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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ガルナス王国遠征

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前夜祭 << マール >>

 マイノスさんの村に帰ったとき、二人の女性が私を迎えてくれたことに、とても驚きました。

 ミナコとローラ。

 私の留守の間に、マイノスさんによる、まさかの仕打ち。。

 私はビッグレイクギルドが都市を持てるように、そしてロマール王国を守るために、命がけの遠征に行ってきたというのに。

 一人は28歳の妙齢の美女。

 もう一人は14歳の美少女。

 マイノスさんは、二人とも軍事スキルがあり、新しい村の将校が不足しているので雇用したという。


(14歳の美少女に軍事スキルなんてあるかーーー!!!)


 私はガルナス王国遠征でも感じなかったほどの、怒りと闘志が湧き上がっているのを感じましたが、何かの誤解があってはいけないので、マイノスさんに二人の雇用の経緯を聞きました。

 マイノスさんは、さらっと「村で募集をかけただけだ。ミナコは兵士募集に来たところ、たまたま将校の募集を見かけたので応募してくれたらしく、傭兵経験があるようだ」と言い、ローラに関しては、「親に捨てられた孤児を引き取ってきた」とのこと。

 その時のマイノスさんの話しっぷりが、いかにもな、しらばっくれだったので、私は失笑の後、思わず舌打ちして、「軍事スキルの理由なんて後付けですよね?」と聞きそうになりましたが、旅の疲れもあり、その日は食事も取らずに休ませてもらいました。

 何も食べたくないのです。


 なんでこんなことになっているんだろう。

 私がガルナス王国に遠征したいって言ったから?

 将校は確かに不足していた。

 二人雇うのは問題ない。

 でもなんで女性なの?

 たまたま今までの将校が男ばかりだっただけ?

 私はマイノスさんの話している顔を思い出した。

 違う。

 あのしらばっくれっぷり。

 マイノスさんは、私に後ろめたい気持ちがあった。

 私は何がいけなかったんだろう。


 私は部屋のドアに鍵をかけ、防具を身体から外し、床にへたり込んだ。

 こんなとき、私を慰められるのは私だけだ。




 翌朝、私は枕をいつまでも濡らしているわけにもいかず、食堂に出向いた。

 食事はミナコさんが作っていました。

 私とマイノスさんの二人だけの共同作業は、もうそこにはなかった。

「おはようございます!」ローラの元気な声が、頭に痛い。

「おはようございます」ミナコの声を聞いたとき、「ああ、こういう声ね(マイノスさんの好みなのね)」と気持ちが沈んだ。

「おはようございます」マイノスの声を聞いたとき、「何?ございますって?」と私はついに呟いてしまいました。

 雷神の剣が、私の喉から飛び出たようでした。

 ミナコはさすがに察したと思うし、ローラも少女とはいえ、わかったと思います。

 わかってない振りをするのは、マイノスさんだけです。


「遠征疲れただろう。新世界ギルドのグリーンさんから、マール、あなたの活躍は聞きました。チャードンさんからも、ビッグレイクギルドの都市獲得に向けて、王立騎士団と交渉を始めたと連絡を受けた。大手柄だ。しばらくゆっくり休んでくれ。といっても、明日ちょっとしたイベントがあるんだ。ぜひマールにも見てもらいたい」


「わかりました」私は何か諦めの気持ちもあり、並べられた食事を皆さんと一緒に頂きました。

 静かな食卓です。

 4人でいる必要あるかしら?

 私は一人でそんなことを考えながら、黙々と食べました。

 食べれば食べるほど、食欲が増すというか、お腹が減りました。


「物足りなさそうだな」


 マイノスさんが私に気遣ってくれたのは嬉しいです。


「はい。昨日食べなかったので、少し物足りないです。パンをもう少し頂いて良いですか」


 私は何でも良いので腹の膨れるものが欲しかったので、貯蔵庫に行こうとしたら、マイノスさんが自分のパンを私にくれました。

 貯蔵庫に・・・と言おうとした時、マイノスさんが村作りの予算の配分を間違えて、食料が不足気味になっていることを告白しました。

「明日のイベントが終われば、大きな配給の必要はなくなる。それまで少しだけ我慢してくれ」と言いました。

 私一人がパンを少し多く食べたって、村の食料に影響などないと思うけど、マイノスさんはそういうところは堅いというか、真面目です。

「はい、大丈夫です。ごちそうさまでした」と私は答え、先に食器を片付けました。


「皆さんは、今日はどうされるのですか?」私は落ち込んでいても仕方ないので、3人の予定を聞きました。

 ローラが最初に「軍事訓練を午前中、ミナコさんとやって、午後は菜園のお手入れをします」と答え、ミナコさんも「はい。私も午前中はローラさんと一緒に軍事訓練して、午後は私は服飾屋に行きます」と教えてくれました。

 マイノスさんは、明日の準備と連絡があるようで、私はゆっくり休むように言われましたが、せっかくなので新しい村を見て回ることにしました。



 私たちの村は、湖が見渡せる丘の上にありました。

 ここからは海までは見えませんでしたが、南方の山岳の向こうには海があります。

 私たちの村の東側には、ギルド拠点があります。

 ギルド拠点には、ギルドメンバーが防衛隊を配置して、この湖の村々が襲われたときに、迎撃に行きます。

 私たちの村というのは、この丘の上にある村が全てではなくて、隣のギルド拠点にも、また丘の麓にはサブリーダーのドノフの村にも、私たちの村の勢力圏があります。

 私たちの村を拠点とする人たちが、他の地でも商売をしたり支店を持っているからです。

 マイノスさんはこれをGDPとGNPの違いとして、私に教えてくれました。

 私たちの村そのものの発展はGDP、私たちの村を拠点とする人たちの収益力全体がGNPとして、私に教えてくれました。

 私たちは自分たちの村を発展させるために、他のギルドメンバーに私たちの村に出張所を作ってもらい、また私たちが他のメンバーの村に出張所を作ることで、相互に交流して利益を拡大していくのだと言います。

 そういう意味で、私たちの村は、この広い湖全体に点在する仲間の村の出張所も含めた部分が、私たちの村になっているのです。


 今日はマイノスさんは隣のギルド拠点にいます。

 明日、建造物のセレモニーをすると言っていたっけ。

 私は丘の上から、湖の方をずっと見ていました。

 いくつもの交易船がゆったりと進んでいます。

 マイノスさんは、その夜景はとても素晴らしいものだよと教えてくれました。

 まだ日が暮れるには時間があるし、少し休もうと、芝の上にゴロンとなって、空を眺めました。

 雲が流れています。


 ふと、山の方から流れる雲に逆らうように、南の山脈に向かって何かが飛んでいます。

 私は剣に手をかけ、起き上がり、山の方を見つめました。

 魔物だ。


 王立騎士団が遭遇した30mを超える巨体のドラゴンとかではない。

 それよりはずっと小さいけれど、それでも人体などよりは遥かに大きい怪鳥。

 あの山に魔物の巣があるかも知れない。

 これは伝えないとと馬に騎乗し、私はギルド拠点に向けて駆け出した。


 ギルド拠点では前夜祭が始まっていた。

 といっても、ドノフが作業に飽きてしまって、周りの人達に酒を勧めて自分も飲んでいるだけだけど。

 彼は本当に素晴らしい人だと思う。

 彼がいなかったら、このギルドは堅苦しくて息苦しいギルドになっているでしょう。

 でもマイノスさんも、彼をサブリーダーにしているということは、ドノフの相性がこのギルドに良いことも認めているのかな。

 私はマイノスさんを探し出し、山の方に魔物の巣があるかもしれないことを伝えました。

 マイノスさんは私の話を聞いたら、急に作業を止め、今すぐ対策が必要かどうかを私に尋ねました。

 私は「緊急性はないと思います。群れで飛行していたわけではありません」と伝え、準備は進んでいますかと尋ねました。

 マイノスさんは、「順調だ。もう完成している。今は布で隠しているが、見るかい?」と言ってくれたのですが、私はまだひっかかりがあり、「いえ。明日の楽しみにしておきます」と言いました。

「まぁ、見ても面白いものではない」とマイノスさんは笑って言いまして、「ギルド拠点の物見台に行こう」と誘ってくれました。

 日は暮れ始めていて、西の山脈に沈もうとしていました。

 湖では、交易船が灯りを灯し始めていました。

 それは、私が生まれてきて見た景色の中で、最も美しいものでした。

 ギルドメンバーも作業の手を止めて、誰もがその光景を眺めました。

 私たちはここに来て正解でした。

 私はそのことをマイノスさんに伝えたら、マールが遠征している間、大きな問題に取り組んでいたことを私に教えてくれました。

 人口の問題。

 食料が不足していたいうのも、その問題の一つだったようです。

 それと、マイノスさんは私の目をちらっと見て言いました。

「ミナコとローラのことだ。あなたを失望させたことは、あなたを見てわかった。私たちだけの暮らしも楽しいものだった。マール。私はこのビッグレイクギルドを大きくしたいんだ。今までの男所帯の私の暮らしだと、あなたの言葉使いや仕草も、どうしてもがさつな男のようになる。大きなギルドのリーダーや将校はもっと丁寧で、礼儀正しくあった方が、新規のメンバーも接しやすいと思うのだよ。内輪で固まるギルドでは成長がない。誰からも接してもらえる、スマートさも私たちは身につけるべきだとは思わないか?」と、マイノスさんは私に言いました。

 私はマイノスさんの目をしっかり見ていました。

「わかりました。私も淑女になります」と、ドレスで挨拶する仕草を見せました。

 マイノスさんはほっとしたような笑顔を見せてくれたので、私も笑顔を返しました。

 そういうことにしておきます。


 そしてその時、私たちのところに、2つの遠隔通信の魔法が入りました。

 一つは、島ギルドの私のお父さんと、スターネイムさんの町の町長から。

 もう一つは、何とかつて戦ったこともある、ブレイクナイトから。

 言っていることは、どちらも同じでした。

 島ギルドの方からは、懲罰ギルドが侵攻してきたという報告。

 ブレイクナイトから、王立騎士団が攻撃してきた、救援を求むという要請でした。

 つまり、王立騎士団グループが、私たちや近隣のギルドに攻撃を開始したということです。

 私はマイノスさんに、チャードンさんに連絡をとって、王立騎士団との交渉がどうなっているのか確認するよう求めました。

 王国評議会では、都市を持つギルド間の戦争は禁止されていたはず。

 チャードンさんは、私たちが都市を得られるように交渉していたはず。

 でも、ブレイクナイトの都市が攻撃されているなら、そんな王国規則は守られていない。

 私がつぶやくと、マイノスさんは,遠隔通信の魔法をかけ、チャードンさんに話しかけました。



























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