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転生したらカルタゴ人だったので、ハンニバルを勝たせてローマに勝利します  作者: レモンティー


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第百十三話 ザマの戦いが始まったので、ハンニバルが戦象を突撃させる前に敵の配置を確認した

紀元前202年。

ザマ近郊。

夜明け。

平原には、冷たい風が吹いていた。

遠くの地平線から、太陽が昇り始める。

その光の中に、ローマ軍の隊列が見えた。

俺は丘の上から、その光景を見つめていた。

「……とうとう、始まるのか」

メルカルが隣で頷いた。

「はい」

ローマ軍は、整然と隊列を組んでいた。

中央には歩兵。

左右には騎兵。

そして、後方には予備兵。

俺は地図と実際の隊列を見比べた。

「……やっぱり、そう来るか」

メルカルが尋ねた。

「何か分かるんですか?」

俺は答えた。

「スキピオは、戦象への対策を考えている」

カルタゴ軍の陣営。

ハンニバルは、将校たちを集めていた。

「敵の配置は確認できましたか?」

偵察兵が頷いた。

「はい!」

「歩兵の間隔は?」

「通常より広く見えます!」

ハンニバルは静かに頷いた。

「……象を通すための隙間かもしれませんね」

俺は息を呑んだ。

本来の歴史では、スキピオは戦象を通過させるため、歩兵の隊列に通路を設けたと伝えられている。

その対策が、今回も使われる可能性がある。

俺は言った。

「戦象を、そのまま正面へ突撃させるのは危険です」

ハンニバルが頷いた。

「私もそう考えています」

ハスドルバルが尋ねた。

「では、戦象は使わないのか?」

ハンニバルは首を振った。

「使います。

ただし、敵の隊列を見てからです」

俺は頷いた。

「それがいいと思います」

カルタゴ軍も、隊列を組んだ。

中央には歩兵。

その後方に、イタリアで長年戦った精鋭兵。

左右には騎兵。

そして、戦象。

俺は、その光景を見つめていた。

巨大な象が、ゆっくりと歩く。

兵士たちが、その周囲で準備を進めていた。

メルカルが呟いた。

「……すごい光景ですね」

俺は頷いた。

「そうだね」

やがて。

ローマ軍の陣営から、角笛が響いた。

低い音が、平原に広がる。

カルタゴ軍も、角笛を鳴らした。

俺は息を呑んだ。

「……始まる」

最初に動いたのは、ローマ軍の軽装歩兵だった。

彼らは前進し、投槍を放った。

カルタゴ軍の前衛も応戦した。

平原に、矢と槍が飛び交う。

俺は、丘の上から戦況を見守っていた。

メルカルが尋ねた。

「戦象は、まだ動かさないんですか?」

俺は答えた。

「ハンニバル将軍は、敵の反応を見ているんだと思う」

ローマ軍の軽装歩兵が後退した。

その背後には、整然と並ぶ歩兵の隊列があった。

俺は目を凝らした。

確かに、隊列の間に広い通路がある。

「……やっぱりだ」

メルカルが尋ねた。

「何がです?」

俺は答えた。

「象が突撃しても、敵は左右へ避けられるようにしている」

俺は伝令を呼んだ。

「ハンニバル将軍へ!」

伝令が駆け寄った。

「敵の歩兵隊列には、戦象を通すための通路がある可能性が高いと伝えてください!」

「了解!」

伝令は馬を走らせた。

ハンニバルは報告を受けると、静かに頷いた。

「……予想どおりですね」

ハスドルバルが尋ねた。

「では?」

ハンニバルは答えた。

「戦象は、敵の中央へ一斉に突撃させません」

「……」

「一部を前進させ、敵の反応を確認します」

戦象の一部が動き始めた。

巨大な足が地面を踏み鳴らす。

土煙が上がる。

ローマ軍の前衛が、投槍を構えた。

俺は息を呑んだ。

「……頼む」

だが、スキピオも動いた。

ローマ軍の角笛が響く。

歩兵たちが隊列を調整する。

戦象が進む方向には、通路が開かれていた。

俺は呟いた。

「……やっぱり、対策してきたか」

戦象の一頭が、ローマ軍の隊列へ向かった。

だが、兵士たちは左右へ避けた。

戦象は、その間を通り抜けていく。

俺は眉をひそめた。

「……効果が薄い」

メルカルが尋ねた。

「どうします?」

俺は答えた。

「ハンニバル将軍が判断する」

ハンニバルは、戦場を見つめていた。

そして、命じた。

「残りの戦象は待機」

ハスドルバルが頷いた。

「了解!」

ハンニバルは続けた。

「敵が象への対応に集中している間に、歩兵を前進させます」

カルタゴ軍の歩兵が動き始めた。

ローマ軍も、それに対応した。

両軍の距離が縮まる。

俺は、丘の上からその光景を見つめていた。

「……ここからだ」

メルカルが頷いた。

「はい」

そして。

ついに。

カルタゴ軍とローマ軍の歩兵が激突した。

盾と盾がぶつかる。

槍が突き出される。

剣が振るわれる。

怒号が響く。

俺は、その光景を見つめながら呟いた。

「……頼む、勝ってくれ」

ザマの戦いは、ついに始まった。

そして、カルタゴ軍とローマ軍の運命を決める激戦が、幕を開けた。

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