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WONDERZ  作者: シマオヒロ
WLS入校編
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8/52

応用

「終わった!?」

武尊はまたも久瀬・森田ペアの一瞬の出来事に驚きを隠せない。

「まあ久瀬くんがいるしね、このルールで彼とやるのは、誰でもハズレくじでしょ。」

「バカと小田桐も弱くないっすよね…」

「まあそうだけど…僕らはやれることをやって、勝とう!」

「うっす!!!」


三浦美月(みうらみづき)柿沼翔太(かきぬましょうた)は身を隠していた。柿沼が言う。

「勝てるとしたらもうここしかないと思う。郷原くんと小田桐さんペアは完全に戦闘向きだ。きっと僕らが正面きって向かっていったって歯が立たないことは目に見えてる。さっき負けてここ勝てなかったらもう後がない。」

「わかってるけど…大丈夫かな…?」

「さっきの戦いは瞬殺されちゃったからね…でもだからこそ僕らの能力の使い方や底がバレてない。とにかくさっきの作戦でいこう」

「うん、わかった。」


「向こうもこちらの出方を伺ってるみたいだね」

影に隠れて藤丸が問いかける。

「じゃあ、こっちから仕掛けるしかないっすよね」

「だね、このまま膠着状態でも仕方ないし、あんまり当たりっぽくないけど」

「試してみたいこともあるし、いってみますわ」

「わかった、無理しないように!」

「うっす!」

武尊が飛び出した。

「仕掛けてきた…!三浦さん!頼む!」

「分かった!」

三浦が武尊の前に立ちはだかった。

「うわ、女かよ!」

「だったら手加減してくれますか?!」

「ごめん!!」

武尊が石を投げつける。

「乱暴もの!」

三浦の腕から水が噴出し、壁を作って石を砕き落とした。

「便利だなぁ、それ!」

武尊も位置を変えて石を投げ続ける。

「どうもっ!」

三浦の水の壁には石は通じない。

「くっそ…全然だな」

武尊は石を床に叩きつけた。勢いよく石が割れる。

生命判断(ライフエントランス)…砕けろ!」

細かく割れた石が更に小さく、細かくなっていく。そして砂となり武尊の周りを舞う。

「よし…いけるか…!?砂風!」

「そんなことできるんだ?でも相性悪くない?」

三浦が言う。

放水鎖業(ハイドロポンプ)!打ち水!」

三浦の腕から出る水が武尊の砂にかかり落ちる。

「相性悪りぃな?!」

「だから言ったでしょ!打ち水!」

「やっべ!」

武尊は三浦の水を避け、岩陰に隠れた。

「藤丸さん!」

無線機で藤丸に連絡をとる。

「武尊!ヤバそうだね!」

「相性悪すぎっすね」

「そうみたいだね、水かけられる前にどうにかしないと」

「速攻しかないっすかね?」

「当たりっぽくないけど仕方ないか、砂でもう1回視界奪ってくれたら僕が出るよ。」

「っしゃ!出ます!」

「オッケー!」

武尊が飛び出すと同時に砂を撒き散らす。

「砂風!」

砂が霧のように三浦を覆った。

「藤丸さん!」

同時に藤丸が岩陰から飛び出した。

「だから甘いってば!打ち水!」

武尊が叫んだ声を頼りに、三浦は周囲へ水を撒いた。更に藤丸の方へ追い打ちをかける。

「まずはあなた!」

水が藤丸の顔を直撃した。同時に柿沼が藤丸のストラップを狙う。

「よし、もらった!!」

藤丸のストラップを取ろうとした柿沼が止まる。

「!?」

「どうしたの?柿沼くん?!」

「ストラップが…ない?!」

藤丸が答える。

「相手チームのストラップを2つとも奪取した段階で、勝ち。1人1つとは言われてないからね。念の為、僕の分は武尊に持ってもらってるんだ。」

「それいいの?!」

「ルールの穴をついただけさ」

「てことは息吹くんだけを狙えばいいってことね!」

柿沼が息吹に向かって走り出す。

「ストラップを持ってない人が戦闘に参加してはいけないというルールもないさ!武尊!」

生命判断(ライフエントランス)!」

足元に広がった泥を揺らした。

「うおっ!?」

「きゃっ?!」

柿沼と三浦の体勢が崩れる。

「はい、もらい!」

藤丸が2人のストラップを狙う。

加熱掌理(インダクションヒート)!」

三浦が作った水溜まりに手を入れた瞬間に大量の水蒸気が辺りを覆った。

「な、なんだ!?」

藤丸は距離をとった。驚いて後ずさる武尊に藤丸が答える。

「柿沼くんの能力だろうね、彼は手を高温にできる。水を一気に沸点まで持っていったんだろう」

「なるほど、お互いに目隠し持ってるってことっすね」

「だね、相性も最悪だ」

「どうします?」

「正直隠れてても分が悪いってことに変わりはないし、ゴリ押したいところだけど」

「やってみたいこと試していいすか?」

「このままじゃジリ貧だ、頼む」

「オッケーっす!」

生命判断(ライフエントランス)、ヒューマロック!」

武尊の触れた全ての石がカタカタと揺れ出した。

「なに、これ?!」

石は1箇所に集まり、形を成していく。石は歪ながら人のような型になった。

「おお!すごいね!」

藤丸が感嘆の声を上げた。

「できた!いけ!」

人型の石の人形が柿沼と三浦へ走り出す。

「打ち水!」

水が当たる前に、石の人形はガラガラと崩れた。

「やっぱダメか!」

武尊が驚く。柿沼と三浦の視線が崩れた石片によって一瞬奪われる。

「大丈夫、当たりだ!」

崩れた人形の後ろから藤丸が飛び出した。柿沼と三浦のストラップを奪取した。


ビーーー!模擬戦終了、勝者息吹・藤丸ペア


「っしゃあ!ナイス藤丸さん!」

「ここが勝ち筋だと思ったからね、当たりだったみたい」

武尊と藤丸はハイタッチをした。

「やられた…どこまでも息吹くんが囮だったわけね」

柿沼が肩を落とした。

「いや、まあ囮のつもりでやってないんすけど、まだ上手く使えなくて」

「そうか、まあとにかくやられたよ」

柿沼が息を切らしながら笑う。

「はー!喉乾いた!」

三浦は岩に腰掛けながら言った。


「それでは2戦目終了です。模擬戦場の外へ出てください。」


挿絵(By みてみん)

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