買い物
王都は村とは違い高い塀に囲まれていて
入都するために持ち物検査などのチェックをうけるため行商人や俺たちみたいな観光の馬車が列を作っていた
時間がかかるのかと思っていたが
俺たちの馬車は馬車を操るおじさんと門番の人が知り合いなのか荷台の中の確認などはなく難なく入都する事ができた
見ると殆どの人が同じでいわゆる顔パスである
まぁよく言えばそれだけコミュニケーションが取れてるって事だが
普通にザル。そういうイメージだった
ともあれ何事も無く王都到着である
「ありがとうございました!」
そういうとフリージアは3人分の銅貨を支払う
最近は村から王都にかけて魔獣だけでなく野盗に襲われたという話が度々あるので
傭兵を雇っている馬車もあり、そういう馬車は賃金が高い
正直下手な傭兵を雇うよりフリージアの方がよほど安心できる
現にこの半年足らずで何度も魔獣を討伐して帰ってきている
学院に通ってはいるものの魔獣の討伐で収入を得ている
『冒険者』として自立しているのだ
そそくさと財布を出すソフィアに対して俺は
「ねぇさんありがとう!」
と奢ってもらう気まんまんである
「いえいえー」
そう言うとこう続けた
「ソフィアは奢ってあげるー!リョウはちゃんと払いなさい。最初から奢られる気満々の人には奢りません!」
「いやいや、私もちゃんと払います!」
フリージアはニコッと笑い
「ソフィアは良い子だねぇ〜」
と、抱きついてソフィアをくしゃくしゃしている
「フ、フリージアさん人が見てますってぇ」
まぁ美少女2人がイチャコラしてたらそれは見ちゃうよなと思いながら
俺もその光景を眺めていると、ふとフリージアが手を出してきた
「ん?」
「小銅貨2枚」
普通に払わされた……
俺のお小遣いが…
フリージアはソフィアに甘いんだよなぁ
見てても距離が近くて本当の姉妹みたいな感じがする
ソフィアが良い子だからそうなってしまうのかもしれないが…
王都の街並みは村とは全く違ってレンガ造りの家や建物が多い
地面も綺麗に舗装されていて歩きやすく
色々な店が建ち並んでいる
ちゃんとした店舗を構えてる店もあれば出店のような移動式の露店もある
見るもの全てが新しく少しだけ前の世界の事を思い出した
「わぁ!あそこのお店かわいい!入って良いですか?」
興奮気味にフリージアに問うソフィア
「もちろん!」
そういうと俺の事をほったらかしにしてキャッキャとお店の中に消えて行った
「ん〜じゃぁ俺は何をしようか…」
そう呟いてキョロキョロするも何も無い!
こともないのだが人が多過ぎてはぐれてしまうと大変なので2人を追って店へ入る事にする
ドアを開けると
「カランカラーン」とドアの鈴が鳴る
そこはまるでフリージアの部屋だった
全部がピンクというわけではないが店の中のイメージがピンクで女の子が好きそうなモノが並んでいた
ソフィアの部屋もこんな感じなのだろうか
そんな事を考えていると
「リョウ!これみて!可愛くない!?」
ソフィアに呼ばれ近付いて見てみると
マグカップだった。正直どこが可愛いかわからないが
「あー…かわいいね!」
そう言って立ち去ろうとしたがソフィアが何か言いたげな顔で俺を見ていたので
もう一度マグカップに目をやると
ペアのマグカップだった
無言の笑顔のプレッシャーの意味はすぐに理解できたが
流石に無理!恥ずかし過ぎる!
そう思い申し訳ないが気付かないフリをして
「あー。俺外で待っとくから」
そう言って店の外にそそくさと出て行った
店の外に出る直前フリージアから冷たい視線を注がれた事は言うまでもない




