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転生したらカルタゴ人だったので、ハンニバルを勝たせてローマに勝利します  作者: レモンティー


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第七十話 ヒスパニアの補給拠点が襲われたので、軍隊より先に商人を動かすことにした

紀元前214年。

イタリア南部。

ヒスパニアから届いた報告書には、厳しい状況が書かれていた。

ローマ軍が、カルタゴ軍の補給拠点を攻撃している。

穀物倉庫。

輸送路。

そして、現地部族との連絡路。

俺は報告書を読み終え、ため息をついた。

「……ローマは、本当に補給を狙うのがうまいな」

メルカルが尋ねた。

「どうするんですか?」

俺は答えた。

「まず、状況を整理しよう」

俺は地図を広げた。

ヒスパニア。

カルタゴ軍の拠点。

ローマ軍の活動地域。

そして、交易路。

俺は尋ねた。

「今、ヒスパニアで一番不足しているのは何だ?」

メルカルが報告書を確認した。

「穀物です」

俺は頷いた。

「次は?」

「輸送用の家畜です」

「その次は?」

「武器の補充です」

俺は考え込んだ。

「……なるほど」

俺は、ヒスパニア方面の商人たちへ書簡を送った。

『不足物資について、現地で調達できるものを確認してください』

『危険な輸送路を無理に使わないでください』

『現地部族との取引条件を見直してください』

そして、最後に書いた。

『軍の補給だけでなく、地域の市場を維持することも重要です』

数週間後。

最初の報告が届いた。

俺は書簡を開いた。

『穀物は、内陸部の一部地域で調達可能』

『ただし、輸送路が危険』

『現地部族との協定が必要』

俺は頷いた。

「……やっぱり、そこか」

メルカルが尋ねた。

「どうするんですか?」

俺は答えた。

「現地部族との交易を増やす」

俺は、ヒスパニア方面の指揮官へ提案した。

「軍隊が直接、穀物を徴発する方法を減らしたい」

指揮官から返事が届いた。

『徴発を減らせば、食料が不足する』

俺は頷いた。

「……そうだろうね」

そして、返事を書いた。

『代わりに、購入契約を増やしてください』

『価格と支払い時期を明確にし、現地部族との信頼関係を維持するべきです』

数週間後。

ヒスパニア方面から、別の報告が届いた。

『一部の部族が、カルタゴ軍への穀物供給に応じた』

俺は息を吐いた。

「……よし」

メルカルが笑った。

「成功ですか?」

俺は答えた。

「まだ一部だけどね」

だが。

別の問題が発生した。

現地部族の一部が、ローマ軍とも取引していたのだ。

メルカルが驚いた。

「……敵にも売っているんですか!?」

俺は頷いた。

「そうらしい」

「……裏切りでは?」

俺は首を振った。

「必ずしもそうじゃない」

「……?」

「彼らは、自分たちの生活を守るために商売しているんだよ」

俺は続けた。

「カルタゴとローマのどちらが勝つか分からない」

メルカルが頷いた。

「はい」

「だったら、両方と取引しておこうと考える人もいる」

「……」

「それを一方的に責めても、協力してもらえなくなるだけだよ」

メルカルは考え込んだ。

俺は、現地部族との協定案を見直した。

軍事協力を求める場合は、条件を明確にする。

ただし、通常の交易については、できるだけ自由を認める。

俺は呟いた。

「……無理に従わせるより、協力したくなる条件を作る方がいい」

そのころ。

ヒスパニアでは、カルタゴ軍の指揮官たちがローマ軍への対応を進めていた。

だが、戦況は簡単ではなかった。

ローマ軍は、海沿いの拠点を利用して補給を受けている。

そして、現地部族との同盟も増やしていた。

俺は報告書を見つめた。

「……ローマも同じことをしているな」

メルカルが尋ねた。

「何をですか?」

俺は答えた。

「現地の人たちを味方につけているんだよ」

俺は、ヒスパニア方面の商人たちへ新しい指示を送った。

『カルタゴ側への協力を強制しないでください』

『取引条件を公平にしてください』

『支払いの遅延を防いでください』

『現地部族の自治を尊重してください』

そして、最後に書いた。

『戦争が終わったあとも、交易を続けられる関係を作ってください』

数か月後。

ヒスパニア方面の補給状況は、少しずつ改善した。

だが、ローマ軍の活動も続いていた。

俺は報告書を読みながら、ため息をついた。

「……簡単には終わらないな」

メルカルが頷いた。

「そうですね」

その夜。

ハンニバルが俺のところへ来た。

「アドン」

「何?」

「ヒスパニアの補給状況は?」

俺は答えた。

「少し改善している」

ハンニバルは頷いた。

「それはよかった」

俺は続けた。

「でも、ローマ軍も勢力を広げている」

ハンニバルは真剣な顔になった。

「……そうですか」

俺は地図を広げた。

「ヒスパニアを守るには、現地部族との関係が重要だと思う」

ハンニバルは頷いた。

「そのとおりです」

俺は続けた。

「そして、もう一つ」

「何ですか?」

俺は答えた。

「ローマ軍の補給路も調べたい」

ハンニバルは顔を上げた。

「……なるほど」

俺は説明した。

「ローマ軍が海から補給を受けているなら、港が重要になる」

ハンニバルは頷いた。

「はい」

「その港を直接攻撃するのは難しい」

「……」

「でも、港へ物資を運んでいる商人の動きは調べられる」

ハンニバルは笑った。

「商人の情報網ですね」

俺は頷いた。

「そう」

俺は、ネロンへ書簡を送った。

『ヒスパニア沿岸の交易状況について、情報を集めてください』

『ローマ軍への物資供給が増えている港を確認したい』

『ただし、危険な行動は避けてください』

数週間後。

ネロンから返事が届いた。

俺は封を開いた。

そこには、こう書かれていた。

『ローマ軍は、複数の港から補給を受けている』

『特定の港を止めても、別の港へ切り替える可能性が高い』

俺は頷いた。

「……なるほど」

俺は考えた。

ローマは、補給路を分散させている。

一つの港が使えなくなっても、別の港を利用できる。

これは、俺がカルタゴ軍で進めてきた方法と同じだった。

俺は呟いた。

「……敵も、ちゃんと考えているな」

メルカルが笑った。

「当然ですよ」

俺は苦笑した。

「そうだね」

その夜。

俺は、ヒスパニア方面の補給計画を見直した。

一つの倉庫に集中させない。

複数の輸送路を使う。

現地で調達できる物資は、現地で購入する。

そして、商人たちの情報網を活用する。

俺は頷いた。

「……これで、少しは強くなる」

だが。

その数日後。

ヒスパニアから、さらに重大な報告が届いた。

俺は封を開いた。

そして、動きを止めた。

『ローマ軍の指揮官スキピオ家が、現地部族との同盟を拡大している』

俺は息を呑んだ。

「……スキピオ?」

メルカルが尋ねた。

「また知っている名前ですか?」

俺は答えた。

「……うん」

スキピオ。

ローマの名門。

そして、後にカルタゴを破る男を生み出す家系。

俺は地図を見つめた。

「……ヒスパニアでも、未来の敵が育っているのか」

その夜。

俺は、ハンニバルへ報告した。

「ヒスパニアで、スキピオ家が勢力を広げている」

ハンニバルは頷いた。

「警戒が必要ですね」

俺は答えた。

「そうだね」

そして、続けた。

「でも、今は直接戦うより、現地部族との関係を守ることが重要だと思う」

ハンニバルは頷いた。

「同感です」

俺は、地図を見つめた。

ローマは、イタリアだけで戦っているわけではない。

ヒスパニア。

シチリア。

サルディニア。

そして、海。

すべての方面で、カルタゴを弱らせようとしている。

俺は呟いた。

「……やっぱり、戦争全体を見ないと駄目だな」

そして、心の中で決めた。

ハンニバルがイタリアで勝ち続ける間に、俺はカルタゴが負けない仕組みを作る。

そのために。

次は、ヒスパニアの戦況を変える必要があった。

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