決着
「ヒューマロック・シヴァ!!!!」
「飲み込みが早いですね…!」
久瀬は余裕も含みながらニヤリと笑った。
「武尊…!すごいぞ!」
「ただ、ホンモンの腕の方がズキズキしてんだよな…だからこれでどうにかなればいいけど…」
「よし、俺も負けてはいられないな!浮筋浮筋…!」
「いくぞ!武尊!!」
「おう…!」
「いくよ花子…!」
同時に武尊と郷原が久瀬に向かい飛び出す。
「三散苦吐!」
同時に久瀬も飛び出す。久瀬は花子の腕に飛び乗り、花子はその久瀬を郷原に向けて投げつける。
「…!」
勢いよく放たれた久瀬は右足を振り抜く。パシンッ!と郷原に一撃の蹴りがかすめる。着地するとすぐさま向き直り同時に武尊の風船を狙う。
「くっ…!!!」
チッ
武尊はギリギリでかわす。風船に手が掠める。
「こんのっ…!!!」
岩の腕で久瀬の足を辛うじて捉えた。
「花子!」
久瀬が叫ぶとほぼ同時に武尊も叫ぶ。
「郷原!!」
「ババチョップ!!!」
郷原の手刀が久瀬の胸部にヒットする。
「ぐっ…!」
花子が岩の腕に飛びつき、久瀬をはがす。
「三撃目…!」
武尊はとっさに岩の両腕でガードする。
ガンガンっ!
「?!」
久瀬の二撃の殴打はその両腕によって防がれる。途端に久瀬は郷原に向かって飛び出した。
「郷原!危ねえ!」
「…!」
郷原もとっさにガード姿勢に入る。
「三散苦吐!!」
久瀬の殴打は郷原の腹部にクリーンヒットした。
「ぐはぁっ!!!」
郷原は宙に舞い、3mほど後方に吹き飛ばされた。
「俺に言った三撃目って嘘かよ…!」
武尊は荒く息を吐きながら問う。同様に肩で息をしながら久瀬は答える。
「三連続ヒットが条件なんです。さっき二撃目はかわされてるので」
「あの瞬間でブラフかよ、頭回んなぁ…!さすがだわ…!でも、だいぶ息上がってきてんな久瀬…!」
武尊はニヤリと笑う。
「人の心配とは余裕ですね武尊くん…!」
武尊はラッシュを仕掛けるが、久瀬は避けながら拳を当ててくる。武尊は三撃目が岩の腕にダメージを与えていることに気付き距離を取る。
「やっぱ打ち合いは分が悪りいな…!」
「花子!」
花子は郷原に向かい飛び出した。郷原が応戦する。
「ババチョップ!」
花子がかわす。郷原の手刀は空を切る。次いで花子の蹴りが郷原の風船を狙う。郷原は花子の振り上げられた足を掴んだ。
「んんっ!!」
ブンッ!!!
郷原は足を掴んだまま、花子を久瀬に向け投擲する。同時に武尊も久瀬との距離を詰める。
「くっ!」
咄嗟の防御姿勢を取る久瀬に花子が激突する。久瀬はバランスを崩した。
「うぉぉおお!!」
武尊はそのスキを突いて、岩の右腕を振り抜く。
「___岩撃!!!」
「ぐっ…!!!」
久瀬は咄嗟にガードするが、凄まじい衝撃に土煙を巻き上げながら、花子と共にズルズルと後方へ引きずられた。
「馴染んできましたね…武尊くん…!」
「おかげさまで…!」
「もう時間もないですね、仕方ない。」
「どういうことだ…?」
久瀬はふぅ…と息を吐き印を結びだした。
「おいおい…ウソだろ…まだなんかあんのかよ…!」
武尊は歯をグッと食いしばり冷や汗が流れた。
ウウウウウーーー!!!!
その瞬間、サイレンが鳴り響く。
「?!」
「緊急事例発生、至急各教員は所長室にお集まりください。」
「なんだ!?」
郷原が言う。
「緊急事例発生、教習を中断し、各教員は至急所長室にお集まりください。」
「というわけだお前ら!急いで戻るぞ!」
呆気に取られている3人の目の前に、いつの間にか松岡が現れた。
「松岡先生…?!これって…?」
武尊が言う。
「俺にもまだ分からん!ともかく戻るぞ!」
その時武尊は心にゾワゾワとしたものを感じていた。久瀬との戦いの余韻か、それとも全く別のものか──。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
2章もいよいよ佳境です。
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