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転生したらカルタゴ人だったので、ハンニバルを勝たせてローマに勝利します  作者: レモンティー


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第七十六話 タレントゥムの若者たちがローマに反抗したので、ハンニバルが都市を奪う決断をした

紀元前212年。

イタリア南部。

タレントゥムから届いた知らせは、深刻だった。

都市の若者たちが、ローマへの不満を募らせている。

一部では、ローマ軍との衝突も起きていた。

俺は報告書を読み終えた。

「……とうとう、ここまで来たか」

メルカルが尋ねた。

「どうします?」

俺は答えた。

「まず、ハンニバルに報告する」

ハンニバルは、報告を聞いて静かに頷いた。

「タレントゥムの状況は、以前から注視していました」

俺は頷いた。

「そうだね」

ハンニバルは続けた。

「都市内部の協力者から、連絡が来ています」

俺は顔を上げた。

「……協力者?」

ハンニバルは頷いた。

「はい」

ハンニバルは地図を広げた。

「タレントゥムには、ローマへの不満を持つ有力者がいます」

俺は頷いた。

「知ってる」

「彼らは、カルタゴ軍の接近を望んでいます」

俺は少し考えた。

「……でも、ローマ軍の守備拠点がある」

ハンニバルは頷いた。

「そのとおりです」

俺は尋ねた。

「都市を奪うつもり?」

ハンニバルは答えた。

「可能なら」

俺は黙った。

そして、言った。

「住民の被害は、できるだけ抑えてほしい」

ハンニバルは頷いた。

「もちろんです」

ハンニバルは、軍事作戦の準備を始めた。

都市内部の協力者との連絡。

ローマ軍の配置確認。

そして、軍の移動。

俺は、別の準備を進めた。

食料。

医療物資。

そして、都市の治安維持に必要な物資。

メルカルが尋ねた。

「……戦闘が始まる前から、占領後の準備ですか?」

俺は頷いた。

「そう」

「……」

「都市を奪ったあと、混乱したら困るからね」

俺は、タレントゥムの商人たちへ書簡を送った。

『都市の安全を最優先してください』

『倉庫や市場を守る準備をお願いします』

『カルタゴ軍が入城した場合、交易を早期に再開できるよう協力したいと考えています』

そして、最後に書いた。

『住民の生活を守ることが、最も重要です』

数日後。

ハンニバル軍は、タレントゥムへ向けて移動を始めた。

俺は、補給部隊とともに後方を進んでいた。

メルカルが尋ねた。

「……成功しますかね」

俺は答えた。

「分からない」

「……」

「でも、ハンニバルなら可能性はあると思う」

夜。

ハンニバルは、都市内部の協力者との連絡を確認した。

作戦は、慎重に進められた。

そして、ついに。

カルタゴ軍は、タレントゥム市街地への進入に成功した。

翌朝。

俺は、都市の状況を確認していた。

市場。

倉庫。

街道。

そして、港。

メルカルが笑った。

「……成功しましたね!」

俺は頷いた。

「市街地には入れたね」

だが、すぐに続けた。

「まだ終わっていない」

ローマ軍は、都市の城塞に立てこもっていた。

そして、港の利用にも大きな制約が残っていた。

俺は地図を見つめた。

「……やっぱり、そうなるか」

メルカルが尋ねた。

「どういうことですか?」

俺は答えた。

「都市を手に入れても、港を自由に使えるわけじゃない」

ハンニバルは、ローマ軍の城塞を確認していた。

俺は近づいた。

「ハンニバル」

「アドン」

「市街地は確保できた?」

ハンニバルは頷いた。

「主要な区域は確保しました」

俺は尋ねた。

「港は?」

ハンニバルは首を振った。

「まだ制約があります」

俺はため息をついた。

「……やっぱり」

俺は、港の商人たちを集めた。

「現在、港はどこまで使えますか?」

商人が答えた。

「一部の船は利用できます」

俺は頷いた。

「大型輸送船は?」

「難しいです」

「倉庫は?」

「利用できますが、港の出入りが制限されています」

俺は眉をひそめた。

「……なるほど」

俺は地図を広げた。

タレントゥムの港は、地形が複雑だった。

都市の内側に広がる港湾水域。

そして、海へ通じる出入口。

ローマ軍の城塞が残る限り、自由な運用は難しい。

俺は呟いた。

「……港を取ったつもりでも、まだ半分なんだな」

俺は、ハンニバルへ報告した。

「港を完全に使うには、ローマ軍の城塞が問題になる」

ハンニバルは頷いた。

「分かっています」

俺は続けた。

「でも、無理に攻めれば損害が大きくなる」

ハンニバルは考え込んだ。

「そのとおりです」

俺は提案した。

「まず、都市の生活を安定させたい」

ハンニバルは頷いた。

「具体的には?」

俺は答えた。

「市場の再開」

「……」

「食料の供給」

「……」

「そして、治安維持」

ハンニバルは頷いた。

「お願いします」

数日後。

タレントゥムの市場が、少しずつ再開した。

商人たちは、商品を並べ始めた。

住民たちも、買い物に戻ってきた。

俺は、その様子を見つめた。

「……よかった」

メルカルが笑った。

「少しずつ、元に戻っていますね」

俺は頷いた。

「そうだね」

だが、問題は残っていた。

ローマ軍の城塞。

港の制約。

そして、ローマ軍の反撃。

俺は地図を見つめた。

「……ここからが本番だな」

その夜。

ハンニバルが俺のところへ来た。

「アドン」

「何?」

「タレントゥムの市民代表者たちが、協定について話し合いたいそうです」

俺は顔を上げた。

「……協定?」

ハンニバルは頷いた。

「自治と交易についてです」

俺は笑った。

「……ようやく、俺の出番か」

ハンニバルも笑った。

翌日。

俺は、タレントゥムの代表者たちと会談した。

議題は、都市の自治。

港の運営。

交易の自由。

そして、カルタゴ軍との協力条件。

俺は言った。

「タレントゥムの港は、タレントゥムの人たちが運営する形を維持したいと考えています」

代表者たちは頷いた。

一人が尋ねた。

「カルタゴ軍の物資は?」

俺は答えた。

「正当な費用を支払い、港を利用させていただきたい」

代表者たちは、少し安心した様子だった。

だが、別の代表者が尋ねた。

「ローマ軍が反撃してきたら、守っていただけますか?」

俺は黙った。

そして、答えた。

「カルタゴ軍として、可能な限り支援します」

代表者は頷いた。

俺は続けた。

「ただし、絶対に安全だと約束することはできません」

代表者たちは黙った。

俺は言った。

「だからこそ、今から備える必要があります」

「……」

「食料備蓄」

「……」

「避難計画」

「……」

「そして、周辺都市との協力」

代表者たちは頷いた。

数週間後。

タレントゥムでは、カルタゴとの協力体制が整い始めた。

だが、ローマ軍の城塞は残っていた。

俺は港を見つめた。

「……あと少しなんだけどな」

メルカルが尋ねた。

「どうします?」

俺は答えた。

「無理に攻めるより、別の方法を考えたい」

俺は、港の地形を調べ始めた。

船の通れる水路。

浅瀬。

港の内側。

そして、陸上輸送路。

俺は地図を見つめた。

「……もしかして」

メルカルが尋ねた。

「何ですか?」

俺は答えた。

「船を、陸上で移動させることはできないかな?」

メルカルは目を丸くした。

「……船を?」

俺は頷いた。

「そう」

そして、続けた。

「港の出入口を使えないなら、別の場所から船を運べばいい」

メルカルは絶句した。

「……本気ですか?」

俺は少し笑った。

「やってみる価値はあると思う」

こうして、俺はタレントゥムの港を使うため、船を陸上で運ぶという奇妙な計画を考え始めた。

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