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冒険の書  作者: らぐらぐ
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魔獣討伐 1日目 エルフ族

「馬車って8人くらいしか乗れないよね?」

素朴な疑問を吐いたのはソフィアだった


この辺りを通る馬車は1時間に1回通るかどうかって感じで中に人が乗っていないという保証もない


全く考えていなかった…


というか誰一人この現実に気付かないとは…


少し考えたオーブリーが

「馬車はルーカスのチームに譲りましょう、向こうのチームは4人だからすんなり乗れる可能性が高いと思うし」


「いいのか?」

ルーカスが聞いてくる


「気にしないで。

私たちは森を突っ切っていきましょう」


「突っ切るよりは次のを待ってた方がいいんじゃない?」

時間と体力を考慮した俺の提案に対して


「う〜ん」

と明らかに考えたフリをして

「やっぱり森を突っ切りましょう!」

そう言ってウィンクをしてくる


何か考えがありそうだなと

そう思っていたら


1人でトコトコ森に向かってオーブリーが歩き出した

馬車に後ろ髪を引かれながらみんなオーブリーの後を追っていく


ルーカスたちは申し訳なさそうな感じで立ち尽くしていた


森に入ってルーカスたちが見えなくなった頃オーブリーが急に立ち止まりこちらを振り向き


「ほんっとごめんなさい!」

両手を合わせて頭を下げてくる


「全然大丈夫だけど、馬車待ってた方が…よか……っ……」


急な睡魔が襲ってくる

足に力が入らなくなり膝をつき

ついには地面に突っ伏してしまう

まだ陽も高い昼なのに木陰で冷んやり冷たい地面が心地良い

遠のく意識の中でオーブリー以外の全員が倒れているのをうっすらと記憶している




「う〜ん…」

ぼんやりとした記憶から目が覚めてくる

気付くと変わらず森の中だったのだが俺の向かいの木にもたれかかりオーブリーと何匹かの小鳥たちが戯れていた


その姿はまるで森の精霊のような神秘的なオーラを纏っていた


「…オーブリー?」

俺の声に反応して小鳥たちが飛び立ちオーブリーがこちらに気付き声をかけてくれる


「あ!気付いた?おはよう!ごめんね!」

「う、う〜ん…」


まだ少し寝ぼけていた俺は頭が回らず中途半端な返事をしていまったがすぐに我に返った


「どういうこと!?」


「本当ごめんね!みんなが起きたらちゃんと説明するから!危険な事はしてないから!」


「…わかった」

その言葉を信じてみんなが起きるのを待つ事にする


「ちなみに強制的には起こさない方がいいの?」


「起こしても問題ないけど時間もまだあるし昨日寝れてない人も多いみたいだから…」


言葉の意味を理解できなかったが

どう見ても嘘を吐いている感じはしなかったので言われたとおり、みなが起きるのを待つ


それほど待たずに

太陽が昇り少しだけ傾きかけた頃みんなが起き出す


「う〜…なんか急に眠気が…」

寝ぼけ眼でヘンリーが起き

「ん〜……」

無言で起きるジャック

気付けば目を覚ましているニア


全員を確認してオーブリーが説明と謝罪をし始めた


「まず最初に急に皆さんを眠らせてしまってごめんなさい。詳しくは話せないのだけど…

ここは王都の少し南の森の中ですぐに王都に入る事ができるわ!

エルフ族にしか見えない転移装置があってその装置を使ってここまで転移してきたんだけど…

エルフ族以外にそれを使っているところを見られてはいけないと掟があって……」


そこまで言って言葉に詰まる


なるほどなんとなく見えてきたな


「オーケーオーケー!さらにその話も本来他言できない…的な?」

俺が察して言葉を続ける


「はい……」


「でも馬車を待つ時間は取れない、だからと言ってルーカスたちより早く着いてたとはいえ王都に向かう手段がなくなるルーカスたちより

オーブリーの転移装置を使った方が良いと思った、が、情報を漏らせないから森の中で俺らを急に寝かせた。と。」


「そのとおりです…ごめんなさい」


「なるほど!そう言う事なら」

「うんうん」

「…問題ない……」


各人の了承を得たのを確認すると

ようやくいつもの笑顔に戻った

「ありがとう」


「いやいや、寝れた上に馬車よりも早く着いてるんだからこっちがありがとうだよ」

そう言ってフォローしておく


村の掟とかルールに縛られるのが嫌なのは前の世界でもずいぶん体験したからなぁ…


「でも早く着いてるのがルーカスたちにバレちゃまずいよね?」


「いえ、皆さんに話したのにルーカスさんたちに話さないのは気が引けるのでバレた時はその場で説明します!バレなかった場合でも他の皆さんにも伝えます!」


「オーブリーがそれでいいなら…」


「はい!」


「じゃぁぼちぼち王都へ…」

と、言いかけて

はっと我にかえりわざとらしい態度で

左手を胸に添え右手をオーブリーの方へ広げ頭を下げる


その行動をみてクスリと笑ったオーブリーは


「では!王都へ!」

と、リーダーシップをとってくれた

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