同期たち②
第3章突入!
WONDERZ 第26話
同期たち②
「一体何が起きてんだよ…!」
武尊は動けずに床を拳で打った。
「久瀬!大丈夫か!久瀬!」
郷原が久瀬の頭を膝に乗せ声をかける。
「……大丈夫に見えますか…」
久瀬は細い声で答える。
「久瀬!」
武尊も久瀬に寄る。
「早く花澤先生に!」
「そうしたいが…どうも行かせてもらえなさそうだぞ…!」
郷原は目の前にいる侵入者たちを睨む。
「おい!殺す気ないって言ってたろ!!このままじゃ死ぬぞ!」
武尊が侵入者に向けた怒りに侵入者の一人が答える。
「まあ落ち着けよ青年。すぐに終わる。少しだけ大人しくしていてくれ。」
「くっそ…!!」
「熱血速攻…!!!」
床が軋んだ。侵入者たちが振り向いたその瞬間に、3人ともが宙に舞う。
「!!」
松岡は風のように3人の真下に位置取る。
「お目覚めですか先生!大人しくしといてくださいよ!」
宙を舞う侵入者たちはそれぞれに凶器を手に持つ。
「──墜掌撃!!!」
「?!!」
大きな音と共に宙に舞った侵入者が3人とも床に叩きつけられる。教室の机はその場所を中心に外へと弾かれた。
「先生!」
「すまん…お前たち…!怖い思いをさせたな…。小田桐、こいつらの拘束を頼む。」
小田桐は能力で侵入者を拘束した。
「久瀬は俺が花澤先生のところへ連れていく。」
松岡が言う。
「先生、真樹が危ないかもしれない。」
「真樹?」
「医療班の宮國。幼なじみなんだ…!あいつらは権藤所長と真樹に用があるって言ってた。」
「所長…?話が読めないな、わかった。とにかく、俺が久瀬を連れていく。宮國に関しては川越教官が一緒にいるはずだ、心配するな。」
「…わかった」
同刻、医療班側。
「なんですか?あなた方は」
川越は2人の侵入者と対峙する。
「客人に見えますか?」
「それが答えってことでいいのね?みんな!離れてて!」
医療組の教習生たちはひとかたまりになって教室の隅に避難する。
「先生!」
「大丈夫!安心して!あなたたちには指一本触れさせない!一応これでもプロなのよ。」
「生徒思いの先生で泣けますね」
侵入者の1人が言う。
「学のない煽りするのね、無免許?」
「いりますか?そんなもの」
「いるに決まってるでしょ…!」
川越は侵入者に向かって突進する。侵入者たちは持っていた鉄パイプを振り上げた。
「──温度燗理」
川越は侵入者の振り抜く鉄パイプをかわし、その鉄パイプに触れる。
「クールダウン!!」
鉄パイプの温度が急激に下がる。
「冷めた…!」
侵入者たちは鉄パイプから手を離す。
「な、離れない…?!」
「学がないのね、氷点下に近い鉄に触れると手の表面の水分が急激に凍結し、くっついて離れない、接着現象が起こる。やっぱり勉強はしておくものね」
「こんなもん…!」
侵入者は鉄パイプを握り直し、川越に振り抜く。
「ヒートアップ!!」
川越が侵入者たちの胸部に触れる。
「熱つ…!」
その瞬間、侵入者たちは天を仰いで倒れた。
「?!」
教習生たちが驚く。
「ヒートショック。聞いたことあるでしょ?寒い日に温かいお風呂に入ると危ないってやつ。寒暖差によって急激な血管の収縮と膨張が起きると、心臓に深刻なダメージがかかる。」
川越は侵入者の手足をテーピング用のテープで固定し、教習生たちに向き直る。
「ね、勉強って大事でしょ?」




