↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/40

第二十四話 二人旅

カナリスのギルドは伊織をBランク相当と評価した。


 三属性と白蓮の実力だけなら、さらに上も狙える。しかし《迅雷》の反動と実戦経験の少なさから、正式なランクはCへ昇格するに留まった。


「十分だ」


「もっと喜べばいいのに」


フィアはからかうように言う。


「目的はランクじゃない」


 伊織は掲示板に貼られた一枚の報告書を見ていた。


 レイグラン王国東部。黒印の集団による村人拉致事件。古代遺跡から発見された神器。


 そして、鬼面をつけた黒髪の異邦人。


「京野」


 間違いない。異世界で鬼面をつけ、余計な事件へ首を突っ込む男などあいつしかいない。


「見つかった?」


「ああ。生きてる」


 短い言葉の奥に安堵が滲んだ。


 フィアは報告書を覗く。


「百面鬼の所有者……この人がタカユキ?」


「おそらくな」


「すごい人なんだ」


「会うまではそう思っておけ」


 二人はレイグラン王国へ向かう準備を始めた。


 ガランの工房へ挨拶に行くと、老人は白蓮の手入れ道具を渡した。


「いいか、その刀は三つの属性だけで完成するんじゃねえ」


「どういう意味だ」


「白き蓮は、七色に咲く」


「七色?」


「そうだ、いずれ分かる」


 伊織は白蓮を腰へ差した。


 フィアは収納空間へ荷物を詰め込む。便利そうに見えたが、干し肉の袋が三日前から見つからないらしい。


「本当に入れたのか」


「入れた。たぶん」


「空間の中で迷子にするな」


「そのうち出てくるよ」


「腐ってから出すなよ」


 二人は東門を出た。


 伊織は前を歩き、フィアが半歩後ろをついてくる。


 やがて伊織は歩調を緩めた。


 フィアが隣へ並ぶ。


 もう守る対象ではない。


 互いに間違いを止める相棒として、二人の旅が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。