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実習②

小田桐・郷原vs武尊・藤丸のバトル開幕!

「おもしれえ、やってやろうじゃん」

久瀬・森田ペアの圧勝を聞き、武尊は燃えていた。

「なんかねえか…!?」

走りながら岩場の影に落ちている石を持ち上げる。

生命判断(ライフエントランス)…!」

石は反応しない。

「くっそ!」

その場に捨て、更に探し回る。藤丸から通信が入った。

「武尊、聞こえる?」

「藤丸さん、大丈夫っすか?」

「うん、僕は大丈夫、なんか向こうさん仲間割れしてるみたい」

小田桐ナツ。足首までの長い髪に、濃いメイク、上下レザーに長いブーツを履いたパンク風ファッションの見た目は、性格も見た目そのままだった。その小田桐が郷原を問い詰めている。

「だぁかぁらぁ!!なんで突っ込んだんだよ!!」

「ストラップ取れば勝ちだっていうから…」

「お互いの能力を活かしてって言ってたの聞いてなかったのか!?あ!?おめえは筋肉でもの考えてんのか!?」

「すまん…」


「ああ、じゃあまだ大丈夫そうっすかね」

武尊は呆れたように答える。

「うん、僕も今隠れて隙を伺ってる。取れそうなら取っちゃうけど、無理はしないから安心して。とりあえず急がなくても大丈夫そうだよ。」

藤丸の戦況報告を聞き、武尊はその場に立ち止まる。

生命判断(ライフエントランス)。この能力が使えるようになってから、考えたことがなかったこと。対象が動く「理由」。なぜ動かせるものがあって、動かないものがあるのか?ペットボトル、紙の鶴は動いて、石は動かない。重さ?また、その場にあった石を手に取った。考えろ。動かせない理由ではなく、「動く理由」を。その時脳裏によぎったのは、理科の時にやったペットボトルロケット。紙で折った鶴で遊んだこと。動くイメージ?親父の仏壇に火をつける時も、マッチに火がつくイメージがあった。

「……!!」

武尊は藤丸に通信を入れる。

「武尊、どうした?」

「藤丸さん、戻ります」


武尊は藤丸の位置へと戻った。

「どう?動かせそうなものあった?」

「いや、動かせそうなものというか、多分いけます」

「ん?なにが?」

「石、多分動きます」

「ホントに!?」

「はい、多分いけます。」

「だとすると、このフィールド全部が君の味方ってことになる。とんでもない能力だな」

「あ、いや、こんなバカでかい岩は無理っすね、こういう石っころなら」

「いや、十分だ。僕もただ隠れてたわけじゃない。作戦がある。」


郷原と小田桐の前に武尊が姿を表した。小田桐が言う。

「ん?正面突破しようってハラかい?」

「そのつもりだから出てきてんだろ」

「手間が省けていいね、相方がいないのが気になるけど」

「あの人は戦闘向いてないんでね、俺が2つ取る」

「ずいぶん舐めてくれるね、いいよ、やろう!!!」

小田桐が走って向かってくる。

髪質塊善(トリートメント)!!」

抜いた長い髪の毛の束が硬質化する。

「私の能力は自分の髪を鉄の硬度にする!」

硬質化した髪の毛を振り抜く。武尊は下がってかわした。

「郷原!!!!」

小田桐が声をあげると同時に郷原が小田桐の後ろから突っ込んできた。

「うぉお!浮筋浮筋(ムキムキ)ィイ!!」

郷原が武尊を捕らえにくる。

生命判断(ライフエントランス)…!!」

瞬間、足元の石が小田桐と郷原に向かって飛び出した。

「うおっ!?」

郷原は腕で、小田桐は髪を硬質化して身を守る。小田桐は咄嗟に言う。

「そんなこと出来るなんて聞いてねえけど…?」

「今できるようになったんでね、嘘はついてねえよ」

「あっそ!!」

小田桐がまた髪を抜いた。髪の毛の束を振り回す。

髪質塊善(トリートメント)、『カミトリ』!」

武尊を捕縛するように、髪の束が武尊を追う。郷原もまた、武尊を捕らえようと追ってくる。武尊は必死に石を投げて応戦する。

「なんのこれしき!!」

郷原は武尊の投げた石を方々に振り払う。岩に石がぶつかり、岩が欠ける。

「おい!筋肉バカ!加減しろよ!岩崩れたらどうすんだよ!!」

小田桐は郷原に言う。

「すまん!!」

そして弾かれ動く気配のない石を見て小田桐が言う。

「動かせないのかい!?まだ能力の本質が捉えられてないみたいだね!未完成の発展途上だ!」

小田桐の猛進と郷原の突進に、武尊はあっという間に大きな岩場まで追い詰められる。

「よく逃げたけど終わりじゃない?」

小田桐が言う。

「武尊!キミを傷つけたくない!ストラップを渡してくれ!」

郷原が武尊に言った。

「やらねえで降参するやつがどこにいんだよ…!生命判断(ライフエントランス)!」

瞬間、武尊が逃げていた道に落ちていた石が反応する。武尊は逃げながら能力をかけた石を床に撒いていた。郷原と小田桐を囲むように石が宙に浮く。

「砕けろ!」

その場で無数の石が砕ける。砂埃となった石が郷原と小田桐の視界を奪った。

「なっ!?」

武尊は瞬時に2人の元へ駆ける。前が見えずに動けなくなっている小田桐のストラップに手をかける。

「っしゃあ、1個目!」

「カミトリ…!」

小田桐のストラップに絡みついていた髪が武尊の手を絡める。硬質化した髪の毛は武尊の手を完全に捕縛した。

「!?」

「惜しかったね、万が一の為に、私の髪の毛をストラップに巻いといたんだよ、もし触られた時に捕縛出来るようにね!」

「カミトリ!」

武尊の身体をぐるりと巻いた髪の毛が硬化する。武尊は身動きが取れなくなった。

「くっそ…!」

「それじゃあ、ストラップはもらうよ」

小田桐は武尊の腰へ手伸ばした。

「当たりだ!武尊!」

それと同時に、小田桐と郷原の不意をつき、舞っていた砂埃の奥から藤丸が飛び出し、小田桐と郷原のストラップを奪取した。

「なに?!」

ビーーーー模擬戦終了、息吹・藤丸ペア勝利

アナウンスが流れた。

武尊がニヤリと笑いながら言う。

「残念だったな、藤丸さん特製、派手に暴れて実はハズレ大作戦だ…!」

読んで頂きありがとうございました。次回、2戦目です。

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