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冒険の書  作者: らぐらぐ
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雑貨屋シャロン

次の日


学園が終わり、家に帰るとフリージアはまだ帰ってきていなかった

最近はいつもそうなのだが学院に通っているのかギルドの依頼を受けてるのかわからない

帰ってくる時間もほとんど俺よりも遅くまちまちだ


今日は村の雑貨屋に一緒に行きたかったのだが…


まぁサプライズでプレゼントするのもありかな?と思い夕方だったが家を出る事にする


「かぁさんちょっと出てきます!」


「はーい」


ドアを開けると綺麗な夕陽が落ちていた

村がオレンジ色に輝きまるで精霊やら妖精やらが出てきそうな感じで神秘的だ


雑貨屋はそう遠くない位置にあり往復30分もかからないだろう

自転車なんてあればあっという間だろうがこの世界にはそういうものはない


そういえばこっちでももう約10年経って元の世界の半分の時間も経ってしまった


どちらがいいとは一概に言えないがこっちの生活にも順応してきたなぁ


そんな事を考えながら歩いていたらあっという間に雑貨屋に着く


ドアを開け中に入ると


「いらっしゃい!あら!珍しい」

「こんにちはシャロンさん」


雰囲気のあるオシャレな雑貨屋でほとんどのモノを店主のシャロンさんが手作りしているらしい


こういうところに来慣れていない俺は早速シャロンさんを頼り自分で探さず欲しいものを伝える


「シャロンさんすみません、髪を縛るリボンみたいなモノってあります??」


「あーその真ん中のあたりに置いてあるよ!何?プレゼント?」

と、興味津々に聞いてくる


「はい。ねぇさんに買ってあげようかと」

「あらー。姉思いで良い子に育ったねぇ」

「いやいや、いつもいつもお世話になってるのでたまには……ははは……」


シャロンさんはにこやかな顔でこちらを見ながらうんうんと頷いていた


言われたあたりを見回すと似たようなリボンと髪留め、クシなどヘアアクセサリーが並んでいた


そこで昔ソフィアにあげたモノとほぼ同じデザインの髪留めも置いてあった


値段は中錫貨3枚!安い!これなら全然買ってあげれる!

そう思い早速手に取る


「あれ?それ昔ソフィアちゃんにあげたやつじゃない?」


「え?あー。似てるなと思って。てゆうかなんで覚えてるんですか?」


「いやぁ。私がお店出してすぐの事だったし店の中であんな事されたら忘れないよ」


そういうと何かを思い出すかのようにニコニコしている


「あんな事って?」


自分がどういう風にソフィアにあれをあげたのか全く覚えていなかった俺は素直に聞いてみたが


「え?忘れちゃったの?」


「はい……」


「マジかぁ!ソフィアちゃんは?」


「あーどうでしょうか?でもすごく大事にしてくれてました」


「……ソフィアちゃんは覚えてるんだろうねぇ…忘れた事ソフィアちゃんに言わない方がいいよ?」


「え?」


「自分で思い出せたらそれが良いけど無理なら……フリージアちゃん?あー……いや、もっかい店においで」


「はぁ…」

ちょっと気のない返事を返してしまい何があったのか簡単に考えるがやっぱり思い出せない

ソフィアとここに来たことがあるのは何となく覚えてるんだけどなぁ……


さて、まぁ気を取り直してフリージアへのプレゼントは……と、

お?大錫貨1枚だけどなんか縄状になった少し和風の赤いリボンを見つけた!これは金髪の髪に映えるんじゃないかな?


サイドテールなんてしてくれたらヤバそうだ


よし!コレにきめた!


「シャロンさんコレとコレをお願いします!」


「はぁい。袋に入れてあげるね!もちろん別々がいいんでしょ?」


何かを悟ったシャロンさんが聞いてくる


「お、お願いします……」


「はいよ」


と快く2つの袋に入れてくれる


代金を支払い店を後にしたがもう随分と陽が落ちてしまっている


「急いで帰るか」そう呟きダッシュで家まで帰る


5分くらいで家につき風呂を終えカイルとフリージアの帰宅を待つ


「ただいまぁ!」

「ただいま!」

2人一緒に帰ってきた


「おかえりぃ」

「おかえりなさい」


「先にお風呂入ってねぇ」

と晩御飯を準備しながら2人に伝える


「はーい」

「おう!フリージアたまには一緒に入るか!?」

「気持ち悪い!」


さすがにこの歳になって一緒に風呂はないぞカイルよ!

悲しい顔で俺を見てくるカイル


「俺はもう入ってるよ!」


「だよな……」


と呟きとぼとぼと風呂場に向かっていった

そこに


「とぅさん!」

とフリージア

「お?やっぱり一緒に入るか?」

期待に満ちるカイルに反して


「早く上がってね!」

と、冷たく追い討ちをかけていた


それを聞き肩を落とし無言で風呂場に向かう


「聞いてるの!?」


「……はい」


ツンっとして部屋に入る娘

肩を落とし風呂場に向かう父


これが世の大黒柱か…

世知辛ぇ……


でもこのやり取りは

親子の信頼関係の上に成りなっていて何だかんだフリージアはカイルとフローラを尊敬敬愛している


そんなこんなでフリージアも風呂から出てみんなで晩御飯を食べ終えた


いつもはすぐ部屋に行き寝てしまうのだが今日はプレゼントをあげる


「ねぇさんちょっといい?」


「ん?」

そう言って部屋へ招き入れた


「コレ、昨日言ってたリボン。今日買ってきたんだけど……」

袋から出して手渡す

気に入られるか不安だったが


「わぁぁ!かわいい!」

つけて良い?

「うん!むしろつけてみて!」


そういうとそそくさとポニーテールにしはじめる


おくれ毛なんかも可愛くて髪のクセがいい感じに出ている髪を結びリボンを作りかけてた手がピタリと止まり

何かを考えるような顔をみせたが


「こっちが良いかな?」

と独り言を呟き

今度はサイドテールにし始める


ソフィアほど髪が長く無いがギリギリサイドテールはできるみたいでこれはこれでやっぱり可愛かった


「どう?似合ってる?」

「うん!それを買ってよかった!」

「リョウ!ありがとう!」


すごく喜んでくれたみたいでぴょんぴょん跳ねながら部屋を出ていった


「とぅさん!かぁさん!リョウが買ってくれたぁ!」


そう言いながらカイルに抱きついている


フリージアが出ていった部屋のドアの隙間からチラッと見えたが

あれだけ喜んでくれたらよかったなと思い静かにドアを閉じて

早々に眠りにつくのだった

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