて手を広げ、その魔力のすべてを解放した。
そして、私の召喚は成功した。
船団の前方で、どこまでもどこまでも上空に向けて伸び上がる龍は、高さ1キロに及ぶものだった。
それはそのまま水の壁となり、船団に向けて落下した。
「ロマール王国イチの絶世の美女ベラトリクス。一撃にて、ロマール湾に沈む」
私はニヤリとして呟いたら、何とリヴァイアサンは私に話しかけてきた。
「彼女はワープホールを作って、船員の一部と共に避難に成功した。本国側でも万が一に備え、準備していたのだろう。船団を沈めるただ契約だったので、逃げる時間を与えてしまったようだ。もし次に敵を仕留めたい時は、そう言ってくれ。丸飲みしてやろう。私の魔力に満ちた体内では、ワープホールは作れない」
リヴァイアサンの声は、私の頭にズウン!と来た。
「また、我が活力となる魔力を貯めるのだ。次に会う時を楽しみにしている」




