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ヒーローライクヒール  作者: 手頃羊
6話:危険地帯
27/33

その1・危機は再び

ハゼット「ただいま。」

アリアージュでの件から2日経って、ハゼットが帰ってきた。


エリー「おかえりなさい。」


ハゼット「あぁ…やはり、闇人の相手は疲れる…」

カウンターの椅子にグッタリと座る。


クロノ「そこまでなんすか。」


ハゼット「あぁ。単純に、強いからな。」


クロノ「2千年生きたハゼットさんでも苦戦するんですか…」


ハゼット「何年生きたかは関係ない。戦いってのは技術とセンスだ。強い奴は、お前みたいな年の奴でも俺より強いさ。」


クロノ「そういうもんすか。」


ハゼット「あぁ。特に、エリーとかな。」


クロノ「エリーさん?」


ハゼット「奴に酒は飲ますなよ?誰も止められん。」


クロノ「えぇ…」


エリー「えへへ…」

エリーは照れたように頭をかいている。


(いったいどうなるんだ…)


エリー「あ、それよりも、お客様来てましたよ。」


ハゼット「客?」


エリー「八百屋の所のヨハンさんです。ハゼットさんをご指名ですって。」


ハゼット「ヨハン?あいつ戻ってたのか?」


(俺には関係ないか…)


エリー「それと、話的にクロノさんもいた方がいいかと。」


クロノ「俺も?」

自分は関係ないと思っていたら意外な展開になった。


ハゼット「クロノもだと?どういうことだ?」


クロノ「まさか、元の世界に関係ある的な…」


エリー「まぁ、あると言えばあるかもしれませんね。」



夜に酒場で話をする、ということで夜を待って酒場に向かう。


ハゼット「お前も来た方が良い、ということは、お前に関係あるということになるな。」


クロノ「でしょうね…」


ハゼット「心当たりはあるのか?」


クロノ「さぁ?でも俺が異世界から来たなんてどこにも知れ渡ってないでしょうし…」


ハゼット「分からないものは仕方ない。ヨハンが来るまで待つとしよう。」


クロノ「ですね。」

席に座って待つことにする。


ハゼット「ところで、俺がいない間に何かあったようだが…」


クロノ「色々あってどれのことか分かんないですけど…何から話せば?」


ハゼット「…俺が聞きたかったのは1つだけなんだが…」


(軽い墓穴掘ってもうた。)


ハゼット「まずは、魔物が襲ってきたそうじゃないか。」


クロノ「あぁ、あれは…」


男「おう、ハゼットさん。」

ふくよかな髭面の男が近づいてきた。


ハゼット「ヨハンか。待ってたぞ。」


クロノ「この人がヨハンさん?」


ハゼット「そうだ。門のすぐ横に八百屋があっただろう?店に並べる野菜を他の街や農家から買い取って仕入れている。」


クロノ「あぁ、店番ではないんですね。そりゃ見たことないわけだ。」


ヨハン「そっちの若いのは知り合いかい?」


ハゼット「新入りだ。」


ヨハン「ははーん。ま、ならいいか。あ、酒くれや。」

店員に酒を注文し、同じ席に座る。


ヨハン「どっこいしょっと…」


ハゼット「それで、話とは?」


ヨハン「ははっ、急かすねぇ。話ってのはな、俺が昨日、いつものように街から街へと馬車走らせてた時のことなんだ。」


クロノ「野菜を仕入れてる、ってやつですか?」


ヨハン「そうそう。そんで、ちとヤバいものを見ちまってな。」


ハゼット「ヤバい、というと?」


ヨハン「こっから南西にある、レイネデって村知ってるか?」

ヨハンの声が小さくなる。


ハゼット「南西…風車がある村か?」


ヨハン「いや、そのもう一個向こうにある村なんだ。」


ハゼット「そこに何かいたのか?」

さらに声を潜めて言う。


ヨハン「その村がな…魔獣だらけだったんだよ。」


ハゼット「なんだと⁉︎」


ヨハン「声でけぇよ!」

ハゼットが大きな声を出したせいで周囲の視線が集まり、静かになる。


ハゼット「…すまない。」

また先ほどのように騒ぎ始める。


クロノ「村が魔獣だらけって、それヤバいじゃないですか!」


ヨハン「あぁ。もう手遅れだったさ。あそこの宿の女将さんの手料理が好きでな、わざわざ遠回りしてまで行ったんだが、もう人型の魔獣ばっかでな…」


ハゼット「人型?ゴブリンということか?」


ヨハン「いや、そんなんじゃねぇ。もっと人間らしい見た目だったさ。というか、人間そのものだったぜ。フラッフラ歩いてて、最初は元気ねぇのかなと思って近づいたらよ、こっち見た瞬間近づいてきて噛み付いてくるのよ!」


(あれ、これって…)

クロノにはものすごく、思い当たる節がある。


ハゼット「噛み付いてくる人型の魔獣、か?」


ヨハン「あぁ。噛みつかれるだなんて想像もしてなかったからよ。もうびっくりしたのなんの。」


クロノ「あの、噛み付いてくるって本当のことですか⁉︎」


ハゼット「クロノ?」


ヨハン「あぁ。殴るでも蹴るでもひっかくでもなく、噛み付いてきやがんだ。まぁ運良く噛まれる前に振りほどいて逃げてこられたんだがよ。おっかなかったぜ。…どした?」


(これ絶対ゾンビだよな…)


ヨハン「おい兄ちゃん?もしかして、レイネデってあんたの故郷とかだったりか?」


クロノ「へ?」


(あ、やべ!)


クロノ「あ!いえ、そういうわけじゃなくて…それより、風車の村の方はどうでしたか?」


ヨハン「ニキエはどうだろうな…俺が戻ってくる前は普通だったが、もしレイネデの魔獣がニキエまで行っちまったら…俺は一回見たからもうすぐに分かるが、見たことないんじゃ絶対見た目だけじゃ魔獣だって分からないぜ。」


(風車の村が無事なら、まだ間に合うか…⁉︎)


ヨハン「俺はあんなの初めて出会ったぜ。ハゼットさんは?」


ハゼット「噛み付いてくる人型の魔獣か…俺も聞いたことがない。明日調査に行くとしよう。」


ヨハン「気をつけろよ〜?ドラゴンスレイヤーのハゼット・ローウェルとはいえ、油断はするなよ?そんじゃ、俺はあっちで幼馴染と飲んでくるわ。」

伸びをしながら立ち上がる。


ハゼット「1つだけいいか?」


ヨハン「うん?」


ハゼット「このこと、誰かに言ったか?」


ヨハン「いんや?エリーさんにゃ少し言ったけど、それ以外には言ってないぜ?あんまり言いふらすと変に混乱が広まっちまうからよ、とりあえずあんたに言ってからにしようと思ったのさ。」


ハゼット「そうか。ならそのまま誰にも言わないでおいてくれ。」


ヨハン「はいよ。そんじゃな。」

人だかりの中に消えていった。


ハゼット「…何か知っているようだな、クロノ。」


クロノ「…さっきハゼットさんが聞こうとしてた、いない間に起きたことに関連してます。」


(だからエリーさん、俺もいた方が良いって言ったのか…)


ハゼット「なるほどな、詳しく聞かせてもらおう。」



魔獣の襲撃事件のことを話す。


ハゼット「ゾンビ、か。確かに聞いたことない。人に噛み付いてくるゴブリンもな。」


クロノ「もしかしたら、俺の世界と関係あることかもしれません。俺の世界では知られてて、こっちでは存在しなかったわけですし。」


ハゼット「元の世界に戻るヒント、というわけか。」


クロノ「多分。可能性あります。」


ハゼット「まぁ、そのあたりは置いておくとしよう。まずは村のことだ。ゾンビというのはそんなにも広まるものなのか?」


クロノ「広まる…かもしれませんが、だとしたら、その風車の村ってところも既に魔獣に襲われてるはずです。というか、そっちが先です。」


ハゼット「この辺りで発生したゾンビが順番に襲いにいくはず、か。だがヨハンが言うには、レイネデを出た後に立ち寄った風車の村は無事だったそうだな。」


クロノ「ということは…レイネデの近くで新たに発生した…」


ハゼット「あり得るのか?」


クロノ「まぁ、こっちで現れたゾンビと同じ原因で発生したなら、あり得ますね。」


ハゼット「それもそうか。発生する原因に心当たりは?」


(なんか尋問されてるみたいだな…)


クロノ「ウイルス…とかですかね?」


ハゼット「ですかね?って言われても、詳しいのはお前しかいないんだが?」


クロノ「こっちだって本当は架空の存在だったんですよ!」


ハゼット「そうなのか?それはまた面倒だな…」


クロノ「ゾンビの知識だって、半分くらい推測みたいなもんですよ。」


ハゼット「…ゾンビというのは自然発生するものなのか?」


クロノ「普通は、違うかと。ゾンビの話って、どこぞの科学者とかが何らかの目的でゾンビを作るっていう何かの陰謀、ってのばっかなんですよ。」


ハゼット「分かりやすいんだか分かりづらいんだか…」


クロノ「俺の予想ですと、今までいなかったのが急に現れたわけだし、向こうの世界を知った誰かがゾンビを作ってみたら本当にできちゃった、ってところですかね。」


ハゼット「それは俺も同じだ。」


クロノ「個人的には、本当にたまたまに、ゾンビが自然発生しただけだった、が1番嬉しいですかね。陰謀論は絶対ロクな展開にならないんで。」


ハゼット「危険ではあるが、その通りだな。」

しばらく黙り込む。


ハゼット「…何にせよ、現地に行ってみないと分からない。明日、早速行くとしよう。」


クロノ「1人でですか?」


ハゼット「来るつもりか?」


クロノ「そりゃまぁ…ハゼットさん闇と色々やって戻ってきたばっかだし、ゾンビの知識あるの俺だけですし…」

一瞬困ったような顔になるハゼットだが、すぐに諦めた顔になる。


ハゼット「まぁ今回ばかりはお前にも付いてきてほしい。お前の言う通り、ゾンビに詳しいのはお前だけだからな。」


エリー「その話、私達も入っていいですか?」


ハゼット「エリー‼︎」

エリーとアクアがやってきた。


ハゼット「お前、酒場に‼︎」


アクア「大丈夫だよ、あたしが責任持って飲ませないから。」


ハゼット「まぁ…それなら…」


(アクアさん信用されてるなー。)


アクア「んで、そのゾンビって奴の話、あたしらも入っていいのかい?」

ハゼットの方を見るが、そのハゼットはクロノを見る。


クロノ「えっと?」


ハゼット「お前に任せる。」


クロノ「俺ですか⁉︎」


ハゼット「ゾンビに詳しいのはお前だ。」


クロノ「はぁ…」


(まぁ、人数が多いに越したことはないか…レオとフレアには残ってもらった方がいいよな。こっちにも人いないといけないだろうし…)


クロノ「じゃあぜひお願いします。」


アクア「任しときなって。前回失態晒しちまったんだ。汚名返上させてもらうさ。」


ハゼット「ならレオとフレアには留守番を頼んで、この4人で行くとしよう。」

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