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10.初依頼3(森の女神様)

おやつタイムも終わり、そろそろ帰ろうかと思っていると、

森の木々の間からこちらを見る視線の存在に気付いた。

爺ちゃんにそれを伝えると、精霊を呼び出して何事か伝えている。

しばらくすると多くの精霊を連れて、緑の服を着た女性が現れた。

その女性は、爺ちゃんを見て怖がっている。

「あのーこの森の色々な役立つものを取らせていただきました。

 勝手に取っちゃってごめんなさい。ありがとうございました」

「・・・それはいいのです。好きに取って行って下さい。

 あのー私には、あの怖い攻撃はしないで下さい。お願いします」

「怖い攻撃?・・・うん?

 あれでも威力を絞って被害が出ない様にしたつもりなんじゃが」

「爺ちゃんもういいよ。僕が話すから。

 さっきは怖い思いさせてすみませんでした。

 実は僕達は大森林の町のギルドからの依頼で来たんです」

「ふぅ・・・あなたが優しい方で安心しました。

 どんな怖い方がきたのかとずっと隠れて震えていたのです」

「挨拶が遅れました。すみません。

 僕はアツシ、この人は僕の爺ちゃんでノリオです。

 あなたのお名前を教えて下さい」

「私はこの森の女神で、フォーレと言います。

 急にあの洞窟から魔物がたくさん湧き始めて困っていたのです。

 よく考えたら、お礼を言うのはこちらでした。

 魔物を追い払って頂き、ノリオ様アツシ様ありがとうございました。

 あれっ、その指輪は・・・もしかして女神様のお知り合いですか?」

『そうよ、フォーレ様、お久しぶりです』

「あれっ、あなたは確か土の妖精グリンでしたね。

 ここしばらく会えなくなったからどこへ行ったのか心配してました』

『私は、ノリリン、いやこの魔法使いのノリオさんと一緒にいたのよ』

「あなたがずっと居ると言う事は、優しい人なのですね。

 勝手に怖がってしまってすみませんでした」

「いやいや、あなたを確認せずに

 一気に森の中へぶっ放してすみません。許して下さい」

爺ちゃんが、深く頭を下げて謝っている。

「こちらこそ、すみません。ありがとうございました」

「まぁまぁここは、一緒に夕食にすると言う事で仲直りしませんか?」

「アツシ、とりあえずギルドに報告した方が彼らも安心するから

 先に報告した方がいいと思うんじゃが・・・」

「そうだったね。わかった。じゃあ僕達も一緒に跳んでよ。

 フォーレさん、せっかくだから町の近くでお食事でもしませんか?」

「よろしいのですか?お世話になってばかりで、すみません。

 ご招待をありがとうございます。ぜひご一緒したいです。

 実はヒト族と会うのはもうかれこれ数百年ぶりです。

 それも初めてヒト族からお呼ばれされて嬉しいです」


爺ちゃんはいつものように「ほれ」と大森林の町の門の近くへ跳んだ。

衛兵は突然目の前に

3人と森林白銀狼族のシルバーが現れたので驚いている。

「あぁ・・・ノリオ様、アツシ様・・・」

爺ちゃんはすぐに町のギルドへ顔を出し、クエストの解決を伝えた。

ギルドに居た人達もギルドマスターも大喜びだった。

ぜひマスターからお礼をという受付嬢のアスカさんに、

「今から食事の予定だから諸々は明日の朝にして欲しい。先ずは報告まで」

と伝えて来たらしい。


僕が夕ご飯の準備をしていると爺ちゃんが戻って来た。

以前変更をお願いしていた石組みの二段の竈を爺ちゃんに出して貰い、

精霊さんに焚き木と着火と鍋への水を入れて貰っている。

今夜のメニューは

『たっぷりキノコのチーチパスタ』『コケッコーピザ』の予定だ。

キノコは鑑定眼で調べて大森林の中でたくさん採取しており、

パスタとピザ生地、チーズなどは元の世界から持って来ている。


大きな鍋にたっぷりの湯を沸かし

パスタをアルデンテで茹でて、すぐさま空間に保管する。

大きな鍋にオリーブオイルを入れてガーリックスライスを追加、

ガーリックの香りをオイルへ移し、

一緒にキノコや薄切りミミ―肉を炒め、

すぐに温めたチーチを入れて、十分に混ざったら

そこへ空間からゆで上がったパスタを落として軽く混ぜて、

最後に塩コショウで味を調えた。


次は、元の世界の出来合いのピザ生地の上に

ケチャップソースを塗り、

コケッコーの薄切りとオオニンと森で取れた香草を乗せて、

たっぷりチーズを散らして、石窯の下の段へ入れる。

その空間は奥からの熱い空気でピザがすぐに焼き上がってゆく。

気がついたら何枚も完成したピザがテーブルに乗っている。


急いで出来上がった『たっぷりキノコのチーチパスタ』を出し、

木のお皿へ取り分けてフォーレさんと女神様分も一緒に置いていく。

「さぁ、みなさん完成しました。どうぞ召し上がれ」

「わぉ、今日はイタリアンか・・・アツシ、すごいのぅ。

 ビールでもいいけど、ワインも捨てがたいのう・・・」

その時、突然女神様が僕の隣へ現れた。

「ただいま~、ワイン?レドリーと一緒かな?なら私が持ってきたわよ。

 ノリリンも良かったら一緒に飲みましょうよ」

「あっ、姉さん・・・」

「フォーレじゃないの。どうしてこんな場所へ・・・」


僕が『実はかくかくしかじかで・・・』と説明すると、

「もうノリリンたら、本当に乱暴なんだから、

 前にこの森には私の妹がいるって伝えたわよね?」

「実は年のせいか・・・記憶が・・・ごめんちゃい」

「まぁ今度は気を付けてね。

 まぁフォーレが無事で良かったわ。

 でもノリリン、魔物討伐ありがとうね。

 フォーレ、再会を祝して、みんなで乾杯しましょう、では」

「「「「『カンパーイ』」」」」

そこから晩ご飯が始まった。

「アッツン、すごいわ。

 このキノコパスタ・・・チーチ味なんて初めて」

「姉さん、彼は森の中の素材を探して集めて作っていました。

 私もこんな美味しい料理は食べた事が無いです。

 このパスタと言う物は、何から出来ているのですか?」

「元の世界では小麦粉という穀物の粉を使って出来ています」

「この世界でも探してみるつもりです。野菜も見つかりました」

「この薄くてパリパリして、生地の絶妙な焦げ具合、

 そしてこの濃厚な伸びるチーズ、ケチャップソースといい絶妙じゃ。

 ワインも良いけど、やはりまた生ビールも飲もうっと」

「ノリリン、その生ビール入れるなら私とフォーレとグリンにも入れてよ」

「姉さん、私はあまりアルコール強くないので・・・」

「大丈夫よ。何なら久しぶりに私の神殿で泊まってもいいのよ」

「じゃあ、お言葉に甘えて、ノリリンさん、お願いします」

「はい、言われずとももう用意していますよ」

「ノリリンのビールは泡3本体7で最高の注ぎ方をしてくれるの。

 ノリリン、いつもありがとうね。ビスタよりずっと美味しいわ」

「この世界のビスタは、わしのいた世界のビールですじゃ。

 だから生ビスタじゃ。生ビスタ何てお安い御用です。

 女神様達の笑顔がわしらにとっては嬉しいのですじゃ。のうアツシ」

「そうだね。女神様方、いらっしゃませ。料理を喜んで頂けて感謝します」

「アッツン、他人行儀なこと言わないでよ。もっとこっちに寄って」

女神様が僕の腕を強く引っ張って思いっきり身体を引っ付けてくる。

「まぁ、アッツンたら真っ赤になってかわいいわ。こんな所が好き」

僕と腕を組むと女神様の豊饒なところが当たっている。

僕はドキドキして、味が分からなくなってしまった。

「ねぇ・・・パスタもそうだけど、このピザとか言う生地の材料って

 アッツンの世界の物で小麦粉っていってたわよね?」

「そうです。女神様はどこかで食べた記憶がございますか?」

「確か湖の町で食べた物の中によく似た味の物があったような・・・

 でも味じゃあアッツンが段違いだわ。さすがアッツン」

「じゃあ湖の町で探してみますね。

出来ることならこの世界の物で色々な料理を作りたいのです。

そうなれば女神様にもっと喜んで頂けると思っています」

アツシは良い情報を貰ったので楽しみだった。

そんなこんなで飲んで食べて十分な時間が経った。

「私は、アッツンの料理が大好き。また来るわね。

 ちょっと酔ったかしら・・・

 アッツンといるとお酒が美味しいのよね。

 フォーレ、そろそろ帰るわよ」

「女神様、今日もありがとうございました。またお待ちしていますね」

「ノリリン、この世界でも私の知らない事もあるので注意してね。

 今日はフォーレの森を守ってくれてありがとう。お礼はまたの機会に」

「女神様、爺ちゃんも私もこの世界を守りたいからお礼は不要です。

 僕達の力そのものが女神様の力なのですから・・・」

「ありがとう。アッツンのその言葉は胸に沁みるわ。

 ではみんな、またね。おやすみなさーい」

『そうそうアッツンに言っとくことがあったわ。ノリリンのもそうだけど。

 私の指輪空間に入れた物は、使って減っても時間が来たら元に戻るから、

 入れている物の残量とか気にしなくていいわよ』と僕に伝言があった。

「だからいくら飲んでも生ビールが減らなかったんだ」と僕は納得した。


夜寝る前にステータス画面を見ると驚くほど変わっていた。

職業:魔物使いクラス:S級レベル:10↑

   料理人  クラス:B級  レベル:Ω

体力:90 筋力:80 素早さ:80 魔力:2600

仲間:6 仲間名:スライム(スラ)、魔鷹ホーク、メタルスライム(ハガネ)

         魔蝶アゲハ、魔虫ツッチー、魔蜂ビー

友達:1 友達名:森林白銀狼族シルバー

特技1:8 スキル:腐食液飛ばし9↑ 清掃8↑ 遠視9↑ 切り裂き7↑

          防御2↑ 反撃0 鱗粉0 土作り0 蜂蜜集め0 毒針0

特技2:3 スキル:獲物解体術Ω。魔素抜きΩ 料理Ω

特技3:1 スキル:鑑定眼Ω、空間格納Ω

森の女神フォーレ様という新しい女神様が増えました。

楽しく美味しい異世界冒険の初依頼なのに・・・いつになったら戦うのか・・・

ゆるゆると異世界生活は続きます。

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