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第二十六話 門を開く者
レイグラン王国東部、城塞都市アルノス。
その地下深くで、灰衣の魔導師が巨大な環状装置を見上げていた。
古代文字を刻んだ石柱が七本。中心には、顔を削り取られた人型の像が立っている。
「ベルク村の術式は失敗しました」
黒印を胸につけた男が報告する。
「百面鬼の所有者と冒険者三名が介入したためです」
「........」
灰衣の魔導師――レオル・ヴァルグは、左腕の傷へ触れた。
鬼面の男に追い詰められたときの傷だった。
だか、その目で見た。神器が本物であると。
「失敗ではない。面が本物だと確認できた」
レオルは不的な笑みを浮かべる。
「次はどうしますか」
「所有者はルーベルにいる。だが、白蓮の適合者もこちらへ向かっていると報告を受けている」
レオルは七本の石柱へ視線を巡らせた。
「二つの鍵が揃う。アルノスの住民を使い、忘却門を開く」
「魔王国は我々を迎え入れるでしょうか」
一人の男が尋ねる。
「迎える必要はない。我々が新しい歴史を作る」
ヴァルグはそう宣言し、仲間を見渡す。
その時石像の顔に、一瞬だけ白い仮面が浮かんだ。
そのことに気付く者は誰もいなかった。




