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あの時、君はそこにいた2 → ロマール王国大戦  作者: マイノス
ガルナス王国遠征

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撤退戦 << マイネ >>

 自分で言うのもなんだけど、僕はこのガルナス王国遠征で変わったと思う。

 今まで奥手で、フェアリーの後ろに隠れて大人と接してきたけど、今回からはセルバート王の前では堂々と接することが出来てる。

 ケルベロスをタイマンで倒す許可をセルバート王がくれて成功させたこともあるだろうし、兄貴分だったヨーネスがいなくなって、セルバート王の町の所属者としての役割が大きくなったこともあると思う。

 セルバート王は僕に対しても、ヨーネスほどではないけれど、ギルド内での仕事を与えてくれるようになった。

 龍に乗れるので、上空からの偵察の任務が大半だけど、僕はそれを着実にこなしていった。

 ビックレイクギルドのマールと面識があることもあり、僕は戦闘だけでなく、連絡役としても仕事をもらえた。


 そしてセルバート王の情勢判断は正しかった。

 ロマール王国軍は、撤退を決めて正解だった。

 僕は上空から、フェアリーの声量増大魔法の支援を受けて、王国の部隊が無事にガルナス王国の部隊を衝突せずに退却出来るよう指示した。

 最後まで残って殿しんがりの役割をしたのは、商人ギルドのゴールネスだった。

 彼は退路を断たれた責任を取る覚悟も見れたので、僕は彼は助けるべきだと考え、彼の部隊が逃げ切れるように、とりわけ重点的に彼に敵部隊の配置を伝えた。

 ゴールネスの名前を大声量で呼んで、それがガルナス王国の将兵に聞かれても、ゴールネスの居場所がわからないのだから、この僕の指示は効果てきめんだった。

 ゴールネス自身も、退路となる地を索敵任務を通して把握していたようで、見事に退却をやり遂げた。


 僕はガルナス王国からの撤退戦の任務を完璧に成し遂げたと思ったんだ。

 だけども、こういう時にやらかすんだよ。

 姿は見えないはずなのに、弓の名手というのがいるんだろうね。

 飛行中に麒麟の目が射抜かれてしまったんだ。

 僕はそれを後に、スパイパーギルドのリーダーのアミ・フジモリがやったことを知った。

 麒麟は激しく暴れて、僕は振り落とされても不思議ではなかった。

 でも一緒にいたフェアリーが魔法を駆使して、麒麟を落ち着かせ、安全な場所へ誘導して着地させた。

 僕はフェアリーに助けてもらってばかりだよ。


「マイネ。この馬の治療は済んだけど、片目はもう治らない。軍馬として、麒麟としての活躍は難しい。あなたの軍馬との融合は、その龍王の剣の力によるもの。軍馬は変えたほうが良いかも知れない」


 フェアリーの言うことはもっともだった。

 軍馬の仕事は戦場で戦うことで、片目を失ってしまっては十分な仕事は出来ないだろう。

 僕は軍馬を撫でながら、それを伝えた。

 でも軍馬は退役を拒んでいるように見えた。

 フェアリーもそれを感じたと思う。


「何か、この馬、あなたに甘え続けているわね。ここで片目で放牧されるのを恐れているかも知れない。退役させるにしても、セルバートの町まで戻してからにしたら?」

「うん。そうする。ひとまず部隊と合流して、王都に戻ろう」


 幸いにも僕とフェアリーの部隊は僕たちと合流し、それから小都市モルトまで逃亡した。

 そこからは、王都に残ったザラとシャルルがワープホールを作ってくれて、王都へ帰還した。

 小都市モルトまでは、乗馬したり、飛行も試みたけれども、軍馬はよく頑張ってくれた。

 暴れたりもせず、僕が方向を訂正すると、素直に従った。

 彼は、片目での仕事に慣れようと、懸命に働いていた。

 フェアリーは「きっとこの馬、魂があるわ」とぽつりと言った。

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