クラリス先生の退職 << マイネ >>
軍馬はセルバート王の町にたどり着くまで、かなり苦労した。
片目の視力を失うということが、これほど大変なことだとは。
僕は自分の視力を本当に大切にしないといけない。
軍馬を牧場に返してから、セルバート王に謝罪した。
扱いが雑だったのだと。
もっと注意して乗りこなすべきだった。
セルバート王は、「退却時に敵に見つかる恐れもありながら、その指示を出したことは間違っていない。この軍馬は役目を果たしたんだ。引退させ、安全なこの場所で余生をおくらせよう」と言ってくれた。
フェアリーが「よく頑張ったね」と軍馬を撫でると、軍馬は嬉しそうに目を細めた。
セルバート王は僕に新しい軍馬を割り当ててくれた。
その軍馬は、いわゆる名馬というやつだった。
名前はロイヤル。
その名に相応しい、大型のがっしりした軍馬だった。
そういえば、新世界ギルドの創設者はロイヤスという人だと聞いたことがある。
名前には何か力があるかもね。
そして、この軍馬の変更は、とても驚くことを引き起こした。
龍王の剣と一体化して、麒麟となった時、その能力は前の軍馬よりずっと高いものになったんだ。
そしてわかったんだよ。
これは僕にも言えることなんだろうなと。
その日から僕は、ゲームの中で時間を見つけては自己鍛錬をするようになったんだ。
現実世界の僕は、中学2年生になった。
新学年になってすぐに、国語のクラリス先生が急に退職となり、代わりに非常勤講師の人が国語担当になっていた。
女性教師が急に退職となると、結婚したとか妊娠したとかいうことが、僕にも想像できたけど、それに近いことがあったようだ。
今の3年生の陸上部のキャプテンとやっちゃったらしい。
かなり噂になってしまって、この学校に居られなくなってしまったようだ。
タカは泣いていたよ。
でもクラリス先生を好きになったことがきっかけで、タカは勉強が出来るようになった。
青春の甘酸っぱい思い出になるんだろうね。
ガルナス王国遠征が終わって、和平も出来たみたいだ。
これでゲームの方は少し落ち着くのかなと思ったけど、そうではなかった。
ロマール王国、最大の戦争が起きたんだ。




