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転生したらカルタゴ人だったので、ハンニバルを勝たせてローマに勝利します  作者: レモンティー


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第百十一話 スキピオが決戦を望んでいるので、ハンニバルが戦場を選ぶことにした

紀元前202年。

ザマ周辺。

ローマ軍とカルタゴ軍は、互いの動きを探り合っていた。

どちらも、簡単には攻撃しない。

スキピオは、ハンニバルの戦術を警戒していた。

ハンニバルも、スキピオの能力を高く評価していた。

俺は軍議の席で、二人の将軍の名前が何度も出てくるのを聞いていた。

ハスドルバルが言った。

「スキピオは、こちらの騎兵を誘い出そうとしている」

ハンニバルが頷いた。

「でしょうね」

「では、騎兵を出さない?」

「必要なときには出します。

ただし、敵の望む場所では戦いません」

俺は地図を見つめた。

ザマ周辺には、緩やかな丘と平地が広がっていた。

騎兵を使いやすい場所。

歩兵を展開しやすい場所。

そして、水場の少ない場所。

俺は言った。

「ここなら、補給拠点からも遠すぎません」

ハンニバルが地図を見た。

「……なるほど」

俺は続けた。

「ただし、こちらの退路も確保したいです」

ハンニバルは頷いた。

「当然です」

翌日。

カルタゴ軍は、陣地を移動した。

ローマ軍から見れば、カルタゴ軍が後退したようにも見える。

だが、実際には違った。

ハンニバルは、地形を選んでいた。

緩やかな丘。

左右の低地。

そして、後方へ続く街道。

俺はハンニバルに尋ねた。

「ここで戦うんですか?」

ハンニバルは答えた。

「まだ決めていません」

「……」

「敵がどう動くかを見ます」

そのころ。

ローマ軍の陣営。

スキピオは、カルタゴ軍の移動報告を受けていた。

「ハンニバルが陣地を変えた?」

将校が頷いた。

「はい」

スキピオは地図を広げた。

「……この場所か」

しばらく考えたあと、彼は言った。

「誘っているな」

将校が尋ねた。

「罠でしょうか?」

スキピオは首を振った。

「罠かもしれない。

だが、単に有利な場所を選んだだけかもしれない」

「では、どうします?」

スキピオは答えた。

「こちらも地形を調べる」

数日後。

両軍の偵察隊が、何度も接触した。

小規模な騎兵戦。

弓兵同士の応酬。

そして、夜間の偵察。

だが、大規模な戦闘には発展しなかった。

俺は、その報告を聞きながら呟いた。

「……お互い、慎重だな」

メルカルが頷いた。

「どちらも負けられませんからね」

その夜。

ハンニバルが俺を呼んだ。

天幕には、ハスドルバルもいた。

ハンニバルが言った。

「アドン」

「はい」

「あなたは、スキピオが何を考えていると思いますか?」

俺は少し考えた。

「……決戦を望んでいると思います」

ハンニバルが頷いた。

「私もそう思います」

「ですが、無理な戦いは避けるでしょう」

「そのとおりです」

俺は続けた。

「スキピオは、カルタゴ軍を一度の戦いで破りたい」

ハスドルバルが尋ねた。

「なぜそう思う?」

俺は答えた。

「ローマ軍も、アフリカで長く戦い続けるのは負担が大きいからです」

「……」

「そして、ハンニバル将軍が帰国した今、ローマは戦争を終わらせる機会を逃したくないはずです」

ハンニバルは頷いた。

「……なるほど」

俺は地図を見つめた。

そして、静かに言った。

「でも、こちらも同じです」

ハンニバルが顔を上げた。

「……」

「カルタゴも、長い戦争で疲れています」

「……」

「だから、決戦を避け続けるわけにもいきません」

ハンニバルは、しばらく黙っていた。

そして言った。

「分かっています」

彼は立ち上がった。

「では、決戦に備えましょう」

翌朝。

カルタゴ軍は、戦闘隊形の訓練を始めた。

歩兵。

騎兵。

戦象。

そして、予備兵。

俺は、その様子を見つめていた。

メルカルが尋ねた。

「……本当に、ザマで戦うんですか?」

俺は答えた。

「まだ分からない」

「でも、近いんでしょう?」

俺は頷いた。

「……ああ」

その日の夕方。

ローマ軍から使者が到着した。

俺は驚いた。

「……使者?」

ハンニバルも顔を上げた。

使者は言った。

「スキピオ将軍より、会談の申し入れです」

天幕が静まり返った。

俺は、ハンニバルを見た。

ハンニバルは静かに頷いた。

「……会いましょう」

こうしてハンニバルとスキピオ。

二人の名将が、決戦を前に直接会談することになった。

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