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転生したらカルタゴ人だったので、ハンニバルを勝たせてローマに勝利します  作者: レモンティー


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第七十二話 援軍をイタリアとヒスパニアのどちらに送るか聞かれたので、まず必要な兵士の数を計算した

紀元前214年。

カルタゴ軍の陣営。

俺は、評議会から届いた書簡を読み返していた。

『追加援軍の派遣について、優先順位を決定する必要がある』

『イタリア方面とヒスパニア方面のどちらを優先するか、意見を求める』

俺はため息をついた。

「……困ったな」

メルカルが尋ねた。

「どちらにします?」

俺は答えた。

「まだ決められない」

「……」

「必要な兵士の数が分からないからね」

俺は帳簿を広げた。

イタリア方面。

歩兵。

騎兵。

工兵。

補給兵。

そして、負傷者の補充。

次に、ヒスパニア方面。

守備兵。

野戦部隊。

騎兵。

補給部隊。

そして、現地部族との協力状況。

俺は計算を始めた。

数日後。

メルカルが尋ねた。

「……終わりました?」

俺は首を振った。

「まだ」

「……そんなに大変ですか?」

俺は答えた。

「兵士の人数だけじゃないからね」

「……?」

「食料も必要だし、武器も必要だし、輸送手段も必要なんだよ」

俺は説明した。

「例えば、兵士を一万人送るとする」

メルカルが頷いた。

「はい」

「その一万人が食べる食料は?」

「……必要です」

「武器は?」

「必要です」

「負傷したら?」

「治療が必要です」

俺は頷いた。

「そういうこと」

俺は続けた。

「兵士を送るだけでは、援軍にならない」

メルカルは頷いた。

「補給も必要なんですね」

俺は答えた。

「そう」

そして、帳簿を指差した。

「だから、輸送できる量から逆算する」

数日後。

俺はハンニバルへ報告した。

「援軍の派遣先について、評議会から意見を求められている」

ハンニバルは頷いた。

「聞いています」

俺は尋ねた。

「イタリアには、どれくらい必要?」

ハンニバルは少し考えた。

「可能なら、多い方がいいでしょう」

俺は苦笑した。

「それはそうだね」

ハンニバルも笑った。

だが、ハンニバルは続けた。

「しかし、ヒスパニアを失うわけにはいきません」

俺は頷いた。

「そうなんだよ」

「ヒスパニアが弱れば、イタリアへの補給も難しくなる」

「うん」

ハンニバルは地図を見つめた。

「……難しい判断ですね」

俺は提案した。

「援軍を、兵士だけで考えないようにしよう」

ハンニバルが尋ねた。

「どういうことですか?」

俺は答えた。

「イタリアには、補給物資を優先する」

「……」

「ヒスパニアには、現地部隊を維持するための資金と装備を優先する」

ハンニバルは考え込んだ。

俺は続けた。

「イタリアでは、現地の同盟都市から兵士を集められる可能性がある」

ハンニバルは頷いた。

「はい」

「ヒスパニアでも現地兵を集められるけど、報酬の問題がある」

「……」

「だから、必要な支援の種類が違うんだよ」

ハンニバルは頷いた。

「なるほど」

俺は、評議会へ提案書を送った。

『イタリア方面には、補給物資と専門兵を優先する』

『ヒスパニア方面には、現地軍維持のための資金、装備、補充兵を優先する』

『ただし、戦況に応じて配分を見直す』

そして、最後に書いた。

『単純に兵士を半分ずつ分けるより、各戦場の不足を補う方が効果的です』

数週間後。

評議会から返事が届いた。

『提案を検討する』

俺はため息をついた。

「……また検討か」

メルカルが笑った。

「カルタゴらしいですね」

俺は苦笑した。

「本当にね」

そのころ。

ヒスパニアでは、ローマ軍との戦闘が続いていた。

イタリアでは、ハンニバルがローマ軍の動きを牽制していた。

そして、カルタゴ本国では、援軍の派遣について議論が続いていた。

俺は地図を見つめた。

「……時間が足りないな」

数週間後。

評議会は、ようやく決定を下した。

『イタリア方面とヒスパニア方面の双方へ、段階的に支援を実施する』

俺は息を吐いた。

「……よし」

メルカルが笑った。

「決まりましたね!」

俺は頷いた。

「そうだね」

だが、続けた。

「問題は、これからだよ」

俺は輸送計画を作り始めた。

船。

港。

倉庫。

護衛。

そして、到着後の輸送路。

メルカルが笑った。

「……また倉庫ですね」

俺は頷いた。

「また倉庫だよ」

数か月後。

最初の支援物資が、ヒスパニアへ到着した。

現地部隊の装備が補充され、報酬の支払いも一部改善した。

俺は報告を聞いて頷いた。

「……よし」

だが、イタリア方面の輸送は難航していた。

ローマ海軍の警戒が強まっていたのだ。

俺はため息をついた。

「……やっぱり、港が必要だな」

その夜。

ハンニバルが俺のところへ来た。

「アドン」

「何?」

「タレントゥムの状況について、新しい情報が入りました」

俺は顔を上げた。

「……何か変わった?」

ハンニバルは頷いた。

「都市内部で、ローマへの不満がさらに高まっているようです」

俺は息を呑んだ。

「……そうか」

ハンニバルは続けた。

「ただし、ローマ軍の守備は続いています」

俺は頷いた。

「……簡単にはいかないな」

俺は地図を広げた。

タレントゥム。

イタリア南部の重要な港。

ここを安全に利用できれば、カルタゴからの補給が大きく改善する可能性がある。

俺は呟いた。

「……やっぱり、ここが重要だな」

ハンニバルは頷いた。

「そうですね」

俺は、タレントゥムの商人たちへ新しい書簡を送った。

『状況が許す範囲で、交易関係を維持したいと考えています』

『危険な行動は求めません』

『都市の安全と自治を最優先にしてください』

そして、最後に書いた。

『将来、正式な協力関係を築けることを願っています』

数週間後。

返事が届いた。

俺は封を開いた。

そこには、こう書かれていた。

『タレントゥムでは、カルタゴとの協力を望む者が増えている』

『ただし、都市内部の意見は一致していない』

『今後も連絡を続けたい』

俺は頷いた。

「……よし」

メルカルが尋ねた。

「今度こそ、港を使えるようになりますか?」

俺は答えた。

「まだ分からない」

「……」

「でも、少しずつ近づいている」

その夜。

俺は地図を見つめていた。

イタリア。

ヒスパニア。

カルタゴ。

ヌミディア。

すべての戦場で、少しずつ状況が変わっている。

だが、ローマも同じように動いている。

俺は呟いた。

「……先に息切れした方が負けるな」

そして、心の中で決めた。

カルタゴが息切れしない仕組みを、もっと強くしなければならない。

そのために、俺は次の計画を考え始めた。

それは、軍隊の増強ではなかった。

カルタゴの財政を立て直し、長期戦に耐えられる仕組みを作ることだった。

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